■概要
人数:4人
時間:10分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、ホラー
■キャスト
弘平
その他
■台本
車の中。
寝ている弘平。
ガバッと起き上がる音。
弘平「……うわっ! ……なんだ、夢か。……今、何時だ?」
ピッと、ラジオのスイッチを入れる。
時報の音。
ピッ、ピッ、ピッ、ピーン!
パーソナリティ「こんばんは。水曜日になりました。週の真ん中……」
弘平「やべ。寝すぎたか。そろそろ出発しないとな。っと、その前にトイレ、トイレ」
ガチャリとドアを開けて車を出る。
場面転換。
弘平「ふう。スッキリした」
そこに男女の声が聞こえてくる。
女「ねえ、知ってる? この辺、出るらしいよ」
男「出るって、幽霊か?」
女「そう。同じところをずっと走る車の幽霊。昔、事故った車なんだって」
男「どこにでもあるような話だな。嘘くせー」
弘平「(つぶやくように)同意」
女「えー。この辺じゃ、有名なんだよ」
男「はいはい。わかったわかった」
場面転換。
弘平が車のエンジンをかける。
弘平「……あ、飲み物買い忘れた。……まあ、いいか」
車を走らせる浩平。
弘平「ふあー……。やっぱ、少し眠いな。もう少し寝とけばよかったか?」
車が走行する音。
弘平「けどな。これ以上遅くなると、明日のうちに帰れないからな。日曜の真奈の参観日には絶対、参加しないと」
車が走行する音。
弘平「ふふ。真奈の参観日、楽しみだな。その日の為に、無理して仕事も空けたんだし……って、ん? なんだ?」
後ろから車が迫る。
弘平「……随分と車間距離詰めて来るな。……抜かせたほうが良さそうだな」
車の走行する音。
弘平「……おいおい。何のために左側に寄せたと思ってるんだよ。さっさと抜けって」
車の走行する音。
弘平「……なんか、後ろの車変だな。煽ってるっていうよりも、こっちの車が見えてないみたいな運転だな……」
車の走行する音。
弘平「止まるわけにもいかないしな。減速したらぶつかりそうだし……。仕方ない、スピード上げるか」
車が加速する音。
弘平「ついてこないようだな。良かった良かった」
車が走行する音。
弘平「あれ? また、後ろにつかれた。あー、もう、面倒くさいな」
車が走行する音。
弘平「ホント、なんなんだよ、何が目的なんだ、あの車……」
回想
女「ねえ、知ってる? この辺、出るらしいよ」
回想終わり。
弘平「いや、まさかな。幽霊なんて、いるわけ……」
後ろの車が急加速する音。
弘平「うわっ! 危ないって! ぶつかるだろ!」
車が蛇行する音。
弘平「くそっ! 無茶な追い越しかけやがって……。くそっ! あっ! うわあああああああ!」
派手なクラッシュ音が響く。
場面転換。
寝ている弘平。
ガバッと起き上がる音。
弘平「……うわっ! ……なんだ、夢か。……今、何時だ?」
ピッと、ラジオのスイッチを入れる。
時報の音。
ピッ、ピッ、ピッ、ピーン!
パーソナリティ「こんばんは。木曜日になりました……」
弘平「やべ。寝すぎたか。そろそろ出発しないとな。っと、その前にトイレ、トイレ」
ガチャリとドアを開けて車を出る。
終わり。