■概要
人数:5人以上
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、ファンタジー、コメディ
■キャスト
篤(あつし)
公太(こうた)
女神
女子1~4
■台本
学校の廊。
女子「ごめんなさい」
篤「なんでだーーー!」
場面転換。
通学路。
篤と公太が並んで歩いている。
篤「ちっくっしょー! 男は顔じゃなく、内面だろ、内面!」
公太「これで、今年何人目?」
篤「うっせーな! 15人目だよ、わりーか!」
公太「……手あたり次第、告白しまくってるのがダメだと思うぞ」
篤「手あたり次第なんかじゃねーよ! ちゃんと選んでるっつーの!」
公太「何基準で?」
篤「可愛さ以外に何の基準があるんだよ?」
公太「……お前。自分にはない面で選べって言ってるくせに、お前は顔で選んでるのかよ?」
篤「しょーがーねーだろ。男なんだから」
公太「なにがしょうがないんだよ……」
公太が呆れる。
篤「あー、くそ! 異世界に転生してー!」
公太「転生? なんでだよ?」
篤「そりゃ、転生すればモテモテになるだろ?」
公太「そうとも限らんだろ」
篤「俺は絶対、スキルはモテるために全振りするんだ」
公太「はいはい。妄想は自由だからな。……ん?」
猫のニャーという鳴き声。
公太「あ、猫だ。可愛いな」
篤「杏美ちゃんの方が可愛いよ」
公太「人間と猫を一緒の感覚で見るなよ」
そのとき、物凄い勢いで車が突っ込んでくる。
公太「猫が危ない!」
篤「バカ! 轢かれるぞ!」
公太「けど、放っておけないだろうが!」
公太が飛び出し、猫を助けようとする。
篤「俺は知らねーからな!」
だが、公太が飛び出してきたことで、車の運転手は急ハンドルを切る。
篤「なんで、こっちにーーーー!」
事故の大きな音が鳴り響く。
場面転換。
篤「……ん? あれ? ここは?」
女神「あなたは不慮の事故で亡くなりました」
篤「っしゃー! やったー!」
女神「え? なんで喜んでいるのですか?」
篤「そりゃ、異世界に転生できるからだよ」
女神「誰も、転生させるとは言ってませんが?」
篤「はあ? この状況で転生させないとかありえないだろ! 事故だぞ、事故! じゃあ、あんた、責任取れるのかよ!」
女神「……」
篤「もし、転生させてくれないなら、泣くぞ? 暴れるぞ? スカートめくるぞ?」
女神「……わかりました。転生を許可しましょう」
篤「いえーい!」
女神「では、転生者に送られる、スキルを決めてください」
篤「あのさー。スキルはいらないから、イケメンにしてくれない?」
女神「……イケメン、ですか?」
篤「そうそう。めちゃくちゃ、すげーイケメン」
女神「……わかりました。では、スキルを放棄して、外見を変えるということですね」
篤「そうそう。そういうこと」
女神「では、これより、異世界に転送します」
場面転換。
光が輝くような音。
スタッと着地するような音。
篤「……おお。本当に、異世界だ。すげー。……って、そんな場合じゃねー。確認確認」
篤が店先にいるおばさんに話しかける。
篤「おばちゃん。鏡ある?」
おばちゃん「……なんだい、冷やかしかい?」
篤「いいから、鏡―」
おばちゃん「そこにあるから、勝手に使いな」
篤「おお、これか。どれどれ……。おおおー! すげー! 超イケメンじゃん、俺!」
場面転換。
篤「俺と付き合ってくれよ」
女子2「無理」
場面転換。
篤「付き合ってやってもいいぜ?」
女子3「……(無視)」
スタスタと歩いていく。
場面転換。
篤「……付き合ってください」
女子4「ごめんなさい」
篤「なんでだー!」
女子4「きゃあー!」
篤が女子4の両肩を掴む。
篤「ねえ、なんで? 俺、イケメンでしょ? こんなん、女の方から付き合って欲しいっていうでしょ?」
女子4「いや、その……」
篤「ん?」
女子4「男の人は顔じゃなく内面ですから」
篤「……」
終わり。