性癖
- 2023.09.02
- 映像系(10分~30分)
■概要
人数:2人
時間:10分
■ジャンル
アニメ・漫画、現代、コメディ
■キャスト
篤人(あつと)
快哉(かいや)
■台本
〇通学路(夕方)
篤人(8)と快哉(8)がランドセルを背負って歩いている。
談笑している篤人と快哉。
篤人「あはは」
快哉「ん?」
快哉が立ち止まり、ごみ収集所を見る。
篤人「快哉? どうしたの?」
快哉「……こ、これは」
快哉が駆け寄り、雑誌の束を手に取る。
篤人「なに? 漫画?」
快哉「いや……。エロ本だ!」
快哉がバッと篤人に表紙を見せる。
篤人「……(呆れて)」
快哉「なんだよ、その顔」
篤人「そういうのは大人が読むものでしょ。僕らはまだ読んじゃダメだって」
快哉「はー。やれやれ。これだから篤人はお子様だって言われるんだよ」
篤人「(ムッとして)」
快哉「いいか? 俺たちは今日、これを見て、大人になるんだよ」
篤人「な、なるほど……」
快哉「よし、じゃあ、見るぞ」
篤人「興味ないけど、わかったよ」
2人が雑誌を開く。
篤人「うおおおおおおおおお!」
目を見開いて、歓声をあげる。
〇通学路(夕方)
時間経過。
篤人と快哉が高校生になっている。
談笑しながら歩く篤人と快哉。
快哉「あははは。バカだな、篤人は」
篤人「あっ!」
ピタリと立ち止まり、マンションを見上げる篤人。
快哉「どうした?」
篤人「(指差して)3階の、あの部屋、女の人が着替えてる」
快哉「(目を細めて)……お前、良く見えるな」
篤人「よし、覗きに行こう!」
快哉「いやいやいや。犯罪だから。それにお前、先週も補導されたばかりだろ。さすがに停学に……いや、退学になっちまうぞ」
篤人「うっ!」
そのとき、風がビューっと吹く。
女の人「きゃあ!」
篤人が物凄い勢いで、声のした方を見て、ジッと女の人のスカートの中を見ようとしている。
女の人「……」
篤人に気づき、スカートを抑えながら、怪訝な表情をする。
篤人「……」
それでもじっと見ている篤人。
女の人がポケットからスマホを出して、篤人に向ける。
快哉「ああ、すみません! バカ、行くぞ!」
快哉が篤人の首根っこを捕まえて、移動する。
〇公園
ブランコに並んで座る篤人と快哉。
篤人は項垂れている。
篤人「……くそ。なんでこんなことに」
快哉「ガン見し過ぎだって。あれじゃ、不審者だ」
篤人「(頭を抱える)なんでだー! なんで、俺はこんなにエロイんだー!」
快哉「……いや、そんなこと言われてもな」
篤人「……待てよ? 男子高校生なら、これくらいは当たり前なのか?」
快哉「それが当たり前なら、女子の制服はスカートじゃなくなるだろうな」
篤人「うう……。じゃあ、俺がダメなのか? 」
快哉「まあ、お前のエロさは、周りを見ても抜きんでてるよな」
篤人「ダメだ! このままじゃ無事に卒業できる気がしねえ」
快哉「ああ……。まあ、そうだな。今までも退学なってない方がおかしいくらいだもんな」
篤人「おい、快哉! お前、責任取れよ!」
快哉「は? なんだよ?」
篤人「大体、お前が、あのとき、俺にエロ本なんて見せなければこんなことにはならなかったんだ!」
快哉「……小学校の頃のことを持ち出されてもな」
篤人「とにかく、なんとかしろ! ……てか、なんとかしてください」
快哉「はあ……。わかったよ」
篤人「ホントか?」
快哉「俺に秘策がある」
〇公園※後日
篤人と女装した快哉が向かい合って立っている。
篤人「……」
快哉「(堂々としている)……」
篤人「……なにやってんだ、お前?」
快哉「まあまあ、焦るなよ」
快哉が歩いて、篤人の後ろに行く。
そして、スマホの再生ボタンを押す。
女の子「きゃあっ!」
篤人がバッと後ろを向く。
そこには快哉が自分でスカートをめくっている。
パンツは男物。
篤人「……おえっ!」
快哉「ふっふっふ」
篤人「なに見せてんだよ!」
快哉「萎えただろ?」
篤人「当たり前だろ」
快哉「それだよ」
篤人「は?」
快哉「お前の性癖を矯正してやる」
篤人「……?」
〇同
快哉と篤人が並んでいる。
快哉がスマホのボタンを押す。
音声が流れる。
女の子「いやん!」
篤人がバッと横を向く。
快哉が自分でスカートをめくっている。
篤人「……おえっ!」
快哉「ふっふっふ」
〇同
快哉と篤人が並んでいる。
快哉がスマホのボタンを押す。
音声が流れる。
女の子「いやん!」
篤人がバッと横を向く。
快哉が自分でスカートをめくっている。
篤人「……おえっ!」
快哉「ふっふっふ」
〇通学路
篤人と快哉が並んで歩いている。
篤人がゲッソリしている。
そこに風がビューっと吹く。
女の子「きゃあっ!」
しかし、篤人は声に反応しない。
快哉「おおー! やったな、篤人。今、女の子の方を向かなかったじゃないか」
篤人「……あのさ、快哉。俺……」
快哉「ん?」
頭を抱える篤人。
篤人「お前のパンツにしか興奮しなくなっちまった」
快哉「……性癖を矯正じゃなくて、逆に曲がっちまったのか」
終わり。