■概要
人数:2人
時間:3分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、シリアス
■キャスト
父親
子供
■台本
父親「ほら、手を合わせて。ここにお母さんが眠っているんだよ」
子供「うん」
父親「そうだ。この前、先生に褒めらたこと、お母さんに報告したらどうだ?」
子供「うん、そうだね! あのね、お母さん、この前ね、先生のお手伝いしたの! そしたらね、偉いねって言われたんだよ!」
父親「……」
子供「……お父さん、どうしたの? どこか痛いの?」
父親「いや……。ごめんな。お父さん……どうしても……この日は……辛くなっちゃうんだ……」
子供「お母さんが死んじゃった日だから?」
父親「……うん」
子供「……お母さんに会ってみたいなぁ」
父親「……やっぱり、寂しいか? お母さんに会えなくて」
子供「うん……寂しい」
父親「お父さんもな、寂しいんだ。お母さんに会いたい……。どうして……俺を……置いて行ったんだ……」
子供「……お父さん」
父親「何度も受け入れようとしたんだ。でも、どうしてもダメなんだ……。君がいない世界を……生きていける気がしないんだ……」
子供「お父さん!」
子供がガシッと父親にしがみつく。
父親「……」
子供「私ね、お父さんがいないとイヤ!」
父親「……」
子供「お父さんは、お母さんみたく、私を置いて行かないでね。私にはお父さんしかいないんだから」
父親「……ごめん……ごめん。そうだな。お前には、絶対にお父さんと同じ思いはさせないから」
子供「うん……」
父親(N)「俺にとって、君が大切だったように、この子にとって俺は大切な存在なのだ。……生きていこう。この子と二人で。……そして、この子にたくさんの大切な人が出来て、寂しくなくなった、そのときは君に会いに行くよ」
終わり。