キャラクター作成に使える心理学 人は動機があるから行動する

キャラクター作成に使える心理学 人は動機があるから行動する

前回キャラクター作成について、心理学を応用する記事を書かせていただきました。
今回もキャラクター作成において、心理学を応用する記事になります。

今回はキャラクターの動機についての解説になります。

人は動機があるから行動する

人は行動するとき、必ず理由があるはずです。
たとえば食事に関しても、「お腹が減った」からです、寝るときも「眠くなった」からです。
歯を磨いたり、お風呂に入ることも、本人にとっての理由があるから行動に移すのです。

特に嫌なことや大変なことをやるには、強い理由が必要となります。
たとえば、毎朝、満員電車に乗って、夜遅くまで仕事をするのにも耐えられるのは嫌だと思う以上の動機があるからです。

仕事に行かなければ給料をもらえません。
期日内に仕事を終わらせないと「怒られる」「出世できない」「給料を減らされる」など、残業以上に嫌なことがあるからやるのです。

あなた自身、やりたくないことを何の理由もなくやることはないと思います。

これは当然のことだと思うでしょう。
今更なにを言っているんだと思ったでしょうか。

ただ、これが「キャラクター作成」になると、忘れてしまう人が多くいます。

漫画の主人公だから、人を助けるのが当然。
仲間のピンチには駆けつけるのは当たり前。
悪を倒すためには、自分の命を投げ打ってでも戦うのは必須のこと。

このような考え方でキャラクターを作っていないでしょうか。
前回でも解説しましたが、キャラクターは「ヒーロー性」と「共通性」が必要です。
上の例はヒーロー性に当てはまるからいいと思っていないでしょうか。

「ヒーロー性」の部分でも、読者の理解を得られない場合は、そのキャラクターは「ヒーロー」ではなく、「変人」です。
「変人」に憧れる人はいないのです。

漫画の主人公でも理由がある

いわゆる漫画の主人公を見てみましょう。
たしかに、新しい敵(悪者)が出てくれば、当然のように命を懸けて戦います。

ですが、そこに動機はないのかというと、決してそうではないのです。

例として考えやすいのが、「るろうに剣心の緋村剣心」です。
剣心は幕末、平和を願って、多くの幕府側の人間を葬ってきました。
いくら平和を願っていた上での信念だったとしても、剣心の中に罪悪感を残しました。

維新が達成され、平和になった明治。
剣心は、もう人を屠る必要がなくなり、今度は人を守ろうと決意することになります。

これは剣心にとって、「罪滅ぼし」です。
人を守ることは無償ではなく、剣心の、いわば「自己満足」ということなっていくのです。
この罪滅ぼしの想いは自分の命よりも強いです。
だからこそ、剣心は自分の命よりも優先して、人々を傷つける悪人と戦い続けるのです。

剣心はわかりやすい例です。
では、ワンピースのルフィはどうでしょうか?
王道の主人公のようなルフィは、罪滅ぼしというようなバックボーンはありません。

では、動機がないかというと、そうではありません。
ルフィが戦う理由として多いのが「仲間」のためです。
仲間を傷つける相手を許しません。

ルフィにとっての、戦う動機としては下記になります。
仲間が傷つけられるのを見ているよりも、自分が傷ついたとしても戦うほうがいいという考えになります。
つまり、仲間が傷つけられることと、その相手をぶっ飛ばすのでは、後者の方がルフィにとっては「いいこと」なのです。
これはルフィが自分が傷つくことが、そこまで「嫌」なことではないから、自然と闘う方に行動します。

これがアイシールド21の主人公である小早川瀬那であれば、自分が傷つくことに躊躇します。
なので、戦うことよりも、戦わずに済むことを選ぶ思考になります。
ただし、セナも「譲れないもの」があった場合は「自分が傷つくこと」よりも優先します。

これが動機ということになります。

なので、キャラクターを作る際には必ず何が優先されるかを設定しなければなりません。
それによって行動の動機が決まってきます。

ここをおろそかにしてしまうと、意味なく自分の命を懸けて他人を助けるという「変人」になってしまいます。
そうならないためにも、しっかりと設定していきましょう。

人は良い状態を維持したい

夏が来て、暑いとクーラーを付けます。
冬が来ると、暖房を入れます。
自分にとってちょうど良い状態を保とうするはずですよね。

人間は自分にとって良い状態を維持しようとします。
真夏の暑い日に、暖房を入れる人はいません。
いるとしたら、それは別の「動機」があるからです。
ボクサーの減量とかでしょうか。

つまり、「動機」がない場合は、良い状態を保とうとするはずです。

これは当然、キャラクターにとっても同じはずです。
無意味に冬にクーラーを付けたりしないのです。

たしかに、キャラクターを作るとき、上の例のようなミスをすることはないでしょう。
ですが、下記のようなことはしてしまう人がいるのではないでしょうか。

銃を持った悪人が、話したこともない女の子を狙っています。
主人公はそれを見て、腕に自信もなく、運動神経も並以下なのに、悪人に向かっていきます。
そして、主人公は決して自殺願望などありません。

どうでしょうか?

女の子を見捨てるような奴は主人公じゃねえ、となるでしょう。
というより、助けないとストーリーは進みません。

だからといって、大した「動機」もなく、考えもなしに突っ込んでいく主人公を見てどう思うでしょうか。
やはり「変人」に見えてしまうはずです。

別に助けることが悪いと言っているわけではありません。
自分が安全な状態から、危険へ飛び込むための「動機」を設定したほうがいいということです。

たとえば、主人公は強くはなくても頭がよく、悪人を罠にはめられる自信があるとしましょう。
そうすれば、主人公は「勝てる」「自分は傷つかない」と思っているわけですから、「女の子を助ける」方がいいと思い、行動しても自然です。

他には、狙われている女の子と知り合いにしておくのもいいでしょう。
身近な人や、知っている人だと、人間は多少なりとも情が沸くものなので、助けたいという思いが強くなります。

「主人公だからそうするもの」という考えではなく、ちゃんと「動機」を用意してあげましょう。
動機があれば、人は行動します。

キャラクターも、ちゃんと人間として描いてあげましょう。

以上が、キャラクターの動機についてです。
いかがだったでしょうか?
少しでもあなたの参考になっていただければ幸いです。

それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。