■概要
人数：3人
時間：5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
涼葉（すずは） １７歳 高校生
琥太郎（こたろう） １７歳 高校生
明音（あかね） １７歳 高校生
■台本
琥太郎と涼葉が並んで歩いている。
涼葉「……だから、言ってやったわけ。それじゃ、トコロテンみたいじゃないって」
琥太郎「ふ、ふーん」
涼葉「……あれ？ あんまりおもしろくなかった？」
琥太郎「え？ いや、そんなことないよ。はははは。なるほどね。トコロテンかー」
涼葉「ね、ねえ、琥太郎」
琥太郎「なに？ 涼葉ちゃん」
涼葉「琥太郎ってさ、年下と年上なら、どっちが好き？」
琥太郎「え？ んー。あまり意識したことなかったけどなー。年上……かなぁ」
涼葉「じゃあ、年上と同い年なら？」
琥太郎「それなら、同い年かな」
涼葉「ホント！？」
琥太郎「え？ あ、うん。だって、同い年の方が話し合うし」
涼葉「そうだよねー。やっぱり、同い年の方がいいよね。じゃあ、さ、気が強い子と気の弱い子なら？」
琥太郎「え？ うーん、そうだなぁ。気が強いのはちょっと苦手かな」
涼葉「えええ！？ でも、ほら、気が弱い子だと会話が続かなかったり、すぐ泣いたりするよ？ 琥太郎、泣いてる女の子とか慰められる？」
琥太郎「……いや、そう言われると」
涼葉「でしょ？ だから琥太郎は気が強い女の子の方が合ってるのよ！」
琥太郎「そ、そうかな……」
涼葉「あと、琥太郎は、絶対、自分より背の高い女の子と付き合った方がいいよ」
琥太郎「え？ なんで？」
涼葉「だって、ほら。えっと、琥太郎ってちょっと気が弱いところあるでしょ？ だから、女の子にフォローしてもらった方がいいと思うんだよね」
琥太郎「……確かに僕は気が弱いところがあるけどさ」
涼葉「なに？ 琥太郎は背が大きい女の子は嫌いっていうの？」
琥太郎「いや、別に嫌いってわけじゃないよ」
涼葉「じゃあ、好きなんだね？」
琥太郎「え？ あー、うん。それでいいや」
涼葉「じゃあ、まとめるね。琥太郎は同い年で気が強くて、背が高くて、近所に住んでる子と付き合うのがいいってことよ」
琥太郎「ふーん」
涼葉「……」
琥太郎「……」
涼葉「ねえ、琥太郎」
琥太郎「なに？」
涼葉「女の子ってね、男の方から告白されるのをまってるものよ」
琥太郎「へー。そうなんだ」
涼葉「……」
琥太郎「……」
場面転換。
放課後の教室。
涼葉と明音の二人しかいない。
涼葉「……って、わけなのー！ どうして？ あんなにアピールしたのにぃ。普通は告白してくるでしょ！」
明音「あー、いや、まあ、ね。物凄い強引な気がするけど、琥太郎くんは鈍そうだからなー。遠回しに言っても気づかないのはしかたないよ」
涼葉「え？ 遠回しだったかな？」
明音「遠回しで露骨だと思うな。やっぱり、琥太郎くんみたいな男の子にはストレートにいかなきゃ」
涼葉「ストレート？」
明音「もう、涼葉の方から告白するくらいじゃないと」
涼葉「ええー！ わ、私から？ で、でも……恥ずかしいし……」
明音「じゃあ、ずっとこのままね。卒業するまで、ずーっと」
涼葉「えー、やだやだ！」
明音「じゃあ、覚悟を決めてやるのよ！」
涼葉「でも、言えるかなぁ」
明音「言えるかなぁ、じゃないの！ 言うのよ！」
涼葉「わ、わかったわよ。ただ、その不安だから近くで見ててくれない？」
明音「……その方が恥ずかしいと思うけど、まあ、涼葉がそう言うなら」
涼葉「ありがとう！」
場面転換。
涼葉と琥太郎が並んで歩き、その後方で明音が様子を見ている。
涼葉「あ、あのね、琥太郎」
琥太郎「なに？ 涼葉ちゃん」
涼葉「大切なことを言うから、ちゃんと聞いて」
琥太郎「え？ う、うん。なに？」
涼葉「あのね……」
琥太郎「うん……」
涼葉「私との子供は何人欲しい？」
琥太郎「へ？」
後ろで見ている明音がため息をつく。
明音「……今度は話が飛び過ぎで、わかりづらいわよ」
終わり。