【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑭

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑭

――ガリガリガリ。墓石が削られる音が聞こえてくる。

「どうやら、ビンゴのようだな」

「そ、そうみたいだね」

「準備はいいか?」

「う、うん」

僕は勢い良く、墓石の影から飛び出し墓石を削っているやつにビシッと指を指した。

「貴様の悪事はそこまでだ!」

「え?」

そいつはビクっと体を震わせて僕を見上げた。手には石を削るためのノミを持っている。
とにかく顔の確認が先だと思い、そいつの顔を見たが――ドクロだった。

いや、ドクロ自体はそんなに珍しくない。
ボブも手入れをサボりすぎて顔の肉が落ちて一週間くらいただのドクロ状態になっていたこともある。

だが、そいつは違った。
ゾンビがドクロの覆面をしている。

――シュールだな。
ていうか、なんでドクロをチョイスしたんだ?
まあ、顔を隠せればいいんだから、これでも良いって言えば良いんだけど……。

服装は黒いつなぎだった。
よく、工場の人とかが着るような感じの。
ただ、黒っていうのがあまり見たことないけど。
さっき、黒い影が通り過ぎたように見えたのはそのせいだろう。

「な、なんで墓守がいるんだ? 二日間いなかったのに……」

「いや、普通被害が出たら、誰だって警備するだろ」

「くそっ! 罠だったのか!」

よくわからんが、勝手に勘違いして焦っている。今がチャンスだ。

「ニナさん、懲らしめてやりなさい!」

僕はおじいさんでもないし、変な印籠も持ってないがここは仕切らせてもらう。

「……」

「……」

僕とドクロ覆面は顔を見合わせる。

何も起こらない。

ふと、後ろを振り向くとニナが泡を噴き、白目を剥いて倒れている。

……グロイ。

っじゃなくて!
なんでだよ!

「くそっ! ここは逃げの一手だ!」

覆面ドクロは脱兎のごとく走り去っていく。

「あ、待て!」

「待てるか、ばーかー!」

相当足の速い奴だった。

今から追っても、間に合わないだろう。
……それにしても、寝てたってこういうことかよ。

ぐったりと倒れているニナを呆然と見下ろしていると、上空でゾンビカラスが「あほーあほー」と鳴き、ボタっと体の一部である肉を落としていったのだった。

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