■概要
人数:3人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
少年1
少年2
少年3
■台本
少年1「はい、はい、はい、はい! 夏と言えば、海!」
少年2「はい、はい、はい、はい! 夏といえば、浜辺!」
少年3「はい、はい、はい、はい! 夏と言えば、水着!」
少年1・2・3「はい、はい、はい、はい! 水着と言えば、ヒ、モ、ビ、キ、ニ!」
少年1・2・3「うおおお!」
吹雪の音。
少年1「あ、また、吹雪、強くなって来たな」
少年2「はあ……。もう雪は飽きたよ」
少年3「夏か……」
少年1「憧れるよなー」
少年2「俺、南国に生まれたかったなー」
少年3「ここは、一年の半分は冬みたいなもんだからなー」
少年1「真夏の海で遊びたいなー」
少年2「いや、まずはナンパじゃね?」
少年3「んなこといって、どうぜ、恥ずかしがってやんねーじゃん」
少年2「バカ言うなよ。すっげーナイスバディのお姉ちゃんがいたら、するって」
少年3「ホントか? お前がナンパしてるところなんて、見たことねーぞ」
少年2「それは……お前、近くにいい女がいねーからだよ。ナンパするに値しないっていうか……」
少年3「いいのか? 雪ちゃんに言うぞ」
少年2「ばっ! 雪江は関係ねーだろ!」
少年1「まあまあ、お前らのラブコメはいいとして」
少年2「ラブコメ言うな」
少年1「イメージしておくのは大事なことだ」
少年3「イメージ?」
少年1「そうだ。実際、夏になったときに、何をするのかイメージできてないと、何をしようか迷って終わる、っていうのがオチだ」
少年2「あれか? 無計画で修学旅行に行ったら、自由時間に何する? って迷って終わるやつみたいな感じか?」
少年1「そうそう」
少年3「それにあれだろ? スポーツ選手がイメージトレーニングして、成功の感覚をつかんでおくみたいな感じだろ?」
少年1「それはちょっと違うな」
少年3「……」
少年2「確かに、お前の言う通りだと思う。俺たちがいきなり夏の海に言ったとしても、結局、何もできない気がするからな」
少年1「そうだろ? 様々なシチュエーションを想定しておく必要があると思うんだ」
少年2「よし!」
少年3「やるか!」
場面転換。
少年1「はあ……はあ…はあ……」
少年2「はあ……はあ…はあ……」
少年3「はあ……はあ…はあ……」
少年1「完璧だ!」
少年2「これで、いつでも、夏の海を満喫できる……」
少年3「ある意味、夏の海は俺達のものだと言っていいんじゃないか?」
少年2「けどよ……」
少年1「なんだ?」
少年3「一つ、大きな問題があることに気づいたんだ」
少年1「だから、なんだよ?」
少年2「俺達、雪童子(ゆきわらし)だよな?」
少年1「そうだな」
少年3「夏に外出たら死ぬんじゃね?」
少年1「……」
少年2「……」
少年3「……」
少年1「……ふっ! ふふふふ!」
少年2「ど、どうしたんだよ?」
少年1「この俺がそんな致命的なミスをすると思ったのか?」
少年2・3「思った」
少年1「……」
少年2「で? 何か策があるのか?」
少年1「……ああ、実は、家の蔵から結界札を見つけた。これと、俺たちの力が合わされば、この危機を乗り越えられる」
少年3「何をするんだ?」
少年1「それは夏になったのお楽しみだ」
場面転換。
セミの鳴き声。
そこに3人の走ってくる足音。
少年1・2・3「うおおおおお! 夏だー」
吹雪の音が鳴り響く。
少年1「よし! 雪合戦やろうぜ!」
少年2「バッカ! かまくら作ろうぜ!」
少年3「ここは雪だるまだろー!」
少年1・2・3「……」
少年2「結界張るっていうのはいいと思うんだ」
少年3「うんうん。夏でも外に出られるしな」
少年2「けど、結界内は冬になるから、俺たちがやってることって、冬と変わらなくね?」
少年1「……大人しく、冬まで寝るか」
少年2・3「そうだな……」
終わり。