対戦ゲーム
- 2023.09.08
- 映像系(10分~30分)
■概要
人数:3人
時間:10分
■ジャンル
アニメ・漫画原作用、現代、コメディ
■キャスト
大我(たいが) 17歳
優真(ゆうま) 17歳
君華(きみか) 17歳
■台本
〇ゲームセンター
大我が対戦格闘技ゲームをしている。
大我「おらおらおら!」
〇ゲームの画面
キャラクターが技を出す。
相手がもろにくらい、倒れる。
画面に『lose』の文字。
〇ゲームセンター
がっくりと項垂れる大我。
大我「あー、くそ!」
大我がバンと台を叩き、立ち上がる。
そして向かい側の対戦相手の方へ詰め寄る。
大我「おい! 今の、ハメだろ!」
優真「はあ? んなの、やられる方が悪いだろ」
大我「反則して勝って、楽しいかよ?」
優真「楽しいからやってんだろうが、ばーか」
大我「……」
怒りでプルプルするが、深呼吸する。
大我「もう一回、勝負だ」
優真「勝手にしろよ」
〇ゲーム画面。
キャラクターが技を出す。
相手がもろにくらい、倒れる。
画面に『lose』の文字。
〇ゲームセンター
怒りで大我が震えている。
立ち上がる大我。
大我「てめえ、外出ろ、こら!」
〇空き地
倒れている大我と、それを見下ろしている優真。
優真「お前……喧嘩も雑魚なんだな」
優真が立ち去っていく。
大我の目から、涙が流れる。
〇通学路
大我と君華が歩いている。
君華「バッカみたい。そんなことで喧嘩したの?」
大我「うるせーな」
君華「大我はすぐ頭に血が上るんだから、対戦ゲームとか向いてないよ。RPGとかにしなさいよ」
大我「……」
君華「ま、あんたがいいなら、別にいいけど」
大我「なあ、君華。お前の兄ちゃん、強かったよな?」
君華「ん? あー。なんか、大会で優勝とかしてたかな。小さい大会だけど」
大我「頼む! 俺を弟子にしてくれるように頼んでくれ!」
君華「……えー。面倒くさい」
大我「……あいつに、どうしても勝ちたいんだ」
君華「はあ……。わかったわよ」
大我「すまん! 感謝する!」
〇君華の家の前
大我がチャイムを押す。
すると、ガチャリとドアが開き、雅人が出てくる。
雅人は見た目はものすごいヤンキー。
それを見て、少し怯む大我。
雅人「よお。大我だっけ? 君華から話は聞いてる。勝ちたい奴がいるんだって?」
大我「はい。どんなことをしてでも勝ちたいです」
雅人「……俺の特訓は厳しいぞ」
大我「望むところです」
テロップ「――6ヶ月後」
〇町
大我と君華が並んで歩ている。
大我が古傷だらけ。
君華「……あのさ、なんでそんなに傷だらけになってんの?」
大我「んなの、特訓のせいに決まってんだろ」
君華「……どんな特訓してんのよ」
大我「今考えても、あれは地獄そのものだった。だが、今の俺に負けの二文字はない!」
君華「はいはい。……ったく、よくゲームでそこまで出来るか、ホント不思議だわ」
大我「ここだ」
大我がピタリと立ち止まる。
目の前にはゲームセンターがある。
大我「あの時の屈辱、晴らさせてもらうぜ」
中に入っていく大我とため息をつきながらついて行く君華。
〇ゲームセンター
パズルゲームをしている優真。
その横に立つ大我。
大我「俺の顔、覚えてるよな?」
優真が大我を見上げる。
優真「ああ、ゲームも喧嘩も雑魚の奴か」
大我「雑魚かどうか、思い知らせてやる。台に座れ」
優真「ふん……」
〇ゲーム画面
キャラクターが技を出す。
相手がもろにくらい、倒れる。
画面に『lose』の文字。
〇ゲームセンター
台に座っている大我がプルプルと震えている。
君華「あれ? 負けちゃったけど。しかも、結構簡単に」
大我「くそ! もう一回だ!」
〇ゲーム画面
キャラクターが技を出す。
相手がもろにくらい、倒れる。
画面に『lose』の文字。
〇ゲームセンター
台に座っている大我がプルプルと震えている。
君華「……いや、さすがに無理でしょ。10連敗はあり得ないって。諦めなよ」
大我「あー、うっせー!」
大我がバンと台を叩きながら立ち上がる。
大我「おい! 外に出ろや、ハメ野郎」
優真もスクッと立ち上がる。
優真「これ以上、恥の上塗りするのか? まあ、いいけど」
〇空き地
倒れている優真とそれを見下ろしている大我。
優真「うっ、く、くそ……」
大我「ふっふっふ。ざまあみろ!」
スタスタと立ち去る大我。
その後ろを君華がついて来る。
君華「えっと……」
大我「どうだ? これが特訓の成果だ」
君華「ああ……特訓って、そっちの特訓だったんだ?」
大我「ん? 当たり前だろ」
君華「……ゲームは負けたままでいいの?」
大我「……はっ!」
しまったという具合に目を見開く大我。
終わり。