■概要
人数:2人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
啓樹(はるき)
沙奈(さな)
■台本
啓樹「沙奈! 好きだ! 付き合ってくれ!」
沙奈「啓樹くん。私、自分でいうのもなんだけど、結構、キツイ性格してると思うの。それでも、大丈夫?」
啓樹「も、もちろん! それは覚悟の上だ」
沙奈「ふーん。そこまでの覚悟なら、いいわ。付き合ってあげる」
啓樹「いよっしゃー!」
沙奈「ふふ。啓樹はいい人ね」
場面転換。
啓樹「あ、あの……沙奈さん? 質問してもいいですかね?」
沙奈「沙奈でいいわ。あと、敬語も止めてって言ったでしょ?」
啓樹「じゃ、じゃあ、沙奈。えっと、これって……デートだよな?」
沙奈「ええ。もちろんよ」
啓樹「……さっきから、買い物しかしてないんだけど……」
沙奈「あら、デートだと買い物してはいけないの?」
啓樹「いや、そういうわけじゃないけど……」
沙奈「ならいいじゃない」
啓樹「でも、ほら、デートってもっと、お互い、楽しむようなことをするべきじゃないか?」
沙奈「私は楽しいわよ。啓樹は楽しくない?」
啓樹「楽しいも何も、これじゃ、単なる荷物持ちじゃ……」
沙奈「私と一緒にいるのはつまならない?」
啓樹「いや、そんなことはない。沙奈と一緒にいるだけで、楽しいよ」
沙奈「お互い楽しんでるわけね。これなら文句ないわよね」
啓樹「……」
場面転換。
学校のチャイム。
沙奈「ねえ、啓樹。今日、お弁当忘れたの。売店で何か買って来てくれない?」
啓樹「……えっと、こういうのは、普通、手作りのお弁当を2つ持ってきて、一緒に食べるって感じじゃないか?」
沙奈「あら、そう? じゃあ、明日からは啓樹が私の分のお弁当を作ってきてくれるのね。楽しみだわ」
啓樹「あ、いや、そうじゃなくてだな……」
沙奈「料理をするのは女の方。そんな古い考えに固執してるわけじゃないわよね? 私、そういうの、嫌いなの」
啓樹「い、いや。思ってない思ってない。明日からは、2人分の弁当を持ってくるよ」
沙奈「ありがとう。じゃあ、今日の分は売店で買って来てね」
啓樹「これじゃパシリだ……」
沙奈「何言ってるの。その後、一緒にお昼ご飯食べるのよ」
啓樹「た、確かにお昼を食べるのは、付き合ってる感じだけどさ……」
沙奈「でしょ? じゃあ、いってらっしゃい」
啓樹「……」
場面転換。
ピンポーンとインターフォンの音。
啓樹「……」
もう一度、インターフォンを押す啓樹。
ガチャリとドアが開く。
沙奈「おはよう……。ありがとう。起きれたわ。これから準備するから、啓樹は先に、行ってていいわよ」
啓樹「……いや、待ってるよ。一緒に登下校したいし」
沙奈「あらそう。じゃあ、ちょっと待っててね」
ガチャリとドアが閉まる。
啓樹「……これじゃ、目覚ましだよな」
場面転換。
啓樹と沙奈が歩いている。
啓樹「ねえ、沙奈」
沙奈「なに?」
啓樹「僕たちの関係ってなんなんだ? 沙奈は僕のことをどう思っているんだ?」
沙奈「いい人だと思ってるわ」
啓樹「いい人?」
沙奈「荷物持ってくれるし、朝、起こしに来てくれるし、お弁当作って来てくれるし、面白い話をしてくれるからね」
啓樹「それは、都合のいい人だーー!」
沙奈「あら、でも、私は啓樹のこと、好きよ」
啓樹「え?」
ちゅっと頬にキスをする沙奈。
啓樹「あっ……」
沙奈「ふふ。さ、行きましょ。遅刻するわよ」
啓樹「……なんか、ズルい」
終わり。