シナリオ本編

4/9ページ

【ドラマシナリオ】見えない終着駅⑤

○  公園(夜) 康平が一人、ベンチに座っている。 康平「……」 茫然とした表情で空を見上げている。 康平の携帯が鳴る。 電話を取る。 康平「……はい。……はい。……え?」 ○  テレビの画面 ニュースが報道されている。 アナウンサー「世田谷区のアパートの一室で、星谷菊代さん、七十四歳が鋭利な刃物で刺され、死亡しているのが発見されました。菊代さんの孫であり、同居人の星谷啓太さん、二十四歳の行方がわ […]

【ドラマシナリオ】見えない終着駅④

○  渋谷・センター街 康平が行き交う人たちを見ながら歩く。 美咲がやって来て、康平に何かを言う。 康平は首を横に振り、美咲に何か言う。 美咲が肩をすくめる。 ○  山手線・東京駅 康平と美咲が並んで歩いている。 ホームで電車を待っている人たちを見て回っている。 美咲が肩を落とした人を見つける。 美咲「やっと、救助デビューの時が来たわ」 康平「え?」 美咲が立ち上がり、肩を落とした人のところまで歩 […]

【ドラマシナリオ】見えない終着駅③

○  山手線・渋谷駅・ホーム 電車待ちをしている人を見て回る康平。 不意に、後ろから頭を小突かれる。 振り向くと、腕を組んでいる美咲がいる。 美咲「ったく。遅いと思ったら、やっぱりか」 康平「美咲さん、なんでここに? 待ち合わせ、駅前の交番に十時だったはずじゃ……」 美咲が左手の腕時計を康平の顔の前に出し、時計盤のところを指差す。 時間は十時十五分を差している。 康平「……すいませんでした」 美咲 […]

【ドラマシナリオ】見えない終着駅②

○  山手線・神田駅 電車を待つ人の列。 二人組の男がその列を見ながら歩く。 一人は命警備隊のバッチを付けている。 ○  都営大江戸線・高田馬場駅 ホームの端で、青ざめた顔で立っている中年男性。 電車がやってきた瞬間に、飛び出そうとする。 それを止める命警備隊の女性。 ○  総武線・秋葉原駅 康平と美咲が、駅のホームにいる人たちを見て回っている。 美咲「うーん。今日もいないわね」 康平「……いいこ […]

【ドラマシナリオ】見えない終着駅①

○  総武線・新小岩駅 多くの人たちが駅に入っていく。 ○  総武線・新小岩駅・ホーム(夜) 若い男女や酔った人が多く騒がしい。 電車が来るのを待っている人の列。 松下康平(32)が、その列を歩きながら一人ひとり、ジッと見ている。 若い男の集団。 若い男1「なあ、もう一軒行かね?」 若い男2「もう、金ねえって」 二十代の女性と五十代の男性。 男「この後、部屋予約してるんだけど……」 派手な赤いシャ […]

【シナリオ長編】病人パパヒーロー!足立一真⑥

○  警察署・取調室 机に地図が広げられていて、数か所に赤い丸が書かれている。 詩歩「次に駅と住宅街の公共広場。そして、商店街と今回のショッピングセンター」 次々と赤ペンで丸を付けていく詩歩。 丸の配置は、いびつなドーナツ型になる。 詩歩「これを見て、何か気付かない?」 一真が中心を指差す。 一真「この辺を中心に円状になってる」 詩歩「正解。で? この中心には何がある?」 一真「……そういえば、お […]

【シナリオ長編】病人パパヒーロー!足立一真⑤

○  公園(夜) 日野と一真が向かい合って立っている。 二人以外には誰もいない。 日野「急に呼び出して、何の用だ? 言っておくが、取引通り、ヒーロー活動は一切してないぞ」 一真「お前らの仲間に、壁をすり抜ける、もしくは念動力、相手を操ることができる超能力者はいるか?」 日野「なんだよ、藪から棒に……」 一真が詰め寄り、日野の胸元を掴む。 一真「言え!」 日野「い、いないよ! 私の仲間には炎使いと瞬 […]

【シナリオ長編】病人パパヒーロー!足立一真④

○  警察署・刑事課 一真が大和田の机を両手で叩く。 一真「どうして、俺が謹慎なんですか!」 大和田「どうしても、こうしてもないだろ」 一真「俺は仕事をしただけです!」 大和田「あのなぁ。痴漢や万引きは、うちの課の仕事じゃないだろ」 一真「警察の仕事です。課なんて関係ありませんよ」 大和田「あるんだよ! それに相手に大けがさせやがって」 一真「相手は犯罪者ですよ! 少しくらい痛い目にあった方がいい […]

【シナリオ長編】病人パパヒーロー!足立一真③

○  警察署・刑事課 机に突っ伏している一真。 ポンと肩を叩かれ、顔を上げると、大和田が立っている。 牛乳瓶を一真に渡す大和田。 大和田「公務執行妨害は、ちょっとやり過ぎたかもな」 一真「死ぬ思いしたんですよ」 大和田「だけど、あいつは市民に人気があるからな。今も、署に苦情の電話が殺到してるみたいだぞ」 一真「俺は……ただ、仕事をしただけです」 大和田「仕事ねぇ……」 一真「大体、素人がしゃしゃり […]

【シナリオ長編】病人パパヒーロー!足立一真②

○  警察署・刑事課 一真が自分のデスクで、自分の名前が書かれた表彰状を眺めている。 大和田「お手柄だったな。最近はヒーローや探偵に出し抜かれてからな。久々に警察が手柄を挙げたってんで、署長も喜んでたぞ」 一真「表彰なんて、八年ぶりです」 大和田「あの時は、窃盗犯だったよな。たしか、犯人は二十歳の若造だったか」 一真「二十一です。最後まで、否認し続けてましたけど、検察の方で起訴してくれたんですよね […]

1 4 9