恥ずかしいだろ
- 2023.07.14
- 映像系(10分~30分)
■概要
人数:5人
時間:10分
■ジャンル
漫画原作・実写ドラマ、現代、コメディ
■キャスト
昴(すばる) 18歳
武明(たけあき) 18歳
彰(あきら)18歳
姫奈(ひな)18歳
教師
■台本
〇寺の前
多くの学生たちが並んで歩いている。
昴「はあ……。今どき、修学旅行っていえば、海外だと思うんだけどな」
武明「まあ、今のご時世的に、難しいんじゃね? 知らねーけど」
彰「なーんか、のらないよね。国内だとさ」
昴「だな。せめて、なんか楽しいことでも起こればいいんだけどな」
武明「ならさ、お前、姫奈ちゃんに告白しろよ」
昴「はああ? なんで姫奈が出てくるんだよ!」
彰「もう、いい加減、くっついちゃいなよ。結果なんて、わかりきってるんだからさ」
昴「うるせーよ……」
武明「なんで、告白しねーんだ? 俺なら、速攻するけどな」
昴「そんなの……恥ずかしいだろ」
彰「……小学生じゃないんだからさ」
昴「うるせーって」
〇ホテルの外観
先生に先導されて、多くの学生たちがホテルに入っていく。
〇同・ロビー(夜)
ロビーには夜のため、ほとんど人がいない。
ロビーのソファーに姫奈が座っている。
そこに昴がやってくる。
昴「おーっす。待たせたな、姫奈」
姫奈「おそーい! 10分遅刻」
昴「相変わらずこまけーな」
昴が姫奈の横に座る。
昴「……で? 用事ってなんだ?」
姫奈「へ? あんたが用事あるんじゃなかったの?」
昴「あん? ……あー、くそ。あいつら……」
姫奈「どうしたの?」
昴「あー、いや、なんでもねー。すまん。なんか手違いだったみたいだ」
姫奈「なにそれ……」
昴「じゃあな」
昴が立ち上がる。
姫奈「ね、ねえ、昴」
昴「ん?」
姫奈「あ、明日の自由時間さ。その……一緒にまわらない?」
昴「……いや、いい」
姫奈「え? なんで?」
昴「恥ずかしいだろ」
姫奈「なにそれ?」
昴「うるさいな。幼馴染と自由時間一緒なんて、なんか恥ずかしいだろ」
姫奈「……あんたさぁ。小学生じゃないんだから」
昴「うっせー。とにかく、嫌だ」
スタスタと歩いていく昴。
〇部屋の中
ガチャリとドアが開いて、昴が入ってくる。
武明「おー。昴。どうだった? 告白できたか?」
昴「お前らなー!」
彰「その様子なら、ダメだったみたいだね。てか、恥ずかしくて、告白できなかった?」
昴「うっせーって! ホント、余計なことすんなよな!」
〇同(夜中)
昴がベッドで寝ている。
それを覗き込むようにして見ている武明と彰。
彰がペンを持っている。
彰「じゃあ、やっちゃいますか」
武明「ああ。先に寝る、昴が悪い」
彰「それじゃ……」
ペンで昴の顔に何かを書いていく彰。
〇洗面所
多くの学生たちが顔を洗ったり、歯を磨いたりしている。
そこに眠そうな顔をして、首にタオルを巻いた昴がやってくる。
※ここから昴の顔ははっきりと写さない。
周りが昴の顔を見て、クスクスと笑っている。
だが、昴はそれに気づかない。
顔を洗う昴。
タオルで顔を拭いている。
〇食堂
たくさんのテーブルが並んでいて、それに生徒たちが席についていて、朝食の弁当を食べている。
昴も弁当を食べている。
※ここでも昴の顔を写さない。
生徒たちが昴の方を見て、クスクスと笑っている。
昴「……?」
〇観光地
生徒たちが並んで観光している。
昴も観光しているが、周りが昴の方を見て、クスクスと笑っている。
通行人も笑っている。
※ここでもまだ昴の顔をはっきりと写さない。
〇食堂
長いテーブルがあり、そこに生徒たちが席についている。
目の前には昼食の弁当がある。
昴が目の前の弁当の蓋を開けようとするが、後ろから教師に話しかけられる。
教師「……昴。お前、いい加減に顔洗ってこい」
昴「へ? 朝に洗いましたけど?」
教師「もっとしっかりだ!」
昴「……?」
〇洗面所
鏡に映る自分の顔を見る昴。
昴「なんじゃこりゃーーー!」
昴の顔には『姫奈が好きだ』と書かれている。
〇建物の前
昴が待っている。
そこに姫奈がやってくる。
姫奈「ごめん。お待たせ」
昴「すまんな。急に呼び出して」
姫奈「で、なに?」
昴「自由行動、一緒に回らねーか?」
姫奈「え? どうしたの急に?」
昴「……ダメか?」
姫奈「ううん。嬉しいけど」
〇観光地
昴と姫奈が一緒に観光をしている。
楽しそうな姫奈。
昴がふと、姫奈の手を握る。
姫奈「……え? 昴?」
昴「ごめん。嫌だったか?」
姫奈「ううん。……嬉しいけど」
手を繋いであるく昴と姫奈。
昴「なあ、姫奈」
姫奈「なに?」
昴「付き合わねーか?」
姫奈「ええ!?」
昴「嫌か?」
姫奈「ううん。嬉しいけど……。どうしたの急に? 今日の昴、なんか変だよ?」
昴「……」
姫奈「恥ずかしいんじゃなかったの?」
昴「……もう、これ以上ないってくらい恥ずかしい思いをしたからな」
姫奈「……?」
〇観光地
昴と姫奈が手を繋いで、楽しそうに歩いている。
それを遠くから武明と彰が笑みを浮かべながら見ている。
終わり。
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