■概要
人数:5人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代ファンタジー、コメディ
■キャスト
純平(じゅんぺい)
櫻子(さくらこ)
その他
■台本
純平「好きです! 付き合ってください!」
女の子1「ごめんなさい」
純平「うおおおおおおお!」
場面転換。
学校の教室内。
純平「……」
櫻子「何落ち込んでるのよ、純平。まさか、またフラれたとか?」
純平「うるせー……」
櫻子「まったく、懲りないわね。これで何人目?」
純平「たったの、26人目だ」
櫻子「……あんた、メンタルが強いのか、弱いのか、ハッキリしなさいよ」
純平「はあー……。なにがいけないのかなぁ?」
櫻子「適当に告白してるからじゃない?」
純平「適当なんかじゃねーよ。ちゃんと好きになったから告白してんの」
櫻子「好きになったから、ね……。さすがに名前を知らないのに、好きとか言っても冗談としか思われないわよ」
純平「名前なんて知らなくたって、好きにはなれるよ」
櫻子「あとは、ほら、もう少し時間をかけてみるとか。話したり、一緒に出掛けたりするとかさ」
純平「恋に時間は関係ない」
櫻子「そういうところがダメなんじゃない? ま、フラれ続けるのはあんたなんだから、別にいいけどさ」
純平「はあ……。フラれない方法ってなにかないのかなぁ?」
櫻子「……惚れ薬でも作ったら?」
純平「そういうんじゃないんだよな」
櫻子「面倒くさいわね、あんた」
純平「はあ……」
場面転換。
教師「問題というのは意外と見方を変えれば、解決するものなんだ。例えば、コロンブスの話がある」
純平「……あー、授業ダリぃ……」
教師「旅人がある賭けをしていた。その賭けというのが、卵を立てることができれば、大金を渡す、というものだ」
純平「……」
教師「みんなもやってみればわかって貰えると思うが、卵を立てるなんていうのは、ほぼ不可能だ。だが、その難問に、コロンブスは見方を変えることで解決した」
純平「……」
教師「それはなんと、卵の底を割るという方法だ。これが有名な、コロンブスの卵、というわけだな」
純平「……見方を変える」
教師「そのことで、コロンブスは……」
純平「これだ!」
場面転換。
櫻子「……あんたさー、授業中になにやってんのよ」
純平「ふっふっふ! ついに見つけたぞ」
櫻子「なにが?」
純平「絶対にフラれない方法だ」
櫻子「……」
純平「見方を変えれば、簡単だった」
櫻子「……へえ。どういう方法?」
純平「ふふふ。実際に見せてやる」
場面転換。
女の子2「あ、あの……。なんですか? 話があるって」
純平「悪い。君とは付き合えない」
女の子2「は?」
純平「君のことは好きだが、付き合うことはできない。悪いな」
女の子2「……」
スタスタスタと歩き出す、純平。
場面転換。
純平「ふふふ。見たか? フラれる前にフる! こうすれば、絶対にフラれることはない! どうだ!? 凄いだろ! はっはっはっは!」
櫻子「……楽しい、それ?」
純平「はっはっはっはっは! はーっはっはっはっは!」
櫻子「……はあ」
終わり。