鍵谷シナリオブログ

【声劇台本】日常に潜む怪人

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■関連シナリオ
〈モンスターペアレンツ〉

■概要
人数:5人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
健斗
圭太
相沢 樹
母親
その他

■台本

戦隊もののヒーロー番組の音楽。

ガオレイン「姿を見せろ、怪人! お前が人間に化けているのはわかっているんだ!」

怪人「ギイイイイ!」

ガオレイン「やっぱりな。どんなに上手く化けても、このガオレインの目はごまかせない!」

テレビを見ている健斗。

健斗「うおお! ガオレイン格好いい!」

母親「健斗、早く出ないと遅刻するわよ」

健斗「はーい!」

場面転換。

学校の授業。

樹「よし、次、圭太」

圭太「はい!」

樹「いくぞ、よーい、ドン!」

圭太が走る。

樹「おお! 早いぞ、最後まで気を抜くな」

圭太が走り抜ける。

樹「すごい! 18秒5だ。健斗より早いぞ」

健斗「うわ……抜かれちゃった……」

圭太「へへへ……」

男子生徒1「おおー、すげー!」

男子生徒2「人間じゃねー」

健斗「……人間じゃない?」

回想

ガオレイン「姿を見せろ、怪人! お前が人間に化けているのはわかっているんだ!」

回想終わり。

健斗「ま、まさか……」

昼休みの教室。

男子生徒1「圭太さー、前の学校でクラブとかやってたのか?」

圭太「うん、クリケットっていうのをやってたんだ」

男子生徒1「くりけっと? なにそれ?」

圭太「えへへ。やっぱり、知らないか。珍しいスポーツだからね」

健斗「珍しい……」

学校のチャイム。

みんなが下校している。

男子生徒1「センセ―さよならー」

樹「気を付けて帰れよ」

男子生徒2「相沢先生、さようなら」

樹「おう、また明日な」

健斗「樹先生。あいつは?」

樹「あいつ?」

健斗「転校生」

樹「……ああ、圭太か。もう帰ったぞ」

健斗「え? しまった」

樹「おい、健斗。圭太はもうクラスメイトなんだ。あんまり転校生とか言うんじゃない」

健斗「はーい」

樹「ん? お前、帰るのか? クラブはどうした?」

健斗「今日はお腹痛いから休む!」

樹「そんな元気いっぱいに言われてもな。まあ、お前しかいないからいいけど」

健斗「じゃあ、樹先生、さよなら」

樹「ああ、気を付けて帰れよ」

走っていく健斗。

場面転換。

健斗が走ってくる。

健斗「おーい!」

圭太「ん? ああ、えーっと、健斗くん」

健斗が立ち止まって、圭太の横に並ぶ。

健斗「ねえ、一緒に帰っていい?」

圭太「うん、いいよ」

並んで歩く、健斗と圭太。

健斗「圭太くんさー、卵かけごはん好き?」

圭太「うん、好きだよ」

健斗「何かけて食べる?」

圭太「塩だよ」

健斗「塩? うっそー……変わってるね」

圭太「そうかな? お父さんやお母さんも塩だよ」

健斗「そ、そうなんだ……。じゃあ、家族みんなってことか……」

圭太「ん? なんの話?」

健斗「ううん。なんでもない。それよりさ、圭太くん、ゲーム、持ってる?」

圭太「持ってるよ」

健斗「どんなゲーム好き?」

圭太「今は、囲碁にはまってるんだ」

健斗「いご?」

圭太「あ、やっぱり珍しいかな。よく、変わってるねって言われるよ」

健斗「やっぱり……」

圭太「ねえ、健斗くんってさ、ガオレイン好き?」

健斗「え? う、うん。大好きだよ」

圭太「ホント? 僕も大好きなんだ。うちにフィギュアがあるんだけど、見に来る?」

健斗「フィギア?」

圭太「ああ、人形だよ」

健斗「見に行きたい!」

場面転換。

健斗「おじゃましまーす」

圭太「健斗くん、こっち、こっち! ほら、これ、僕のガオレインのコレクション」

健斗「どれどれ……え?」

圭太「すっごいでしょ! 集めるの、苦労したんだ」

健斗「えっと……これって……怪人だよね?」

圭太「そうだよ! 僕、怪人が好きでさ! 一話から20話までに出て来た怪人のフィギュアはそろってるんだけどさ、それ以降のはまだ持ってないんだ……」

健斗「あ、あのさ……。ガオレインの方の人形はないの?」

圭太「うん。ガオレインのはないよ」

健斗「……やっぱり」

場面転換。

ガラガラとドアを閉める樹。

樹「なんだ、健斗。秘密の話って」

健斗「樹先生。これ、絶対に内緒にしてほしんだけど……」

樹「あ、ああ……。わかった。親のこと以外なら何でも相談してくれ」

健斗「……圭太のことなんだけど」

樹「……うん」

健斗「怪人なんだ」

樹「は?」

健斗「あいつ、人間に化けた、怪人なんだよ」

樹「いや……健斗。そういうことは、イジメになるから、言わないでほしいな……」

健斗「真面目に聞いて!」

樹「……なんで、そう思うんだ?」

健斗「あいつ、変わってるんだ。まず、人間じゃないくらい足が速い!」

樹「……お前、自分の記録を抜かれたのを根に持ってるだけじゃないのか?」

健斗「違うよ! 他にも、なんか、クリケットっていう変わったことしてるし、卵かけごはんは塩をかけるんだよ? ゲームだって、いごっていうのをやってるし、それにね! ガオレインが好きっていいながら、怪人が好きなんだよ!」

樹「……」

健斗「どう? あいつ、怪人でしょ?」

樹「なあ、健斗。今から先生の質問に答えてくれるか?」

健斗「え? う、うん。いいよ」

樹「お前、クラブは何部だ?」

健斗「カバディ」

樹「卵かけごはんには何をかける?」

健斗「みそ」

樹「どんなゲームが好きだ?」

健斗「超能力覚醒ゲーム」

樹「ガオレインで一番好きなのは?」

健斗「ガオレインパープル」

樹「……お前も十分、変わってるぞ」

健斗「……え?」

終わり。

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