■概要
人数：5人以上
時間：5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代ファンタジー、コメディ
■キャスト
鬼
その他
■台本
鬼１「があああああ！」
女性「きゃあああ！ 化物―っ！」
走って逃げる女性。
鬼１「あはははは。おら、待て！」
鬼２「おい、何やってるんだよ！」
鬼１「……邪魔するなよ。せっかく、人間を脅かして楽しんでたのによぉ」
鬼２「ったく。お前みたいなやつがいるから、鬼全体が人間から嫌われるんだぞ」
鬼１「あん？ 別にいいじゃねーか。俺達鬼が、人間なんかと仲良くする必要はねーよ」
鬼２「仲良くする必要はねーけど、不必要に脅かしたりするなよ。反撃されたら、どうするんだ？」
鬼１「この時代、陰陽師なんかいねーって。結局、人間なんか、ビビッて終わりだっつーの」
鬼２「……知らねーぞ。どうなっても」
鬼１「あん？ 自分のケツは自分で拭くから、お前には迷惑はかけねーよ」
鬼２「あっそ。じゃ、そろそろ、俺は行くわ」
鬼１「行くって、どこに行くんだよ？」
鬼２「ん？ 山奥」
鬼１「は？ なんで、そんな詰まんねーとこに行くんだ？」
鬼２「はあ……。お前も早く準備した方がいいぞ」
鬼１「準備？」
鬼２「逃げる準備」
鬼１「逃げる？ なんでだよ？ 俺は人間ごときに逃げることなんかしねえよ」
鬼２「ふーん。なら、お好きに。じゃあな」
鬼１「ああ。じゃあな」
場面転換。
鬼１が走る音。
鬼１「はっ、はっ、はっ！ し、しまった！ やべえ」
男１「おい！ 見つけたぞ！ 鬼だ！」
男２「逃がすなよ！ そっちに回り込め」
鬼１「くそ！ このままじゃ囲まれる」
男１「もうこの辺には鬼がいないからな。絶対に捕まえるぞ！」
鬼１「ちくしょう！ 俺も山に逃げておけばよかった！」
男２「止まれー！」
鬼１「くっ！ ど、どけー！」
男２「今だ、撃て！」
バシュと網が撃たれる。
そして、バサっと鬼１に絡みつく。
鬼１「うわー！ くそ、なんだ、この網は？ 全然ほどけねえ」
男１「ふふふ。これは対、鬼用の捕獲網だ」
鬼１「く、くそー！」
場面転換。
子供たちが走る音。
子供１「鬼はー、外―！」
鬼１「いて！ いてて！」
豆をぶつけられる鬼１．
子供２「福はー、うちー！
鬼１「痛い！ 痛いって！」
子供１「待て待て！」
鬼１「勘弁してくれー」
場面転換。
男１「お疲れ様。じゃあ、次は家な」
鬼１「あのさ……。なんで、わざわざ、鬼を捕まえて入れて、豆をぶつけて追い出すんだよ？ なんの意味があるんだ、これ？」
男１「節分っていう風習だよ。悪いね。本物の鬼を使った方が、縁起がよさそうだろ？」
鬼１「……理不尽だ。来年からは、俺も山に疎開しようっと……」
終わり。