鍵谷シナリオブログ

伝説の歌姫

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■概要
人数:4人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
ディーン
レスター
ジェイク
兵士

■台本

戦場。

恐竜型のモンスターが暴れている。

ディーン「隊長! ティラノ型が10時の方向から来ます」

レスター「ジェイク、奴の背後に回れ! 一気に決めるぞ」

ジェイク「了解!」

レスター「ディーンは正面から、奴の注意を引け」

ディーン「わかりました」

モンスターが咆哮を上げて突っ込んでくる。

ディーン「うおおおお!」

ガンと剣でモンスターに斬りつける。

ディーン「くっ! 硬い!」

レスター「ディーン、下がれ! チャージが完了した」

ディーン「はい!」

ディーンが離脱する。

レスター「くらえー!」

巨大砲撃を打つレスター。

爆発音が響く。

レスター「ジェイク、止めだ」

ジェイク「はああああああ!」

モンスターの頭を槍で突き刺すジェイク。

モンスターが断末魔をあげて倒れる。

ディーン「……やった」

レスター「よし、すぐに別の隊の救援に向かうぞ」

ジェイク「了解」

ディーン「はい」

そのとき、近くでサイ型のモンスターが突っ込んでくる。

ディーン「隊長、後ろからサイ型が来ます」

レスター「なに? うわあああああ!」

3人が吹き飛ばされる。

場面転換。

基地内。

ディーン「……隊長」

レスター「ジェイクはしばらくは動けん。しばらく、お前と俺の二人で戦うことになる。他の隊も人数が足りていないんだ」

ディーン「わかってます」

レスター「……この星に、奴らが現れて20年。ほとんどの場所が奴らの侵略によって滅ぼされてしまった」

ディーン「……はい」

レスター「元々、この星は我ら、人類のものだ。何としてでも奴らから取り返す」

ディーン「……出来るでしょうか。人類は奴らの侵略で、人口の半分以上、やられてしまいました」

レスター「はっきり言って、状況は厳しいと言わざるを得ない。それでもやるしかないんだ」

ディーン「……そうですね」

レスター「……ディーン。お前は戦いから降りてもいいぞ」

ディーン「え?」

レスター「お前はまだ若い。わざわざ死にに出る必要はないんだぞ」

ディーン「いえ、戦います」

レスター「……」

ディーン「生き残ればいいだけですから」

レスター「……そうだな」

そのとき、兵士が走って来る。

兵士1「おーい! 歌姫が到着したぞ! しかも、補充兵も連れてだ」

レスター「本当か!?」

兵士1「ああ。これで、この地域の戦況もひっくり返すのも夢じゃない」

レスター「……勝機が見えてきたな」

兵士1「あんたは、すぐに補充兵の編隊を組んでくれ」

レスター「わかった」

兵士1「頼んだぞ」

兵士1が走って行く。

ディーン「あの、隊長。歌姫って……」

レスター「ああ、お前は知らない世代か」

ディーン「……?」

レスター「奴らは歌に弱いんだ」

ディーン「え? 本当ですか?」

レスター「ああ。実際に、歌姫は一人でやつらを100体、行動不能にしている」

ディーン「……そんな。信じられません」

レスター「俺も実際に見るまでは信じられなかった」

ディーン「でも、歌に弱いなら、みんなで歌えばいいんじゃないんですか?」

レスター「いや、そう簡単な話じゃない。なにしろ、歌が有効なのは、歌姫の歌だけだ」

ディーン「……それで、伝説の歌姫なんですね」

レスター「そういうことだ。……これで、お前も死ぬ心配はなくなったな」

ディーン「いえ、油断は禁物です」

レスター「うむ。そうだな」

場面転換。

戦場。

多くの隊がモンスターと戦っている。

レスター「いいか、ディーン。俺達は行動不能になった奴らに止めを刺す役目だ」

ディーン「はい!」

兵士1「5秒後に、歌姫の歌が始まるぞ! 総員、準備を怠るな!」

レスター「よし、いくぞ、ディーン」

ディーン「はい」

レスター「……ん? ディーン、お前、ヘルメットが破損してるぞ」

ディーン「このくらいなら問題ありません」

レスター「いや、そうじゃなくて……」

そのとき、歌姫の歌が始まる。

歌姫「わ~た~し~の、歌でぇ~、ひれ伏しなさーい!」

※歌は物凄い酷い。だみ声。

その歌を聞いて、モンスターが悲鳴の方向を上げる。

レスター「始まった……。ディーン、大丈夫か!?」

ディーン「ぐああああああああ!」

モンスターも歌声に耐え切れなくて倒れていく。

ディーン「……」

ディーンが気絶して倒れる。

レスター「やはり、お前も歌声に耐え切れなかったか……。これは、1週間は目覚めないな」

ディーン「……あ……ああ……」

泡を吹いてもがくディーン。

レスター「……言えばよかったな。歌姫だからといって、歌が上手いわけじゃないって」

終わり。

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