■概要
人数:2人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
毅(つよし)
光(ひかる)
■台本
朝、通学路を歩く光と毅。
光「はあ……」
毅「どうしたんだ、光。朝からため息ばっかついて」
光「あのさ、毅。俺の背後に悪霊とかとり憑いてないかな?」
毅「なんだよ、急に。てか、俺、霊感ないし、そんなのわかんねーよ」
光「……だよなぁ」
毅「怪奇現象とかに悩まされてるのか?」
光「そうじゃなくて……。なんていうかな、最近、すげー不幸続きなんだよ」
毅「不幸続き?」
光「あれだよ。何やっても上手くいかないっていうの? あるだろ? そんな状態」
毅「ああー。わかるわかる。運気が下降気味ってやつだろ?」
光「それの酷いやつって感じ。いうなら、大殺界っていうんだっけ? 最悪なやつ」
毅「そんなにか?」
光「ああ……。もう、やべーよ」
毅「元気出せって。心配し過ぎるのも体に悪いって聞いたぞ」
光「なあ、毅。もし、俺が死んだら……」
毅「止めろって! そんな不吉なこと言うなよ」
光「ごめん……」
毅「原因とか心当たりないのか? 例えば、心霊スポット行ったとか、お墓倒したとか、なんかの封印解いたとかさ」
光「全然ない」
毅「じゃあ、お払いに行ったとしても意味ないかもしれんな」
光「……」
毅「だから落ち込むなって。実際、どんなことがあったんだ? 傾向がつかめれば、注意しやすいだろ?」
光「えっと……3日前に、果歩(かほ)ちゃんに告白されたんだよ」
毅「え? あ、お、おう……。で?」
光「やったーと思ってオッケーしたんだよ」
毅「……へー」
光「けどさ、次の日、一花(いちか)ちゃんからも告白されたんだよ」
毅「……一花って、宮杉(すぎむら)一花? あの、学年で一番人気の?」
光「そう。だから、果歩ちゃんを断って、一花ちゃんと付き合おうとしたら、一気に修羅場になってさー。それに里美(さとみ)まで加わって、もうカオス状態」
毅「……」
光「それだけじゃないぞ。昨日、たまたま寄ったコンビニでさ、クジやってたんだよ」
毅「ほー」
光「一等が俺の好きなキャラのフィギュアだったから買ったんだよ。一枚」
毅「で、外れたと?」
光「いや、当たったんだ。特別賞。でも、特別賞って、PM5の本体でさ。俺、持ってるんだよ、既に」
毅「……」
光「最悪だよなー。ホント最悪。なんで、一等じゃねーんだよ! 持ってるPM5とか最悪だろ!」
毅「……あとは?」
光「いや、こんくらいかな」
毅「……」
光「……毅? どうした?」
毅「ふざけんなー!」
光「うわっ! なんだよ、急に怒鳴って!」
毅「そんなの全っ然、不幸じゃねーよ! 舐めてんのかっ!」
光「え? そうなのか?」
毅「俺なんかなー! テストで名前書き忘れて0点になったし、下水溝に足がハマったし、放課後、みのりちゃんの笛を舐めたら、席替えしてて田中の笛だったり、散々だったんだぞ! 俺の方が大殺界だっつーの! 悪霊がとり憑いてるっつーの!」
光「……うわー。それは悲惨だな。けど、まあ、元気出せって。心配し過ぎるのも体に悪いって聞いたぞ」
毅「うっさいわっ!」
終わり。