手作りクッキー

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■概要
人数:2人
時間:3分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
由奈(ゆな)
翔(しょう)

■台本

朝の通学路。

由奈が歩いていると、後ろから翔が走って来る。

翔「由奈ちゃーん!」

由奈「あ、翔。おはよー。相変わらず朝から元気だね」

翔「あのさ、由奈ちゃん。今日って何の日かわかる?」

由奈「えっ!? えーっと、あー、いや……なんだろ。別に特別な日じゃないんじゃない?(わかっているのに誤魔化している感じ)」

翔「やだなぁ。今日は3月14日。ホワイトデーだよ」

由奈「ああ……。そうだっけ。でもさ、別に気にしなくていいからね。お返しとか」

翔「えー。せっかくもらったんだから、お返しはしたいよ」

由奈「いや、ホントにいいから」

翔「ってことで、じゃじゃーん! はい、クッキー」

由奈「……話を聞かないのも相変わらずね」

翔「もらってくれるよね?」

由奈「はいはい。後で美味しくいただくよ」

翔「……今、食べてくれないの?」

由奈「え? なに? 私に学校を休めっていってるの?」

翔「ん? そんなこと、言ってないよ?」

由奈「……あのさ、翔。クッキーくれるのは嬉しいよ。ホントに。それはマジで」

翔「うん……」

由奈「でもさ、別に手作りじゃなくてもいいんじゃない?」

翔「でも、由奈ちゃんは手作りのチョコ、くれたじゃない」

由奈「あれは、買うより安いからよ。安いのを溶かして、分割すりゃ、出費は安く済むって寸法なの」

翔「僕は由奈ちゃんに手作りを食べてもらいたいから、頑張って作ってるんだよ」

由奈「その気持ちは嬉しいよ。でもね、3日、腹痛に悩まされる私の身にもなってよ」

翔「ねえ、食べてみて」

由奈「話、聞いてねぇ。とにかく、金曜に食べるから。ね?」

翔「もう、大丈夫だよ。だって、今回は市販のを買ったんだから」

由奈「え? そうなの? それを早く言いなさいよ」

由奈が袋を開けてクッキーを食べる。

由奈「うぐぅ! がはっ! ……ちょ、ちょっと。これ、どこの店のクッキーよ」

翔「あれー? おかしいなぁ。市販のクッキーのを買って参考にして作ったんだけど……」

由奈「それじゃ、結局、手作りじゃないのよ! うっ! 腹痛が……」

終わり。

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