鍵谷シナリオブログ

大胆に攻めろ

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■概要
人数:3人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
隼人(はやと)
崇(たかし)
風花(ふうか)

■台本

学校の休み時間。

教室の外から、ジッと風花を見ている隼人。

隼人「ああ……風花ちゃん。今日も可愛いなぁ」

崇「まーた、のぞき見してるのかよ」

隼人「うわあ! びっくりしたぁ!」

崇「お前、傍から見たら、不審者にしか見えないぞ」

隼人「うるさいな。この角度からだと、ちょうど風花ちゃんの席が見えるんだよ」

崇「お前さぁ。それでいいのか?」

隼人「何がだ?」

崇「見てるだけでいいのかって話」

隼人「え? そんなこと言われても……見る以外に何ができるんだよ?」

崇「……はあ。少しはアプローチしてみたらって話」

隼人「お、俺なんかがアプローチしたら、気味が悪がられるだろ」

崇「それでもいいんじゃないのか?」

隼人「どういうことだよ?」

崇「つまり、最初は気味が悪がられても、認識されないよりはマシってこと」

隼人「……」

崇「もしかしたら、お前のこと好きになってくれるかもしれないんだぞ」

隼人「……そ、そんなことあるわけねーだろ」

崇「わからないって。あの2組の千沙ちゃんがゴリの辰吉と付き合ってるんだぞ」

隼人「……」

崇「相性なんて話てみないとわかんないもんだって。けど、今のお前のようにずーっと見てるだけだと、一生話すこともなく、片思いで終わるだけだ」

隼人「……そうだよな。よし、頑張って声をかけてみようかな」

崇「いや、ちょっと待て」

隼人「なんだ?」

崇「風花ちゃんは、可愛いし、男子にも結構人気だ」

隼人「そうだな」

崇「ってことは、他にも話かけてる奴なんて大勢いるってことだ」

隼人「まあ、そうなるな」

崇「お前も普通に話しかけたら、その他の一人になっちまうぞ」

隼人「じゃあ、どうすればいいんだ?」

崇「ここは大胆に攻めろ」

隼人「大胆に……」

場面転換。

通学路。

風花が歩いている。

その後をつけている、隼人と崇。

風花「……(鼻歌を歌うなど)」

崇「いいか。インパクトだぞ。多少、引かれてもいいくらいの勢いが必要だ。なにより、名前を認識してもらわないと話にならないから」

隼人「ああ。わかった。任せろ」

崇「よし、行ってこい」

隼人が走っていく。

風花「……」

すると突然、後ろから隼人に抱き着かれる。

隼人「つーかまえたー!」

風花「きゃああああああ!」

崇「……おいおい。インパクト勝負だとしても、さすがにやり過ぎだろ」

風花「何するんですか!」

隼人「あ、いや……」

風花「なんのつもりですか? 警察呼びますよ」

隼人「いや、待って。間違えたんです!」

風花「……間違えた?」

隼人「辰吉と間違えちゃったんです。だから、わざとじゃないんですよ!」

風花「……」

バチンと頬を叩かれる隼人。

隼人「……え?」

風花「最低!」

ツカツカと歩き去っていく風花。

隼人「……」

そこに崇がやってくる。

崇「……やっちまったな」

隼人「おい! ダメだったじゃねーか!」

崇「いや、あれはお前が悪いだろ」

隼人「なんでだよ!? 完璧な理由だろ? 抱き着いたのは間違いだったって」

崇「……お前さ。誰と間違ったって言った?」

隼人「え? 辰吉だけど?」

崇「風花ちゃんはゴリの辰吉と間違わられたって言われたんだぞ」

隼人「……あっ!」

崇「確かにインパクトはあったが……風花ちゃんはもう諦めろ」

隼人「なんでだーーー!」

終わり。

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