■概要
人数:2人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
翠(すい) 16歳 高校1年生
彩葉(いろは) 16歳 高校1年生
■台本
翠の部屋。
翠が寝ている。
翠「(寝息)……」
そこにバンとドアを開けて彩葉が入ってくる。
彩葉「翠―! 何してんの? そろそろ出ないと遅刻……」
翠「(寝息)……」
彩葉「なにやってんのよーーー!」
ガバっと起きる翠。
翠「へ? なになになに?」
彩葉「……準備遅いと思ってたら、まさか起きてもないとは思ってなかったわ」
翠「……あ、彩葉ちゃん、おはよ」
彩葉「おはよ、じゃない! 今、何時だと思ってるのよ!」
翠「え? えーと。7時40分?」
彩葉「……学校には何時まで入らないといけないかわかってるわよね?」
翠「……えっと、8時?」
彩葉「ここから学校まで何分かかる?」
翠「15分、かな?」
彩葉「……さっさと支度しなさい!」
翠「あわわわ! 怒らないでよ! 私、ちゃんと対策してるんだから」
彩葉「対策? なに?」
翠「へへーん」
バッと起き上がって、布団から出る翠。
翠「ばばーん! 既に制服着てたのでしたー!」
彩葉「……っ」
翠「これで、すぐに出れるよ。偉いでしょ?」
彩葉「この、馬鹿たれー!」
翠「ええー! なんで怒るのー?」
彩葉「あんた、それ、単に昨日制服脱がないでそのまま寝ただけでしょ?」
翠「え? なんでわかったの?」
彩葉「ちゃんとパジャマ着て寝なさい」
翠「えー、なんで?」
彩葉「なんでじゃない! って、あー、もう。遅刻するから、説教は後! ほら、行くわよ」
翠「う、うん……」
バタバタと部屋を出て行く2人。
場面転換。
翠の部屋。
彩葉「はい。これ、誕生日プレゼント」
翠「え? ……パジャマ?」
彩葉「ちゃんとこれ着て寝なさい」
翠「えへへ。ありがと、彩葉ちゃん」
場面転換。
勢いよく翠の部屋のドアが開く。
彩葉「翠、遅刻するわよ」
翠「……あー、うん。おはよー」
彩葉「ほら、早く布団から出なさい」
翠「わかったー。うんしょっと……」
翠が布団から這い出る。
彩葉「ちょっ! 翠! あんた、なんで下着なのよ?」
翠「え? なんでって言われても」
彩葉「プレゼントしたパジャマはどうしたのよ?」
翠「……えへへへ。着るの面倒くさくて」
彩葉「あーんたーねー! パジャマを着れない女はこうだ!」
彩葉が両頬を引っ張る。
翠「ひはい、ひはい(痛い、痛い)」
彩葉「大体、パジャマなんて1分もあれば着れるでしょ」
翠「……その1分が面倒くさくて」
彩葉「……あんたねぇ」
翠「あ、遅刻しちゃう。制服に着替えないと」
彩葉「はあ……。ホント、あんたって子は」
場面転換。
学校の教室内。
翠がやってくる。
翠「ねえねえ、彩葉ちゃん」
彩葉「なに?」
翠「パジャマ問題、解決するかも」
彩葉「え? ホント?」
翠「うん。明日は楽しみにして、部屋に来て」
彩葉「……いや、あんたがもっと早く起きれば、家の前で待ち合わせできるんだけど」
場面転換。
翠の部屋。
ガチャリとドアが開く。
彩葉「翠。ほら、起きて」
翠「あー、彩葉ちゃん、おはよー」
彩葉「で? パジャマ問題はどう解決したのよ?」
翠「実は……こうでした!」
ガバっと起きる翠。
彩葉「……」
翠「あれ? ノーリアクション?」
彩葉「……なんで、制服着てるの?」
翠「違う違う。パジャマだよ」
彩葉「……? どう見ても制服じゃないのよ」
翠「ふふふ。甘いね、彩葉ちゃん。私は、制服をパジャマにしたんだよー!」
彩葉「……」
翠「どう? まさに発想の転換! 私、天才!」
彩葉「この、馬鹿たれー!」
翠「ええー! なんで怒るのー?」
彩葉「それじゃ、最初と変わらないじゃないのよ!」
翠「……へ? ……あっ!」
彩葉「……はあ、疲れる」
終わり。