頬の衝撃
- 2023.07.25
- ボイスドラマ(10分)
■概要
人数:5人以上
時間:10分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
響真(きょうま)
宗太(そうた)
葵(あおい)
男1~5
■台本
響真が小学3年生の頃。
響真「おらあああー!」
男の子「うわああああ!」
響真が男の子を殴り飛ばす。
男の子「うう……」
響真「わははははは! 俺に叶う奴なんていねえよ!」
男の子「く、くそう……」
響真「これでお前の学校も俺の配下だ」
そのとき、遠くから声がして、誰かが走って来る。
葵「おらああああああ!」
響真「うわ、なんだお前!?」
葵「てりゃーーー!」
バチンと音がして、響真が吹っ飛ぶ。
響真「うわああああああ!」
場面転換。
響真が高校2年生になっている。
響真「おらあ!」
男1「ぐはっ!」
響真が男1を殴り飛ばす。
響真「ふう……。こいつも違うな」
宗太が走って来る。
宗太「さすがです!」
響真「……」
宗太「どうしたんですか?」
響真「こいつでもなかった」
宗太「……なにがですか?」
響真「いや、なんでもない」
スタスタと歩き出す響真。
場面転換。
家の前でシャドーボクシングのように、キックやパンチを出している。
ピタリと止める。
響真「……はあ、はあ、はあ。くそっ」
回想
響真「うわ、なんだお前!?」
葵「てりゃーーー!」
バチンと音がして、響真が吹っ飛ぶ。
響真「うわああああああ!」
回想終わり。
響真「(歯ぎしり)……」
場面転換。
路地裏。
男2「いい度胸だな、てめえ。誰に喧嘩売ってるのかわかってるのか?」
響真「御託はいい。さっさとかかってこい」
男2「後悔しろや、こら!」
男2が響真の顔面を殴る。
響真「……」
男2「へっ! どうだ?」
響真「……(ため息)違うな」
男2「あん?」
響真「おらああ!」
響真が男2を殴る。
男2「ぐはあ!」
男2が倒れる。
響真「……」
宗太「さすがです!」
響真「いくぞ」
宗太「は、はい」
響真と宗太が並んで歩く。
宗太「そういえば、いつも思うんですけど、どうして最初に一発殴らせるんですか?」
響真「探してるんだよ、あいつを」
宗太「あいつ?」
響真「覚えてるのは、あいつの拳の感触だけなんだ。……あいつを俺は絶対、許せねえ」
宗太「……」
響真「くそ。どこにいやがる……」
場面転換。
響真と宗太が歩いている。
すると路地裏から声がする。
葵「放せよ!」
男3「いいじゃねーか。ちょっとぐらいよ」
響真が立ち止まって、チラリとみる。
響真「はあ……」
路地裏に歩いていく。
場面転換。
路地裏。
男3「げへへ」
葵「触んな!」
響真「おい!」
男3「あん?」
ガンと響真が男3を殴る。
男3「うげっ!」
葵「……」
響真「ふん……」
歩き始める響真。
葵「……おい!」
響真「あん?」
葵「あ、ありがとな」
響真「別に気にすんな」
葵「……」
場面転換。
響真が歩いている。
そこに葵がやってくる。
葵「お、おい! 私と付き合ってくれよ」
響真「……悪いな。女には興味ない」
葵「んだよ、そりゃ」
響真「倒さないといけないやつがいるんだよ」
葵「どんなやつだ? 私が手伝ってやろうか?」
響真「……いい。これは俺の問題だ」
葵「そいつを倒したら、私と付き合ってくれるか?」
響真「倒したら、な」
葵「……」
場面転換。
空き地に、多くの男たちが集まっている。
男4「姉貴、これはなんなんすか?」
男5「一応、この辺で名のあるやつを集めましたけど」
葵「悪いな。来てもらって。実はちょっと喧嘩してもらいたい奴がいるんだ」
男4「喧嘩したい奴?」
葵が響真のところへ歩み寄る。
葵「どうだ? この辺の強そうなやつは集めたぞ」
響真「ありがとな」
男4「お前が、喧嘩の相手か?」
響真「早くかかって来い」
男4「おらああああ!」
場面転換。
響真の足元には大勢の男たちが倒れている。
男5「う、うう……」
響真「……」
葵「どうだ? 探してたやつは見つかったか?」
響真「全員、違うな」
葵「へ? 違ったのか?」
響真「ああ。違う……。あいつは、もっと、凄い衝撃だった……」
葵「なあ、もう、いいんじゃないのか?」
響真「……」
葵「きっと引っ越したんじゃねーか? もう諦めろよ」
響真「ダメだ。俺はあいつを探し出す」
葵「じゃあさ、探しながらも、私と付き合えよ」
響真「ダメだ」
葵「……う、うう」
響真「悪いな。俺のことは諦めろ」
葵「う、うう……。バカぁーーーー!」
葵が思い切り響真をビンタする。
響真「ぐはああああああ!」
響真が倒れる。
葵「はあ、はあ、はあ……。あ、しまった! 大丈夫か?」
響真「お……」
葵「お?」
響真「お前かーーーー!」
葵「へ?」
終わり。
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