鍵谷シナリオブログ

時間停止能力

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■概要
人数:2人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
大和(やまと)
凌空(りく)

■台本

通学路。

大和と凌空が並んで歩いている。

大和「時間を止める能力っていいよなー」

凌空「……なんだ? 読んでる漫画に出てきたのか?」

大和「いや、そうじゃなくってさ。1日が24時間って短いなって思ってさ」

凌空「……それが、なんで時間を止める能力の話に繋がるんだ?」

大和「だってさ、時間を止めれば、1日が24時間じゃなくなるんだぞ?」

凌空「……まあ、1日が24時間なのはかわらないけど、体感的には24時間じゃ無くなるよな」

大和「俺はさ、ゲームだってやりたいし、漫画も読みたい、ユーチューブだって見たい。全部やってると、本当に時間が足りないんだよ」

凌空「……そこは建前でも、勉強するもいれろよ」

大和「勉強なんて、時間の無駄じゃん」

凌空「……そんなんだから、お前はいつも赤点取るんだよ」

大和「別に痛くねーし」

凌空「結局、それで補習受けることになるなら、その方が時間の無駄じゃね?」

大和「うっ! そ、それより! 時間を止めれると、さらにいいことあるぞ」

凌空「誤魔化したな」

大和「時間を止められれば、覗きや女の子に触りたい放題だぞ」

凌空「……なんのエロ漫画だよ」

大和「手に入らねーかな。時間停止能力」

凌空「……そんなことを考えているのが一番、時間の無駄だと思うけどな」

大和「あっ! いいこと思いついた!」

凌空「……」

大和「時間停止までは無理だとしてさ、早く動けるようになればいいんじゃねーか?」

凌空「どういうことだよ?」

大和「つまり、100メートルを15秒で走れるとするじゃん?」

凌空「ああ」

大和「それを1秒で走れるようになれば、15倍、時間を短縮することができる。ということは、1日24時間だけど、体感的には、24かける15の時間の長さがあることになる!」

凌空「いや、そうはならんだろ」

大和「よし! そうと決まれば、今日から特訓だ! ……お前も一緒にやるか?」

凌空「いや、いい」

大和「ふん。お前はせいぜい、1日24時間という枠にとらわれたまま、無駄な時間を過ごせばいいさ」

場面転換。

走っている大和。

大和「うおおおおおおお!」

場面転換。

筋トレしている大和。

大和「うおおおおお!」

機材がガッシャンガッシャン鳴っている。

場面転換。

大和「うおおおおおおおお!」

特訓が続く。

場面転換。

土手。

大和「はあ、はあ、はあ……」

そこに凌空がやってくる。

凌空「よお、どうだ? 100メートル、1秒で走れるようになったか?」

大和「くそ。まだ、14秒だ! だが、諦めん! 俺は漫画やゲームをやる時間を手に入れるため、やり遂げてみせる!」

凌空「……その特訓時間を漫画やゲームに当てればいいんじゃないか?」

大和「……っ!」

深呼吸する大和。

大和「さてと。帰って、ゲームでもするか」

凌空「……盛大に時間を無駄にしたな」

終わり。

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