鍵谷 端哉

118/120ページ

【シナリオブログ】蒼天の星のように⑥

NO IMAGE

32 長屋の外 条庵が夜空に浮かぶ月を眺めている。 そこに、忍びの格好をした男が素早く近寄ってくる。 男「条庵様……」 条庵「……おう、どうだった?」 男「こちらが、藩主様からの信書です」 条庵「……そうか、ご苦労だったな」 男「それでは、失礼します(走り去る)」 条庵「……いよいよか」 33 長屋の裏 腕を組んで、壁にもたれかかっている京四郎。 京四郎「……」 34 街(夜) 見張りが二人、立っ […]

【シナリオブログ】蒼天の星のように⑤

NO IMAGE

30 街中(夜) 街の入り口に二人の町方同心が、見張りとして立っている。 そこに提灯を持った、別の二人の町方同心がやってくる。 同心3「お疲れ。交替だよ」 同心1「お、そんな時間か」 同心3「ほら、今井様からの命令書」 同心1「(受け取って)どれどれ、次の見張り場所は……と」 同心2「俺は、北側か」 同心1「俺は南だ」 同心1「じゃあ、ここは頼んだぜ」 同心3「ああ」 見張っていた同心が提灯を受け […]

【シナリオブログ】蒼天の星のように④

NO IMAGE

24 街・往来 聞き込みをしている京四郎。 街娘「そうなの。南町の味噌屋さんの店主が身体壊してね、皆、阿片じゃないかって」 京四郎「いつからか、わかるか?」 街娘「結構前だと思う。半年くらい前かな」 京四郎「入手先は?」 街娘「うーん。そこまでは」 京四郎「そっか、邪魔したな」 京四郎が歩き出す。 街娘「たまには、ちゃんと店に顔出してね」 京四郎「(振り向かずに)そのうちな」 その脇を五歳ほどの女 […]

【シナリオブログ】蒼天の星のように③

NO IMAGE

19 同・部屋の中 お銀、条庵、茂吉、喜助が集まっている。 京四郎だけが、離れたところで寝転がっている。 茂吉「今井の不正を探せって言われても……」 条庵「一度会ったことがあるが、ありゃ、変人だ。あれほどの堅物は見たことがない」 喜助「頭も切れるって話だぜ。そんな奴から証拠を掴むなんて無茶だ」 お銀「それでも、やるしかないでしょ」 茂吉「……そうっすね」 お銀「京四郎、あんたもこっちに来なさいよ」 […]

【シナリオブログ】蒼天の星のように②

NO IMAGE

8 直江の屋敷・廊下 直江が苛立った様子で、ドスドス歩く。 直江「くそっ、忌々しい今井め」 立ち止まり、襖を開いて部屋へ入る。 9 同・部屋内 赤川が青ざめた顔で平伏している。 そこへ直江が入って来る。 直江が、赤川の前にドカリと座る。 直江「遅かったな。赤川。して、中むらからのあがりは?」 赤川「(震えながら)……こ、こちらに」 直江「ふむ(受け取って)……で? 次の密輸の件はどうなっておる?」 […]

【シナリオブログ】蒼天の星のように①

NO IMAGE

人 物 表 京 四 郎 ( 2 1) ス リ 師 お 銀 ( 1 6) ス リ 師 条 庵 ( 4 3) ス リ 師 直 江 忠 正( 4 3)代 官 今 井 一 良( 4 5)番 頭 市 蔵 ( 4 1) 中 む ら 屋 の 店 主 赤 川 重 幸( 3 2)直 江 の 部下 茂吉 ( 1 9) ス リ 師 そ の 他 1 城下町 お銀(N)「江戸時代末期。幕末と言われた時代。世間では、大騒ぎを […]

【シナリオブログ】勲章の痕

あらすじ 雨宮瑞樹(25)は女性の消防士。 小さい頃に親友を火事に亡くしてから、火事から人を助けたいという思いから消防士になった。 あるとき、火事の現場で顔に小さな火傷を負ってしまう。 友達に良い化粧品会社を紹介され、行ってみると、会社の社長の息子で専務の仙石隆則(32)が来ていて、 瑞樹にある試供品の被験者になってくれないかと言ってくる。 それは、ホクロやシミ、火傷の痕を消すという商品だった。 […]

【シナリオブログ】勲章の痕⑥

NO IMAGE

○  病院・瀬羅の病室 瀬羅がベッドの上で上半身だけを起こし、立っている瑞樹の話を聞いている。 瀬羅「いい話じゃねーか。迷う事ないだろ」 瑞樹「え?」 瀬羅「今、お前の中で、どうしようか、悩んでるんだろ? だったら、消防士は辞めた方がいいな。迷いがある奴が現場にいると、迷惑だ」 瑞樹「そう……ですよね」 瀬羅「ま、お前がいない方が、課長も頭抱えなくて済む分、楽になるだろ。それに、俺もすぐ現場復帰す […]

【シナリオブログ】勲章の痕⑤

NO IMAGE

○  病院・集中治療室 人工呼吸器を付けて、ベッドで寝ている瀬羅。 ○  同・集中治療室前 椅子に座って俯いている瑞樹。 その隣に黙って座っている仙石。 扉の前に立っている石尾。 瑞樹「……私のせいです」 石尾「最終的に許可を出したのは俺だ」 瑞樹「……」 石尾「お前はもう帰れ」 瑞樹「そんなっ!」 石尾「あと、三時間後には出勤だろ。少し、休んでおけ」 瑞樹「大丈夫です」 石尾「瀬羅がこんな状態だ […]

【シナリオブログ】勲章の痕④

NO IMAGE

○  三下消防署・事務室 瀬羅と石尾が机に向かって報告書を書いている。 そこに瑞樹が出勤してくる。 瑞樹「昨日の火事って、どんなんでしたか?」 瀬羅「……朝の挨拶より、先にそれか」 石尾「まあ、雨宮らしいと言えば、雨宮らしいな」 石尾の机の前に立つ瑞樹。 瑞樹「で? どうだったんですか?」 石尾「燃えたのは清月町にある広場の松の木。警察の方では、放火の可能性があるって、捜査してる」 瑞樹「怪我人は […]

1 118 120