勝敗の行方

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■概要
人数:3人
時間:3分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
晴斗(はると)
美奈(みな)
レフェリー

■台本

ロード―ワークをしながら、シャドーボクシングをしている晴斗。

晴斗「シッ、シッ、シッ!」

そこに美奈がやってくる。

美奈「宮本―!」

晴斗が手を止める。

晴斗「おお、美奈か」

美奈「随分と、練習、熱心だね」

晴斗「まあな。試合も近いし」

美奈「今回はどう?」

晴斗「任せろよ。今回こそはやってやるさ」

美奈「ホントにぃ?」

晴斗「なんだよ、その言い方は?」

美奈「だって、もう3回だよ、3回。ぜーんぶ、失敗してるじゃん」

晴斗「よ、4度目の正直っていうだろ」

美奈「ないよ、そんなことわざ」

晴斗「とにかく、今回は期待してくれていい。今まで一番、調子がいいんだ」

シャドーボクシングをする晴斗。

晴斗「シッ! シッ! シッ!」

美奈「うーん。それってどうなの?」

晴斗「前回は反応が鈍かったからな。だから、あんな結果になったんだよ」

美奈「じゃあ、今回は本当に期待していいの?」

晴斗「言ったろ? 任せとけって」

美奈「うん。じゃあ、頼んだからね」

場面転換。

試合会場。

晴斗と隆が試合をしている。

リングサイドで応援している美奈。

晴斗「シッ!」

美奈「いけー!」

ドンとパンチが当たる音が響く。

ダウンする音。

レフェリー「ダウーン!」

美奈「あー! 立てー! 立ってー!」

レフェリー「ワン! ツー! スリー!」

美奈「頑張って! 立って! 勝つために努力してきたんでしょ!」

レフェリー「テン!」

カンカンカンとゴングの音が響く。

美奈「ああ……」

レフェリー「宮本選手の勝ち!」

ワーッと歓声が上がる。

場面転換。

控室のドアが開く音。

晴斗が入って来る。

美奈「……」

晴斗「す、すまん……」

美奈「あのさ、これで4度目だよ、4度目! どうなってるの?」

晴斗「まさか、アレが当たるなんて……」

美奈「あー、もう! いつになったら、弟に勝たせてくれるの? あれじゃ、自信つけるどころか、自信なくなっちゃうじゃない!」

晴斗「次は絶対に上手くやるから!」

美奈「そのセリフも4回目だから!」

晴斗「次は絶対に負けるから、許してくれって」

美奈「バカ―!」

終わり。

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