■概要
人数:4人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
修司(しゅうじ)
浩太(こうた)
その他
■台本
修司(N)「誰から聞いたか忘れたけど、人はみんな、自分は特別な存在だって思ってるらしい。僕も前までは、何となく自分は他の人と違うって気がしていた。でも……僕はあの日……本当に特別な存在になったんだ……」
場面転換。
修司「僕だって、すごいところを見せてやる。家出すれば、みんなも凄いって思って貰えるはず……」
ガチャリとドアを開けて、家を出る修司。
道路を歩く修司。
修司「うう……。暗い。やっぱり、家ではお昼にすればよかったなぁ。でも、今更帰るわけにはいかないし……。あ、公園だ。あそこなら電気がついてるし、今日はあそこで寝ようっと」
公園まで歩く修司。
場面転換。
ブランコに乗っている修司。
修司「お腹減ったなぁ……。ん? あれ? 人がいる……? え? なんで? こんな時間に? も、もしかして、幽霊?」
ごくりと唾を飲みこむ修司。
修司「で、でも……幽霊と友達になれば、みんなに凄いって思われるかもしれない……。よし、話しかけてみよう」
ブランコを降りて、歩き出す修司。
修司「あれ? こっちに来る……?」
浩太「あ、あの……」
修司「なに?」
浩太「一緒に遊ばない?」
修司「うん、いいよ」
浩太「ホント! じゃあ、まずは砂場で遊ぼう」
修司「うん」
場面転換。
浩太「あ、そろそろ明るくなる。そろそろ帰ろうかな」
修司「それなら僕も帰ろうかな」
浩太「ねえ、また、明日も一緒に遊ばない?」
修司「うん。いいよ。明日も同じ時間にここで」
浩太「わかった。それじゃね」
修司(N)「そう。僕はその日。幽霊と友達になったんだ」
場面転換。
同級生「ええー! すごーい!」
修司「そうでしょ? それから、3日連続で遊んでるんだ」
同級生「幽霊と友達になるなんて、勇気あるね」
修司「えへへ! 僕は凄いんだよ!」
同級生「いいなー。僕も幽霊と友達になりたいな」
修司「うーん。難しいと思うよ。だって、僕は特別だから、できるんだもん」
場面転換。
電車のホーム。
アナウンス「電車が参ります。白線の内側までお下がり下さい」
電車がやってきて、ドアが開く。
修司が乗り込む。
修司「ふわー。最近、幽霊と遊んでるから、寝不足だよ……」
ドアが閉まり、電車が走り出す。
男の子「すごーい! 夜に買い物に行くだけでも凄いのに! 幽霊に会ったの?」
浩太「ああ。俺、全然、怖くなかったぜ。友達になったんだ」
男の子「幽霊と友達になるなんて、ホント凄いよ!」
浩太「えへへへ! もう、4日連続で遊んでるんだよ」
男の子「いいなー。僕も幽霊と友達になりたいな」
浩太「いや、お前には無理だよ。俺だからできるんだよ。俺は特別な存在だからな!」
ガタンガタンと電車が走る音。
修司「ふわー。僕と似たような人がいるもんだなぁ……」
終わり。