俺の勝ち!

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■概要
人数:5人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
健也(けんや) 16歳
雅史(まさし) 16歳
浩平(こうへい) 16歳
男子1~2

■台本

〇教室内(昼休み)

健也と友達がトランプでババ抜きをやっている。

健也(N)「俺にはある特技がある。それは……」

健也が手持ちのババを相手に引かせる。

男子1「うわっ! やられた!」

健也がニヤリと笑う。

健也(N)「そう。それは相手に、好きなカードを引かせることができるという技だ」

健也が手札を机に置く。

健也「ふっふっふ。俺の勝ちだな」

男子2「……偉そうにしてるけど、ビリから2番目じゃねーか」

健也「……」

健也(N)「けど、この特技にはある欠点がある。それは、ババ抜き以外にはあまり役に立たないということだ。しかも、この技を使っても、ビリを回避することくらいしかできない……」

〇教室(放課後)

健也と浩平、雅史が机を囲んで座っている。

健也が週刊誌(漫画)を読んでいて、浩平と雅史が雑談をしている。

健也「おおー!」

浩平と雅史が浩平の方を見る。

雅史「どうした?」

健也「いや、これ見ろよ、グラビア! すげー巨乳!」

雑誌の付録のグラビアを2人に見せる健也。

浩平「おおー!」

雅史「……」

健也「……なんだよ、反応が薄いな」

雅史「いやあ、そんなので喜ぶなんてガキだなって思ってよ」

健也「は? なんだよ、そりゃ?」

雅史「ごめんごめん。俺は、いつも、もっとすごいの見てるからさ、グラビアなんかじゃ興奮できねえんだよ」

健也「……すごいの?」

雅史「ああ。すっげー本を持ってるんだよ」

浩平「マジかー! 見せてくれよ!」

雅史「あー、ダメダメ。あれは俺の宝物だからな。そうそう見せられねーよ」

健也「……あ、そうだ!」

雅史「ん?」

健也「なあ、俺と勝負しないか?」

雅史「勝負?」

健也「ああ。勝負して、俺が勝ったら、その本くれよ」

雅史「俺が勝ったら?」

健也「え? あー、じゃあ、お前が前から欲しがってた、あのゲームやるよ」

雅史「マジか! よし! その勝負乗った!」

浩平「で? 勝負って、何で勝負するんだ?」

健也がポケットからトランプを出す。

健也「ババ抜きだ」

〇同

机を挟んで向かい合って座る健也と雅史。

横で浩平が2人にトランプを配っている。

健也(N)「勝負は先にババを引けるかにかかってる。先にババを引ければ、俺の勝ちだ」

そのとき、浩平がトランプを配り終える。

健也「……」

雅史「……」

2人がゆっくりとカードを手に取り見る。

そして、健也のカードにはババがある。

ニヤリと笑う健也。

〇同

ババ抜きをやっている健也と雅史。

健也がババではないカードを雅史に引かせる。

健也(N)「このまま続けて、最後にババを引かせる。これで、俺の勝ちだ」

〇同

ババ抜きをやっている健也と雅史。

健也のカードは残り2枚で雅史は残り1枚。

健也がニヤリと笑っている。

健也は雅史にババを引かせる。

健也(N)「勝った!」

雅史「よし!」

雅史がババ2枚を机の上に置く。

健也「……え?」

雅史「俺の勝ち!」

健也「え? え? え?」

浩平「あれ? 言ってなかったっけ? 今回はジジ抜きだぞ」

健也「ふざけんなーーー!」

終わり。

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