【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑥

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑥

 ……なにしに来たんだ、あいつ。
 イヤミを言いに来ただけか?
 
クラムが出て行った瞬間、ゾンビたちがギリギリと骨を鳴らしながら怒号のような声をあげる。

「くそっ! あのエロゴリラ! アメリア様の乳を舐めまわすように見よって!」

「鎖骨も見てたぞ!」

「肩もだ!」

「アメリア様のエロい体を見ていいのは俺らだけなのに……ぶべ!」

 力説していたゾンビの頭が、アメリアの裏拳で吹き飛ぶ。

「うるさい」

 頭を吹き飛ばされたゾンビは倒れて、体をガクガクと震わせている。

 ああ……。
 あれは興奮しているときの動きだ。
 良かったな、夢が叶って。

「チャーリー・バロット。出てきていいぞ」

 アメリアに言われ、ようやく灰が漂う暖炉から出ることができる。

「なんで僕のことを隠したんだ?」

 服についた灰を払いながら問いかけると、アメリアはフンと鼻で笑う。

「あのエテ公は珍し物好きだからな。貴様のようなイレギュラーは目を付けられるに決まっている」

「なんだ、僕を取られるのが嫌だったのか。そんなに僕から離れたくないなら、素直に言えよ」

 僕の言葉に大きくため息をついたアメリアは内ポケットから防腐剤を取り出して、こちらへ放った。

「ん? なんだ?」

「頭の中に入れておけ。随分と腐敗が進んでるみたいだ」

「僕の脳は腐ってねえ!」

「いいか? 貴様はあたしのコマだ。あたしはあたしの所有物に手を出されるのが、この世で一番嫌いなだけだ」

「ということは、俺たちもですね!」

「一生ついていきます!」

 ゾンビたちが一斉にアメリアに飛びつこうとする。
 パチンと指を鳴らしたその瞬間、いつの間にかアメリアは僕の横にいた。

 まさしく瞬間移動。

 いきなり目標が消えたゾンビたちはお互いを抱きしめるような形になって床に顔を打ち付ける。

 ――そして。

「ぶべは!」

 一気にゾンビたちが爆発した。

「貴様に、一つ仕事をやってもらう」

 ポンと僕の肩を叩いた後、部屋から出ていこうとして、扉の前で立ち止まる。

「ああ。部屋、掃除し直しておけよ」

 振り向きもせず、そう言い残して出て行ってしまう。

 ――掃除する前より、ひどくなってる。

 僕はゾンビたちの散らばった肉塊を見下ろしながらため息をついた。

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