ジャンケン
- 2023.09.25
- ボイスドラマ(10分)
■概要
人数:4人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現実、コメディ
■キャスト
宗吾(そうご)
花梨(かりん)
男1~2
■台本
3人がジャンケンしている。
宗吾・男1・男2「最初はグー。じゃんけん……」
宗吾・男1・男2「ぽん!」
男1「あーくそ!」
男2「また、宗吾の勝ちかよ」
宗吾「はっはっは。俺に挑むのなんて10年はええ!」
宗吾(N)「俺は特別な力がある。なんと、ジャンケンで、相手が出す手がわかるというものだ。これで、俺はジャンケンで負けたことがない。……ふふ。自分の力に惚れ惚れするぜ」
男1「けど、まあ、宗吾はジャンケンくらいしか、取り柄がないけどな」
男2「ジャンケン強くなかったら、宗吾って、生きてる意味ないくらい、どうしようもないよな」
宗吾「うるせーな……」
宗吾(N)「そうなのだ……。ジャンケンに勝てるからといって、別にいいことなんてあんまりない。ジュースを奢ってもらえたり、宿題を写させてもらえたり、みたいな小さいことしか良い思いをしたことない……」
花梨がやってくる。
花梨「へー。宗吾くんって、ジャンケン強いんだ?」
宗吾「あっ! 花梨ちゃん」
花梨「ジャンケン強いの?」
宗吾「あー、いや、まあ……ちょっとだけ」
花梨「いいなぁ。私、ジャンケン弱いんだよねー」
男1「あー、確かに森山さんって、弱そう」
花梨「ひどい……」
男2「別にいいんじゃない? ジャンケンくらい弱くても。強くても、あんま、いいことないよな? 宗吾」
宗吾「俺に言うな……」
花梨「ねえ、どうやったら、ジャンケン強くなれるの?」
宗吾「あー、うーんと……。なんていうか、勘?」
花梨「私、勘がないのかな?」
男1「なさそう」
男2「ないね」
花梨「ひどい……」
宗吾「まあまあ、二人が言うように、ジャンケン強くても、あんまりいいことないと思うよ」
花梨「でも……。私、ジャンケンに勝ってみたいな。ジャンケンで勝ったら、いいことありそうだし……」
宗吾「……」
宗吾(N)「うう……。やっぱ、花梨ちゃんは可愛いなぁ」
花梨「ねえ、私と勝負して」
宗吾「へ?」
花梨「強い人とジャンケンしてれば、私も強くなるかなって……」
男1「いや、そうはならないでしょ」
男2「うんうん」
花梨「やってみないとわからないでしょ!」
宗吾「うーん……」
宗吾(N)「俺のは、技術じゃないからなぁ。ジャンケンやって、さらに花梨ちゃんを追い詰めたくないし……」
花梨「ねえ、お願い!」
宗吾「うーん……」
花梨「じゃあ、こうしようよ。負けた方は勝った方の言うこと、何でも聞くっていうのはどう?」
宗吾「え?」
男1「いや、森山さん、宗吾にその条件は色々危険だって!」
花梨「いいの! それくらい追い詰めないと、勝てないよ!」
男2「そういうんじゃないと思うけど」
宗吾「ほ、ホントに何でも?」
花梨「なんでも!」
宗吾「い、いいよ! やろう!」
男1「うわー、宗吾、エロい」
宗吾「……」
花梨「じゃあ、最初はぐー」
宗吾・花梨「ジャンケン……」
宗吾(N)「うわー! うわー! どうしよう! 花梨ちゃんはパーを出すつもりだ。これで勝てば、俺は花梨ちゃんに……。いや、でも、うわー。どうしよう」
宗吾・花梨「ぽん!」
花梨「……」
宗吾「……」
男1「あっ!」
花梨「わーい! 勝ったぁ!」
男2「……ギリギリで日和ったね、宗吾」
宗吾「うるせー……」
宗吾(N)「……あー、バカバカ。せっかくのチャンスだったのに。俺って、なんで、いつもこうなんだろう。やっぱ、ジャンケンなんて、下らねえ……」
花梨「じゃあ、私の言うこと、聞いてもらうね」
宗吾「え? ああ、うん。いいよ」
花梨「今度の休みに、一緒に映画に行こ!」
宗吾「へ?」
花梨「約束だからね」
宗吾(N)「前言撤回。やっぱ、ジャンケンって素晴らしい」
終わり。