■概要
人数:4人
時間:10分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
空(そら)
大智(だいち)
渚(なぎさ)
昴(すばる)
■台本
空(N)「俺と大智と渚は幼稚園からの幼馴染だ。何をするにも3人一緒だった。本当に仲のいい親友同士だったと思う。だけど、それは高校生になったときに、あっさりと崩れ去ったのだ」
空「大智! 今日こそ、決着をつけてやる!」
大智「俺が勝ったら……わかってるな、空?」
空「もちろん。負けた方が身を引く」
大智「よし! じゃあ行くぜ!」
空「うおおおお!」
大智「おらああああ!」
空と大智が殴り合う。
場面転換。
空「はあ、はあ、はあ……」
大智「はあ、はあ、はあ……。空、そろそろ、降参したらどうだ?」
空「そっちこそ……」
そこに渚が走ってくる。
渚「空! 大智! 何やってるのよ!」
空「放っておいてくれ」
大智「そうだ。渚は黙っててくれ」
渚「2人ともボロボロなのに、やせ我慢しないの!」
空「や、やせ我慢だなんて……」
大智「そうだそうだ。俺はまだやれるぞ」
渚「ふーん……」
渚が空の腹を殴る。
渚「えい!」
空「うぐっ!」
渚が大智の腹を殴る。
渚「えい!」
大智「うおっ!」
空と大智が膝から崩れ落ちる。
場面転換。
空「いててて!」
渚「ほら、動かないの!」
大智「もう少し、優しくしてくれよ」
渚「何言ってるのよ。自分たちで勝手に喧嘩して怪我したんでしょ」
空「うう……」
大智「……」
渚「ねえ、2人ともどうしたの? 前はあんなに仲が良かったのに」
空「……昔は昔だ」
大智「そうだ」
渚「まあ、高校生にもなれば、色々あるんだろうけどさ。喧嘩もほどほどにしておきなさいよ」
場面転換。
廊下。ガヤガヤと生徒で賑わっている。
空「……」
大智「……」
そこに渚が2人で抱き着いてくる。
渚「凄いじゃん、空と大智! 学年の順位、2人とも20位なんてさ」
空「同じ点数なら意味ねーし」
大智「また引き分けじゃねーか」
渚「同じ点数なんて、滅多にないよね。うーん。仲がいいのか、悪いのか……」
空「……大智、次は体育のバスケで勝負だ」
大智「ああ、望むところだ」
場面転換。
体育館。バスケをしている空と大智。
そこにピピーと笛が鳴る。
空「はあ、はあ、はあ……また同点か」
大智「ふん。お前はチームに救われたようなもんだろ」
空「はあ? お前だって、何度も足引っ張ってただろ」
大智「ああ?」
場面転換。
河原。
空と大智が向かい合っている。
空「……やっぱり、最後は拳で決着を着けるしかないな」
大智「ああ。その方がお互い、納得できるだろ」
空「そうだな。じゃあ、行くぞ」
大智「こい!」
空「おらあああ!」
大智「はああああ!」
空と大智が殴り合う。
場面転換。
空「う、うう……」
大智「うお……」
空と大智が倒れる。
空「う、くそ……」
大智「なあ、空。先に立った方が勝ちってのはどうだ?」
空「ああ、いいぜ」
大智「うおおお!」
空「くうううう!」
2人とも必死に立ち上がろうとする。
そこに渚が走ってくる。
渚「ちょっと! また、喧嘩して!」
空「はあああ!」
大智「うおおおお!」
2人が同時に立ち上がる。
渚「ちょっと、2人とも寝てなさいよ」
空「はあ、はあ、はあ。渚、今、どっち先に立ち上がった?」
渚「え?」
大智「頼む。言ってくれ」
渚「……2人とも同時だったよ」
空「なら、渚が決めてくれ」
渚「え?」
大智「……お願いだ」
渚「え、えっと……」
そこに昴が走ってくる。
昴「おーい、渚。なにやってんだ。今日、駅前の喫茶店に寄るんだろ?」
渚「あ、そうだった。今行くー」
空「え?」
渚「じゃあ、2人とも、喧嘩しちゃダメだからね」
大智「ちょっと待て、渚!」
渚「なに?」
空「あいつ、誰?」
渚「え? 昴くん」
大智「あいつとはどんな関係なんだよ?」
渚「彼氏」
空「へ?」
大智「え?」
渚「あ、そうだ。あんたたちも彼女作りなさいよ。そしたら、喧嘩しなくなるでしょ?」
昴「おーい、渚―」
渚「ごめーん。今行く! じゃあね」
渚が走っていく。
空「……」
大智「……」
空「なあ、大智」
大智「なんだ?」
空「帰りに、牛丼でも食ってかね?」
大智「おお、いいな」
空(N)「俺と大智の仲は復活し、社会人になってもその友情は続いている」
終わり。