【意味が分かると怖い話】地縛霊

■概要
意味が分かると怖い話です。こちらは創作(オリジナル)となっています。
こちらの話は配信などでも、無料でお使いいただけます。
※ただし、転記や自作発言は止めてください。

〈意味が分かると怖い話一覧へ〉

〈次の話へ:安全なマンション〉

■本編

学生ってさ、お金がないもんでしょ?

いくら親に仕送りしてもらってるって言っても、結構、生活がカツカツなんだよね。

まあ、バイトでもすれば、いいんだろうけど、やっぱ、面倒くさいし。

となれば、やることは一つ。

出費を削減することだ。

そこで思いついたのは、家賃が激安のところに引っ越すというもの。

で、偶然、ビックリするくらい安い所を見つけた。

前のところと比べて、2万も安いんだよ。

学生の身分からすると、月2万円浮くのは、かなり嬉しい。

だけどさ、そういうところって、あれなんだよね。

そう、事故物件。

 

俺が借りた部屋は、かなりヤバいらしくて、何人も亡くなってるらしい。

でもさ、幽霊なんて結局は気持ちの持ちようでしょ?

気にしなければいいんだからさ。

それに近くの人に聞いてみたんだけど、部屋に出るっていう幽霊が、住む人によって違うっていうんだ。

ある人は、髪の長い若い女っていてて、その後は、中年の男、その次は子供だってさ。

 

うーん。これはもう、嘘以外ないでしょ。

そんなにコロコロ変わるわけないじゃん。

ってことで、俺は気にせずに生活してたってわけ。

まあ、そりゃ、時々、変な音がしたり、物の場所が変わってたりしたけど、無視してたんだ。

別に物凄い害があるわけじゃないし。

 

でもさ、それが段々、無視できなくなってきたんだよ。

変な音も、眠れないくらいうるさくなってきたし、物が無くなったり、買った覚えのない物が出てきたり。

寝てるときに上から物が落ちてきたときは、正直、死ぬかと思ったね。

だから、あるとき、友達の知り合いに霊能力者がいるっていうから、格安で見て貰ったんだよね。

そしたら、やっぱり、地縛霊がいるんだって。

その人がいうには、なんか特殊な地縛霊らしくて、誰かを身代わりにするまで、その場に縛られて、成仏ができないらしい。

だから、この部屋に住んでる俺を、あっちに誘おうとしてるって話。

 

さすがに安い料金じゃ、除霊まではしてくれなかったけど、霊から身を守る方法は教えてもらった。

それをすれば、しばらくは大丈夫だから、その間に新しい部屋を探しなさい、だってさ。

でもさ、それをやれば大丈夫なら、引っ越す必要はないんじゃね?

とにかく、俺はその夜、さっそく、その方法をやってみることにする。

 

まずは、体を清めるってことで、体に塩を塗り込んでからシャワーで流す。

で、次に……って、あ、バスタオルねーや。

とりあえず、ハンドタオルでささっと拭いて、と。

次は部屋の中央に日本酒と盛り塩を置く。

最後に部屋を真っ暗にして、祈ればいい。

簡単だ。

だけど、テレビが付けっぱなしだった。

だからリモコンを探したんだけど、見当たらない。

ちょっと、イラっとして、テレビのコンセントを引き抜いてやった。

そしたらさ、いきなり、バチンって音がして、部屋の中が真っ暗になったんだよね。

多分、ブレーカーが落ちたんだと思う。

まあ、真っ暗にしなきゃならないからちょうどよかった。

で、幽霊に、手出しするなって祈ったんだ。

そしたらさ、ビックリするくらい止んだわけ。

変な音もしないし、物が無くなったりもしなくなった。

いや、ホント、快適。

もっと早くやればよかった。

 

……って、思ってたらさ。

再開したわけ。

今度はさ、ハッキリと姿も見せてくんの。

俺くらいの年の男。

はー、面倒くせえ。

また、あの除霊をやらないとなぁ。

 

終わり。

 

 

 

■解説

主人公の男は除霊をやる際に、濡れた(塩を含んだ)手で、コンセントを触った際に、感電死している。

部屋が真っ暗になったのは、意識が飛んだから。

また、一時的に幽霊が出なくなったのは、主人公の男をあの世に引き込んだ為、元々いた幽霊は成仏したから。

再度、出て来た幽霊の正体は、主人公の男の部屋に新たに契約した住人。

近所の人たちが言っていた、幽霊の目撃情報が違うのは、地縛霊が入れ替わっているためである。

 

〈意味が分かると怖い話一覧へ〉

〈次の話へ:安全なマンション〉