■概要
人数：5人
時間：5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、シリアス
■キャスト
勝己（かつみ）
新一（しんいち）
その他（いじめっこ３人）
■台本
勝己（Ｎ）「僕はずっとヒーローになりたかった。ヒーローに新ちゃんを助けたかった。僕の中にあるのは、ただ、それだけだった」
場面転換。
いじめっ子１「お前、お小遣いたくさんもらってるんだろ？ 俺達にも分けてくれよ」
新一「そ、そんなことないよ」
いじめっ子２「あん？ お前の親、金持ちなんだろ？」
新一「お父さんは弁護士だけど、だからって、僕のお小遣いは多くはならないよ」
いじめっ子３「じゃあ、今からお父さんにお小遣いねだってこいよ」
新一「お父さん、いっつも家にいないし……」
いじめっ子１「ふーん。なら、今、持ってる分でいいや。財布出せよ」
新一「え？ ダメだよ。これは後で、勝ちゃんとお菓子食べるんだから」
いじめっ子３「じゃあ、そのお菓子は諦めればいいだろ」
新一「……」
いじめっ子２「早くよこせよ！」
新一「嫌だよ」
いじめっ子１「いいから早く出せ！」
新一「痛いっ」
いじめっ子１が新一を殴り、新一が転ぶ。
新一「うう……」
いじめっ子２「また殴られたくなかったら早くしろよ」
新一「……ヤダ」
いじめっ子３「早くしろって！ 人が来るだろ！」
いじめっ子３が新一を蹴る。
新一「痛い！」
いじめっ子２「早く出せって！」
イジメっ子たちが新一を蹴り始める。
新一「や、やめてよ！」
そのとき、勝巳が現れる。
勝己「おい！ 止めろ！」
いじめっ子１「ん？ なんだお前？」
勝己「新ちゃんの友達だ！」
新一「勝ちゃん、ダメ、逃げて……」
勝己「大丈夫！ すぐに助ける」
いじめっ子２「はあ？ 三対一で勝てると思ってるのか？」
勝己「やってやる！ やあああ！」
勝己が走り出して、殴りかかる。
いじめっ子３「おら！」
勝己「あうっ！」
いじめっ子３に逆に殴られる勝巳。
いじめっ子３「なんだ、こいつ。助けに来ておいて、あっちよりも弱いぞ」
いじめっ子１「あははは。だっせー！」
いじめっ子２「ほらほらほら！」
勝己「うう……」
今度は勝巳の方がイジメっ子たちに蹴られ始める。
新一「や、やめてよ！」
勝己「新ちゃん、今のうちに逃げて！」
いじめっ子３「おらおらおらおら」
勝己「ううう……」
いじめっ子１「あははは！」
新一「やめてー！」
勝己「うう……」
いじめっ子２「あははははは」
新一「やめろーー！」
新一が立ち上がり、イジメっ子たちに向かって行く。
いじめっ子１「え？ なんだ、こいつ、急に」
新一「うわああああ！」
いじめっ子１を殴る新一。
いじめっ子１「痛ぇ！」
いじめっ子２「お前、生意気だぞ！」
新一「あああああああ！」
いじめっ子２「うわっ！」
新一がいじめっ子２に体当たりして吹き飛ばす。
いじめっ子２「うう……」
新一「うわあああああ！」
いじめっ子３「うわっ！ ちょっと待って……。ああっ！」
新一の体当たりでいじめっ子３が吹き飛ばされる。
いじめっ子１「うう、こいつ、なんなんだよ！」
いじめっ子１が逃げ出す。
いじめっ子２「あ、ちょっと待ってよ！」
いじめっ子３「置いてかないで！」
いじめっ子たちが逃げていく。
新一「はあ、はあ、はあ……」
勝己「……新ちゃん」
新一「あ、勝ちゃん、大丈夫？」
勝己「う、うん……。でも、僕、また新ちゃんに助けてもらっちゃったね」
新一「ううん。勝ちゃんがいるから、僕、頑張れるんだよ」
勝己「……」
勝己（Ｎ）「僕はずっとヒーローになりたいと思っている。ヒーローに新ちゃんを助けたい。僕の中にあるのは、ただ、それだけだ」
終わり。