■概要
人数:4人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
恭平(きょうへい)
聡(さとし)
春佳(はるか)
円(まどか)
■台本
ガサガサと袋を開ける音。
恭平「……えっと、どれから食おうかな。弁当からいくか」
聡「あ、お前、その弁当買ったの? やっちまったな」
恭平「なにがだよ?」
聡「開けてみろよ。一発でわかるから」
恭平「……?」
カパッと蓋を開ける恭兵。
恭平「なんだよ! 底上げじゃん!」
聡「ご愁傷様」
恭平「ちくしょう。厳選して買ったつもりだったのに」
聡「甘いな。今の世の中は情報社会だぞ。新商品はネットの評価を確認してから買うのは当然だろ」
恭平「くそ……」
そこに春香がやってくる。
春佳「あれ? あんたたち、今日もコンビニ弁当なの? よく毎日飽きもしないわね」
恭平「お前だって、いつも学食じゃねーかよ」
春佳「学食は安くて外れないし、最高なのよ」
聡「おっと、コンビニ弁当は最高じゃないって聞こえるな」
春佳「最高じゃないんじゃない? 少なくてもうちの学食よりも高いし、量も少ないでしょ?」
聡「ぐうの音も出ないね」
恭平「……そうなんだよなぁ。コスパは悪いよな」
春佳「逆に、なんであんた達、学食にしないの? いつも金欠でヒーヒー言ってんじゃん」
恭平「うるせーな。いいんだよ。コンビニにはコンビニのいいところがあるんだよ」
春佳「ふーん。……あ、プリンだ! もーらい!」
袋からサッとプリンを取る春佳。
恭平「ああー! おまっ! それはっ!」
春佳「わー、クリーム乗ってて美味しそう」
パカっと開く春佳。
春佳「……あれ? クリームのってなくない?」
聡「それ、パッケージの絵だから」
春佳「え? え? あ、ホントだ。しかもこれで400円って……これって詐欺じゃないの?」
聡「んー。詳しくはわからないけど、詐欺じゃないみたいだよ」
春佳「これってどうなんだろうね。騙して買わせたとしても、リピーターは生まれないよね? 商売としてどうなの?」
聡「そうなれば、また新しい商品を出せばいいんだよ」
恭平「けど、出るもの出るもの、疑っちまうよな。こういうことされるとさー」
聡「まーね。実際、こういうのが多いからね。だから、僕は他のスーパーでも売ってるようなものしか買わないかな。新発売なんか、絶対買わないよ」
恭平「俺もさー、前のソーセージパンにはやられたよ」
聡「ああ、あれでしょ? 前面の方にか入ってなかった奴でしょ」
恭平「そうそう。それと、デカい容器だと思って買ったら、中身が二重になってて、全然入ってなかったりさ」
聡「あと、シレっと、入っている枚数が減ってるお菓子とかもあるよね」
恭平「ああー。何度騙されたことか……」
聡「だよねー……」
春佳「ねえ、あんたら。なんで、コンビニで買い続けるの? 聞いてると、いいところとか無さそうなんだけど」
恭平「いや、そんなことないぞ。いいところはあるよな?」
聡「うん。あるよ」
春佳「……?」
場面転換。
コンビニ内。
円「ありがとうございましたー! またのお越しをお待ちしておりますー」
自動ドアが開く音。
恭平と聡がコンビニから出てくる。
恭平「……円ちゃん、今日も可愛かったな」
聡「うん。可愛かったね」
終わり。