【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑧

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑧

「……よく聞こえなかったな。ニナ・ローツ。もう一度報告しろ」

「そ、その――寝てました。申し訳ありませーん」

報告室という名の玉座の間。

アメリアがいつものようにチャイナドレスを身にまとって玉座に座り、皆の報告を聞いている。
そのアメリアの前で土下座をしているニナ。
僕やゾンビたちはニナを取り囲むように、オロオロしながら立ちすくんでいる。

「寝、て、た、だと?」

血管をビキビキと浮き上がらせ、牙をむくようにギリっと歯ぎしりをした。

――ヤバイ。ガチ切れだ。

周りのゾンビたちも、アメリアが本気で怒っているのを肌(いや、肌はないんだが)で感じているのか、いつものようにセクハラ発言を控えている。

「ひぃ! す、すいませーん」

ペコペコと何度も頭を下げるニナ。

「……で? 墓荒らしによる損害はどのくらいだ?」

「は、八千……くらい……です」

「八千! 約、一割だぞ!」

「ご、ごめんなさーい!」

拳を握り締め、アメリアが立ち上がり、土下座しているニナをつかんで引き上げた。
そして、握り締めた拳を振り下ろし……。

「アメリア、止せ!」

ギリギリのところでアメリアの腕を掴むことに成功する。

「離せ」

「どうした、お前らしくもない」

「ふん、貴様はこの重大さがわかってないだけだ。こいつは一割の街のゾンビを夜寝で見殺しにしたんだ」

「見殺しって……どういうことだ? あいつら、殺しても死なないだろ」

「説明する気にもなれん! 誰か、後でこいつに説明しておけ!」

アメリアは怒鳴るように言い捨てて、ツカツカとヒールを鳴らして部屋を出て行ったのだった。

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