魅惑の縞々ニーソ

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■概要
人数:3人
時間:5分

■ジャンル
漫画原作、現代、コメディ

■キャスト
勤(つとむ)
一成(かずなり)
真奈美(まなみ)

■台本

〇一成の家・リビング

ガチャリとドアが開き、勤(17)と一成(17)が入って来る。

二人は制服姿。学校の帰り。

勤「うわー、一成の家に来たの久しぶりだな」

一成「そうだっけ? 3年ぶりくらいか?」

勤「中学のとき以来だから、そうだな。にしても、変わってないな」

一成「家の中はそうそう変わらんだろ」

勤「確かに」

一成「先に部屋に行っててくれ。覚えてるだろ? 俺の部屋」

勤「ああ……」

そのとき、部屋の端に干されている洗濯物の、青と白のニーソックスが目に映る。

勤「っ!?」

一成は奥の冷蔵庫の方へ歩いていく。

勤「……」

一成の声「……どうした?」

勤(N)「こ、これは……。まさか……」

勤「な、なあ。真奈美ちゃんって何年になったんだっけ?」

一成の声「んー? 中3だけど?」

勤「!」

勤(N)「マジか! ……いや、待て。落ち着け。早合点するな。どうせ、このニーソは一成のってオチなんだろ? ふふ。わかってるぜ。こんな手に引っかかるかよ」

一成がジュースのペットボトルを2本持って戻って来る。

一成「さっきから、どうしたんだ?」

勤「あー、いや……。あのさ」

一成「ん?」

勤がニーソの方を指差す。

勤「あ、あれって……お前のか?」

一成「……んなわけねーだろ」

勤「っ!」

勤(N)「いやいやいや。まだ判断するのは早い。どうせ、おばさんのとかなんだろ? あぶねー。がっかりするところだったぜ」

一成「真奈美のだよ」

勤「っ!?」

一成「最近、あれに凝ってるみたいでな。いい迷惑だ」

勤(N)「きたー! 確定情報、いただきました! そっか! あれは真奈美ちゃんのなんだな! うおおおお! 履いたところ見てー」

一成「どうした? 部屋行かないのか?」

勤「あー、いや、あのさ。今日はここでゲームやらないか?」

一成「なんでだよ?」

勤「ほら、おばさんとかにも挨拶したいし」

一成「お前がそんなガラかよ」

勤「いいじゃん。広い方がなんか、落ち着くし」

一成「……普通、逆じゃね?」

勤「と、とにかく、今日はリビングがいいんだよ」

一成「んー。まあ、お前がそういうなら別にいいけど」

勤「っしゃ!」

一成「お前、さっきから変だぞ……」

そのとき、ガチャっとドアが開き、真奈美が入って来る。真奈美も制服姿。

真奈美「ただいまー」

勤「っ!?」

勢いよく振り向く勤。

真奈美「あれ? 勤くん? いらっしゃい、久しぶり」

勤「……」

真奈美がニーソを履いていなくて、がっかりする勤。

勤「……あー、うん。こんにちは。久しぶり……」

真奈美「え? なんで、そんなにテンション低いの?」

一成「さっきからおかしいんだよ、こいつ」

勤「あ、あのさ、真奈美ちゃん、着替えないの?」

チラチラとニーソの方を見る勤。

真奈美「え? まあ、着替えるけど……」

一成「お前、まさか覗こうとしてるとかじゃないだろうな」

勤「ちげーよ!」

真奈美「あ、お兄ちゃん。覗くといえば、私の日記見たでしょ!」

一成「あんなところに置いておくのが悪いだろ」

真奈美「いやいや、見る方が悪い」

一成「見られたくないなら、大事にしまっておけよ」

真奈美「……」

ムッと口を尖らせる。

一成「なあ、やっぱ、俺の部屋に行こうぜ」

勤「あー、いや……」

真奈美がツカツカとニーソが干してあるところへ歩いていく。

真奈美が乱暴にニーソを手に取り、テーブルの上にあるリモコンを手に取る。

勤「……?」

真奈美がニーソの中にリモコンを入れる。

そして、ニーソを振り回す。

勤「え?」

真奈美「お兄ちゃんのバカ―」

真奈美がリモコンの入ったニーソを、遠心力を使って一成の顔面に当てる。

一成「ぐえっ!」

吹き飛ぶ一成。

勤「……履くんじゃないんだ」

ガッカリする勤。

終わり。

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