■概要
人数:3人
時間:5分程度
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
太一(たいち)
友也(ともや)
教師
■台本
太一(N)「男には負けられない戦いがある。男と男の意地の張り合い。他の人から見たらくだらないと思うかもしれない。でも、これは僕にとっては重要なことなんだ」
太一が走っている。
太一「はあ、はあ、はあ……」
そこに友也が走って来る。
友也「よお、太一、苦しそうだな」
太一「知也こそ、今にも倒れそうな顔してるよ?」
友也「バカ言うな。全然、余裕だっての!」
太一「あっそ。それなら、先に行ったら?」
友也「ふん、お前の苦しそうな顔を見ながらの方が、勝ったときより、楽しいだろ」
太一「あのさ、なんで勝てる気になってるの? 早く行きなよ。あとで、ぶっちぎってあげるからさ」
友也「言ったな! 俺の方こそ、ぶっちぎってやるよ! 絶対追いつけないようにな!」
太一「わかったわかった。早く行きなって」
友也「……お前、そうやって、俺のスピード上げさせて、調子を狂わせる気だろ?」
太一「なんで、そんなことしないといけないのさ? 別に友也が調子を狂わせなくたって、勝てるし」
友也「お前さ、去年のマラソン大会、俺に負けたこと忘れてねーだろうな」
太一「あれは、友也が卑怯な手を使ったからだろ」
友也「卑怯? 卑怯ってなんだよ! あれは戦術だろ」
太一「ふーん。戦術ね……」
太一が友也の足を引っかける。
友也「うわ!」
友也が転ぶ。
太一「うわー、痛そー」
友也「てめえ!」
友也が立ち上がって走って追いつく。
友也「足をひっかけるなんて、卑怯だろ!」
太一「卑怯? 戦術なんじゃなかったの?」
友也「……ああ、そうだな。戦術だ……よっと」
ドンと友也が太一の背中を押す。
太一「うわわ!」
友也「どうしたんだ? 急にバラン崩して」
太一「……とりゃー!」
友也に蹴りを入れる太一。
友也「うわっ! お前、蹴りはさすがに反則だろ」
太一「なにが?」
友也「てめえ! おら!」
太一「うわっ! やったな!」
友也「うお、あぶね!」
場面転換。
太一と友也がヨロヨロになりながら走っている。
太一「はあ、はあ、はあ……」
友也「はあ、はあ、はあ……」
太一「絶対に……勝つ」
友也「絶対に……負けねえ」
太一「はあああああ!」
友也「うおおおおおお!」
スピードを上げる二人。
太一「うりゃああああああ!」
友也「ぬおおおおおおおお!」
走り抜ける二人。
教師「ゴール」
太一「やったーーーーー! 勝った!」
友也「く、くそー!」
太一「やった! やったー! ついに、勝ったんだ!」
友也「……」
太一「やい、雑魚友也。今日から、友也は敗北者ね」
友也「く、くそ……。ちくしょう……。うわーん!」
太一「あはははは。あははははははははー!」
教師「……いや、ビリもブービーもあんまり変わらないだろ」
太一「先生。それを言ったらおしまいだよ!」
終わり。