■概要
人数：5人以上
時間：5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、シリアス
■キャスト
慎吾（しんご）
あつし
たくや
しずか
隆（たかし）
そのた
■台本
慎吾「あつし、見―っけ！」
あつし「げっ！ くっそー！」
慎吾「これで、全員だな」
場面転換。
慎吾「ふふふ。これで俺の勝ちだ」
しずか「悔しいなぁー」
あつし「まさか、慎吾がここまで凄いと思わなかった」
たくや「俺、結構、隠れるの、自信あったんだけどな」
あつし「なあ、もう一回！ もう一回、勝負だ！」
慎吾「何回やっても同じだぜ！ 速攻で見つけてやるよ！」
たくや「言ったなっ！ んじゃ、今度はもっとすげーとこに隠れてやるよ」
慎吾「いいぜ、その代わり、ちゃんと行ける場所にしろよ」
たくや「わかってるって」
慎吾「それじゃ、いくぞ、いーち、にーい、さーん」
あつし「よし、二人とも！ 今度こそ、見つかるなよ！」
しずか「うん！」
たくや「わかってるって！」
慎吾「よーん、ごー、ろーく」
そこに、数人の歩いて来る足音がする。
男の子１「あれ？ 慎吾？」
慎吾「げっ！」
男の子２「なになに？ また、かくれんぼしてんの？」
慎吾「……そうだよ」
男の子１「あははは。そっか。なんなら、俺たちも一緒にやってやろうか？」
慎吾「いいよ、別に……」
男の子２「お前、そんなんだから、友達できないんだよ」
慎吾「うるさいな。関係ないだろ。邪魔だから、どっか行けよ」
男の子１「はいはい。それじゃな」
男の子２「頑張って、見つけろよ」
二人が立ち去っていく。
慎吾「ったく……。邪魔しやがって。えっと……どこまで数えたっけ？ ……ろーく、なーな、はーち、きゅーう、じゅう！ もういいーかい？」
しずか「もういいよ」
あつし「もういいよ」
たくや「もういいよ」
慎吾「よし！ じゃあ、いくぞ！」
場面転換。
慎吾「しずか、みーつけた！」
しずか「ええ、ここでもダメなの？」
慎吾「ゴミ箱の中って言うのは、なかなか考えたな」
しずか「あーあ、ここなら、見つからないと思ったのになぁ」
場面転換。
慎吾「たくや、見っけ！」
たくや「嘘だろ！ ここでも、見つけられんのかよ？」
慎吾「……まあ、自信あるのはわけるけど、さすがに排水溝の中とかは、もう止めてくれ。マンホール開けるの大変だし、ちょっと臭うし」
あつし「あーあ。ダメかぁ……」
慎吾「これで、全員だから、また、俺の勝ちだな」
しずか「悔しいね」
たくや「なあ、もう一回！ もう一回いいだろ？」
慎吾「んー。でも、そろそろ……」
そこに隆が走って来る。
隆「お兄ちゃん！ お母さんが、そろそろご飯だから、帰ってこいって」
慎吾「そっか。みんな、ごめん。今日はここまでだ」
たくや「えー」
あつし「もう一回くらいいいだろ？」
しずか「ダメだよ！ 迷惑を掛けないって約束で付き合ってもらってるんだから」
あつし「あ、そうだよな……」
たくや「じゃあ、また明日な」
しずか「さよなら」
慎吾「ああ、じゃあな」
隆「……みんな、もう行った？」
慎吾「ああ。よし、俺たちも帰ろうか」
隆「うん」
慎吾と隆が歩いている。
隆「ねえ、お兄ちゃん。今日もかくれんぼしたの？」
慎吾「ああ。あいつら、普段は見つけて貰えないから、見つけて貰えるって言うのが楽しいんだろうな」
隆「ふーん。それで、今日もお兄ちゃんが勝ったの？」
慎吾「もちろんだ」
隆「でも、どうして、お兄ちゃんはそんなにかくれんぼで見つけることができるの？」
慎吾「ああ、お兄ちゃんがな。すごく霊感が強いからだよ」
終わり。