ライター必見!プロが教えるシナリオの書き方の違い

ライター必見!プロが教えるシナリオの書き方の違い

シナリオの違い

今回は同じシナリオでも、何の作品のシナリオかで書き方は全然違います。
違いというのは書き方ではなく、注意する点が違うという意味になります。

シナリオを書く際に、下記のことを頭の片隅に置いてもらえると役に立ちます。

 

映像系シナリオの注意点

映像系のシナリオを書く際に必ず頭に入れておくことがあります。
それは「予算」です。

どういうことかというと、映像の場合は必ず「カメラに収めなくてはならない」のです。
たとえば「柱」のところで雰囲気が出るようにと
「マンハッタンの街並み」と書いたとしましょう。

文字で書くのは簡単ですが、
監督やスタッフ、俳優は実際に「マンハッタン」に行かなければなりません。
資材や人の移動費やロケをするために船やヘリのチャーター費などがかかります。
下手をすると、これだけで予算が飛んでしまう場合もあります。

ですので、映像系のシナリオを書く際は
実際に撮るときのことを考えて書きましょう。

また、「亜空間」や「鎌倉時代の街並み」なども当てはまります。
書くのは簡単ですが、それをカメラに収めるのはかなり大変になってきます。

今はCGなどが発達し、今まで表現できなかったものが
映像として表現できる幅が広がってきました。
ですが、CGを作るのもタダではありません。

細かいところまで把握する必要はありませんが、
頭の片隅に「予算」のことを入れておくだけで大分違ってきます。

最初に予算のことを考えていればそもそものネタを出す段階で
「ニューヨークの話」や「戦国時代の話」などは場合によっては除外する必要があります。
コンペの場合であれば、ネタの時点で不採用となることがあるので充分注意しましょう。

ただ、アニメなどは例外でどんな場所でも自由に表現できます。
たとえ宇宙でも魔界でも原始時代でも、制限なしに出すことが可能です。

 

ラジオドラマ/ボイスドラマの注意点

ボイスドラマのシナリオを書く際に忘れていけないことは映像がないということです。

ボイスドラマなので当然と思うかもしれませんが、これは書いているうちについ抜けてしまいます。

具体的にどう注意するかです。
映像がないということは「台詞」と「SE」でしか表現できないことになります。

例えばですが、主人公が右手を上げる動作をするとします。
映像があるシナリオであれば、普通にト書きに「右手を上げる」と書けばいいだけです。
それだけで、役者さんが右手を上げる演技をしてくれます。

ですが、ボイスドラマでは右手を上げるという動作を役者さんが演技で表現できません。
SEでバッと腕を上げる音を入れたとしましょう。
ですが、聞いている人は何の音かわからない場合があります。

そういう際は台詞で表現して上げないといけません。
ナレーションで「右手を上げた」と入れるか、「右手を上げて、どうしたんだ?」というような台詞が必要になります。

また、場所に関しても映像がありませんので、SEや台詞で表現することになります。
シナリオを書く際は、完成するボイスドラマをイメージしながら書くといいでしょう。

文字だけを追って書いていると、どうしても説明が足りなくなり、
聞いている人はどこで誰が何をしているかがわからなくなりますので注意してください。

書き終えた後は、完成したものを想像してみてください。

ボイスドラマは他のシナリオの台詞よりも「説明」が多くなります。
その説明台詞を、どう自然にするかがボイスドラマの肝です。

流れるような会話の中で、自然と情景が入ってくるような台詞周りを書けるように心がけましょう。

 

舞台シナリオの注意点

舞台のシナリオは映像系と書き方は似ていますが、大きなところで2つ違いがあります。

  • 場所は舞台の上のみ
  • アップで見せることができない

まずは「場所は舞台の上のみ」についてです。
舞台では当然のながら、舞台の上ですべてを完結させます。

シナリオ内に出てくる「場所」は「セット」で表現されます。
一見すると、セットさえ作ればどんな場所でも出せると思えます。

実際、その点でいうと映像よりも表現はしやすいかもしれません。
たとえば、映像のときに出てきた「マンハッタン」でも「異空間」でも
そのようなセットを作って貰えれば、マンハッタンでの話にすることができます。

ですが、ここでいう注意点は「コロコロと場所を移動できない」という点です。
映像であれば、場所が変わる場合はカットを切り替え、一瞬で切り替えることができます。

それが舞台になれば、一旦暗転して「セットをし直す」必要があります。

映像でのシナリオで効果的に使われる技法のカットバックも
舞台でやるには何度もセットを設置し直す必要があり、お客さんがシラケてしまいます。

ですので、舞台の場合はなるべく場所移動しない流れにする必要があります。
ストーリーを考えるネタの時点で極力場所移動しないで表現できるかも気にしましょう。

次に「アップにできない」ことに関して説明します。
映像であれば、強制的にアップをすることができます。
そのことで、観客に見て欲しいものを「強制的に」見せることが可能になります。

ですが、舞台ではそれができません。
つまり、観客の視線を縛ることができません。

例えば「ハンカチ」が重要なキーとなる話を書いたとします。
ストーリー中、何度もハンカチを出すとします。
ですが、観客はそのハンカチを見ているとは限りません。

さらに、ハンカチに刺繍があり、それが重要なキーとなる場合ですが、
最悪、観客はその刺繍が「見えない」こともあります。

観客としては刺繍のことは見えないのでよくわかりません。
それなのに、「実は刺繍はこういう意味があった!」と言われても、きょとんとなってしまいます。

ですのでその場合はボイスドラマのときと同様に台詞で捕捉する必要があります。

 

ゲームシナリオの注意点

ゲームの場合は他のシナリオと違って特殊で、その案件ごとで書き分けなければなりません。
ゲームシナリオで気をつけなければならないのは、大きなところで2つです。

  • 用意できるコンテンツ
  • アドベンチャー部分の仕様

前段としてゲームシナリオは
シナリオがそのままテキストとして表示されることが多いので
かなり小説に近いイメージになります。

ゲームのシナリオをラノベ作家さんに依頼するというのは多々あります。

予断ですが、逆にゲームのシナリオを書いていて、
そのゲームシナリオがノベル化になった場合は、「新たにラノベ作家さんに依頼する」とが多いです。
そのままシナリオライターがノベルを書くことはあまりありません。
※ラノベ作家さんがシナリオを書いている場合は別です。

これはフレーバーの書き方の方でも書きましたが「肩書き」の問題になります。

ゲームのノベル化はゲームのファンだけではなく、
ノベルからゲームへ入ってもらいたいというのもありますので、
有名な作家さんに書いてもらい、その作家さんのファンなども取り込もうという狙いになります。

今まで仕事をしてきた中で、
ラノベ作家からゲームのシナリオを書くことはあっても
無名のゲームシナリオライターが、そのままラノベを書くということはありませんでした。
※有名でない限り、ゲームのシナリオライターの名前が表に出ることはほとんどありませんし。。

話がそれましたので戻します。

ゲームシナリオで一番忘れてはいけないのが、
「基本ユーザーはゲームをしに来ていてるのであって、シナリオを見に来ているわけではない」
ということです。

映像、アニメ、ボイスドラマ、小説、漫画などは
お客さんは「物語」を見に来ています。
なので、「ストーリー」を楽しみに来ていることになります。

ですがゲームは、お客さんはあくまで「ゲーム」をしにきています。
つまり中心が「ゲーム」になります。
そこが他のシナリオと大きく違う部分になります。

よく作家さんでありがちなのが、
小説と同じ感覚で書いてしまうことがあります。
中にはテキストを150タップ分以上を長々と書いてくる作家さんもいらっしゃいます。

ゲームの場合はゲームの合間にシナリオが展開されるので、
ストーリーのパートに入ると、ゲームが「中断」されてしまう感覚になります。
※もちろん、ストーリーを楽しもうとするユーザーさんもいらっしゃいます。

早くゲームの続きをやりたいのに、長々とストーリーを流されると
返ってユーザーをイラつかせてしまう場合があります。
50タップ以上になると、スキップされる可能性がかなり高くなるというデータもあるくらいです。

前置きが長くなりました。
では「用意できるコンテンツ」について説明します。

ゲームシナリオの場合、用意できるコンテンツは案件によって全然違います。
キャラに表情が何種類あるか、背景はどんなものが用意されているか、
ボイスは入るのか、入るとしたらどのくらいはいるのか、など色々な制限が入ります。

まずキャラの表情が1種類しかない場合、悲しんでることを表現するには
地の文で「悲しんでいる」と書かなくてはなりません。

逆に「悲しい表情」が用意されているのであれば、悲しい表情を画面に出してもらえば
地の文に「悲しんでいる」とは書かなくてもよくなりまります。

これはボイスが入るかどうかも同様になります。
ボイスが入る場合は「悲しい感じ」で声優さんに演技してもらえば、
地の文で書かなくても、ユーザーは悲しんでいることはわかります。

ですが、ボイスが入らない場合は
やはり地の文での補足が必要になってきます。

背景に関しても、用意されていない場所でのストーリーは作れません。
どうしても出したい場合は、背景を新たに用意して欲しいという交渉が必要となります。

ゲームのシナリオを書く際は必ず、用意してもらえるコンテンツの一覧を貰いましょう。

次にアドベンチャーの仕様についてです。
これはどのくらい動くのか、画面に何キャラ出せるのか、どういう形でテキスト出るのか、などなど
仕様によって表現できるものは大きく違ってきます。

中には選択肢を付けられる場合もあり、
選択肢によって分岐点を作れるのであれば、自然とシナリオもそれを使ったものにする必要があります。

ただ、アドベンチャーの部分が作られるのは遅かったりするので
実際のアドベンチャーの画面を見ることはできなかったりします。

その場合はせめて、アドベンチャー部分の仕様書を見せてもらいましょう。

上でも書きましたがゲームシナリオはあくまでゲームを引き立てるものです。
仕様やコンテンツで表現できるものは極力テキストで二重に表現せずにカットしていきましょう。

なるべくタップ数を減らすことがゲームシナリオの肝となってきます。

 

アニメシナリオの注意点

最後にアニメシナリオの注意点です。

…すいません。
アニメの仕事はまだしたことがありませんので、注意点などを詳しくは書けません。。。

アニメの仕事をした際に、またここに追記していきたいと思います。

それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。