【声劇台本】大好きなおばあちゃん

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■概要
人数:3人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、シリアス

■キャスト
少女
男の子1
男の子2

■台本

少女「……」

男の子1「ねえ、おねえちゃん。どうして、おばあちゃんは動かなくなったの?」

少女「おばあちゃんはね、天国に行ったのよ」

男の子2「僕、知ってる! 天国っていいところなんだよね?」

少女「うん、そうね」

男の子1「また、おばあちゃんに会える?」

少女「……そうね。いつか会えるかもね」

男の子1「そっかー。じゃあ、今度、おばあちゃんに会ったら、またお手玉してもらおうっと」

少女「そうね。でも、おばあちゃんに会うためには、天国に行かないといけないのよ」

男の子1「天国にはどうやったら行けるの?」

少女「人に迷惑をかけないこと。……悪い事をしないこと、かな」

男の子2「逆に悪いことをすると地獄に行くんだよね?」

男の子1「地獄はどんなところなの?」

少女「地獄はね、すごい怖いところだよ」

男の子1「ええー! 僕、地獄には行きたくない」

少女「うん。それなら、これからはちゃんとお姉ちゃんの言う事、聞ける?」

男の子1「うん、聞けるー!」

少女「いい子ね」

男の子1「早く、おばあちゃんのところに行きたいなぁー」

少女「でも、あんまり早く行ったらおばあちゃんに怒られちゃうよ」

男の子1「え? そうなの? 怒られるのは嫌だなぁ」

少女「でしょ? だから、もう少し後にしようね」

男の子1「どのくらい?」

少女「んー。200年くらいかな」

男の子1「そっかー」

男の子2「でもさー、お姉ちゃん。おばあちゃんがいなくなったら、僕らはどうなるの?」

少女「大丈夫。おばあちゃんがね、事前に、寄付のお話してくれてるの。そこに行くことになるのよ」

男の子2「……うーん」

少女「どうかした?」

男の子2「暗いところは嫌だなぁ」

少女「ふふ。心配ないわ。ちゃんと明るくて、いいところよ」

男の子2「ホント?」

少女「うん。でも、ちょっと、人がたくさんくる場所だけど」

男の子2「ええー。そうなの? それも嫌だなぁ」

男の子1「僕は平気だよ! 悪戯したら面白いもん」

少女「こーら! 人に悪戯したら、天国に行けないわよ」

男の子1「あ、そっかー。ううー。じゃあ、我慢する」

少女「うん。偉い偉い」

男の子2「でも……。乱暴にされたりしない?」

少女「大丈夫。おばあちゃんみたく、大切にしてくれるよ。もしかしたら、ちょっと直してくれるかも」

男の子2「ホント!? やったぁ!」

少女「さてと。そろそろ、人が来る頃よ。二人とも、ちゃんとおばあちゃんにお別れしなさい」

男の子1・2「はーい!」

男の子1「またね、おばあちゃん。天国で待っててね」

男の子2「天国なら、いっぱい、お話できるよね? おばあちゃんとお話しするの楽しみにしてるね」

バタンと扉が開く音。

少女「あ、来たみたい。それじゃ、みんな。大人しくしててね」

場面転換。

数人の人がフロアを歩く音。

男の子1「うーん。ジロジロ見られるの、くすぐったい感じがする」

少女「我慢我慢、そのうち慣れるよ」

男の子2「蔵にしまわれたり、捨てられたりするよりはいいだろ。明るいし、大事にしてくれるし」

少女「そうね。だから、私たちは、お礼に、この博物館を守っていくの。できる?」

男の子1「うん、できるよ!」

少女「うん。偉い偉い」

少女(N)「……おばあちゃん。今までありがとうございました。おばあちゃんが大切にしてくれたおかげで、今の私たちがいます。これからは、付喪神の力で、博物館を守って行きます」

終わり。

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