シナリオのト書きの書き方コツ

シナリオのト書きの書き方コツ

シナリオの書き方でも書きましたが、シナリオは主に3つの要素で成り立っています。
柱、セリフ、ト書きです。
今回はト書きについて解説していきます。

ト書きとは

ト書きは小説でいうと地の文の「ような」ものになります。
セリフでは語られない部分を説明する箇所と考えてください。

小説の地の文と大きく違うのは「直接視聴者が見るものではない」という点です。
小説は、小説のみで成り立つため、地の文も読者が直接見ることとなります。
ですので、地の文も「読者に楽しんでもらう」ための要素となります。
地の文でも作品の一部として書くので、情景が読者にも伝わるように工夫して書いていきます。
詩的に書くこともあるでしょう。

ですが、シナリオ自体は作品の設計図のようなものになります。
シナリオ自体が視聴者に見せるものではなく、「現場の人たち」に見せるものとなります。
なので、より分かりやすく端的に書いていくことになります。

小説の地の文は「楽しんでもらうため」に書き、
シナリオのト書きは「正確に伝えるため」に書くことになります。

ト書きを情緒たっぷりに詩的に書くことで相手に伝わらないとすると、目的が達成されません。
ト書きはより分かりやすく、より簡単に書くことを心掛けてください。
「誰が」「何を」「どうした」くらいのイメージで書いていきましょう。

用途によって書き分ける

シナリオはそれぞれ、ボイスドラマ用、舞台用、テレビドラマ用、アニメ用などなど、たくさんの種類があります。
もちろん、用途が違うのですから、シナリオもそれに合わせて書く必要があります。

それぞれの書き方の違いに関しては下記の記事に書いてありますので、ぜひ読んでみてください。
ライター必見!プロが教えるシナリオの書き方の違い

当然、ト書きも用途によってかき分ける必要があります。

ボイスドラマの場合

映像がないので、見た目の動きをト書きで書いても表現できないことが多いです。
例えば、「イライラして、道の小石を蹴る」とト書きに書いたとしても、どう表現するか編集の人が困ってしまいます。
たとえ、小石を蹴る音や小石が転がる音を流したとしても、聞いているほうは何があったかわかりません。
ボイスドラマのシナリオのト書きを書く場合は、どう音で表現できるかを書く必要があります。
このあたりのコツは「SE」を入れる感覚で書くといいでしょう。

ドアを開く音。
自動車が走る音。
ゆっくりと歩み寄る音。

上記のように音で表現できるト書きを意識して書いていきましょう。
また、SEだけでは伝わらなそうな場合はセリフで補強していくことになります。

テレビドラマの場合

テレビなどの映像系の場合は、逆に「動作」を中心に書いていくことになります。

隆が笑みを浮かべて、翔太に近づいていく。
誠司が苦しそうに胸を押さえてしゃがみこむ。
祥子が欠伸をしながら、けだるそうに歩く。

上記のように映像で見せる部分の指定をト書きで書くことになります。

ただ、ここで注意点があります。
小説の地の文と違い、「思い」が入った描写は書くことを避けるべきです。

例としては「刑事は公平が怪しいと思いながら、後をつける」というようなト書きです。

映像としては「刑事が公平の後をつけている」部分しか表現できません。
「怪しいと思いながら」という部分は映像にするのが難しいです。
こういう場合は、前のシーンで公平が何かしら怪しい行動をしているのを、陰から刑事が見ているというようなシーンが必要となります。

もう一つ映像系でト書きで書くべきポイントがあります。
視聴者に見せたい「もの」を指定することです。

テレビの場合は小道具を有効的に使えるので、ぜひ、使っていきましょう。
例としては「家族の写真。みんな笑顔で写っている」というような形です。

これは写真を写すことで、家族が仲がいいというのを映像で視聴者に伝えることができます。
セリフで「あの家族は仲がいい」と言わせてもいいですが、映像でパッと見せたほうが効果的なときがあります。
こういう小道具を使う場合も、ト書きで書く必要があります。

舞台の場合

舞台も映像系と同様に、人の動きを書いていきます。
違う点といえば、舞台では小道具を使うことが難しいです。

テレビの場合は強制的に小道具を写すことができますが、舞台では観客の視線を強制的に向けさせることはかなり難しいです。
また、テレビとは違い、舞台と観客とはある程度、距離がありますので小道具が見えない場合もあります。
そういう点も考えて、ト書きを書く必要があります。

ストーリーに関係がある箇所を書く

最初にも書きましたが、ト書きは「わかりやすく」「簡潔に」書く必要があります。
また、役者の動きなどを全て書く必要はありません。
どう演じるかは役者に任せてしまったほうが、よい場合も多々あります。

では、どこまでをどう書けばいいのでしょうか。
それはストーリーに関係がある部分を書いていけばいいでしょう。

ストーリー上、必要な動作、見せたいものを書いていくイメージで書いていきましょう。

最後にト書きを書くコツとしては、「自分なら、このシナリオでどう作品化するか」を考えながら書くといいでしょう。
つまり、シナリオを渡された側のことを考えて書けば、おのずとよいト書きになっていきます。

それでは、今回はこれで失礼します。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。