■概要
人数:4人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代ファンタジー、コメディ
■キャスト
賢人(けんと)
浩二(こうじ)
洋平(ようへい)
麻衣(まい)
■台本
賢人(N)「僕の名前は賢人。実は異世界からの帰還者なのだ。僕が異世界に行って1ヶ月後くらいに、他の人が魔王を倒したから、僕はそこまで長くは異世界にはいなかったんだけどね。でも、一応、異世界に行ったご褒美で、一つだけスキルを持って元の世界に戻ってきた」
場面転換。
賢人の部屋の中。
外から声が聞こえる。
浩二「おーい、賢人ー! 起きてるかー?」
賢人「あ、浩二君の声だ」
ガラガラと窓を開ける。
賢人「うわ、外、寒っ!」
浩二「あははは。見ろよ、賢人。雪すごいだろ?」
賢人「あ、ホントだ」
浩二「なあ、せっかく雪がすげー積もったから、空き地で遊ばね?」
賢人「うーん……」
浩二「洋平も呼ぶぞ」
賢人「うーん……」
浩二「麻衣ちゃんも呼ぶ」
賢人「いく!」
場面転換。
雪合戦をしている4人。
麻衣「あははははは」
浩二「やったなぁ」
賢人「それ!」
洋平「わっぷっ!」
賢人「僕の勝ちー!」
浩二「ふう。雪合戦もそろそろ疲れたな」
麻衣「そうだねー」
賢人「次、何しよっか?」
洋平「かまくらでも作る?」
麻衣「でも、スコップないよ?」
洋平「あ、そっか」
浩二「なあ、雪だるま作らねーか?」
賢人「えー、地味!」
麻衣「そう? 雪だるま、可愛いと思うけど」
賢人「よし、作ろう!」
浩二「なあ。ただ作るだけじゃ面白くねーから、勝負しねーか?」
洋平「勝負?」
浩二「そ。一番大きな雪だるまを作ったやつが優勝」
麻衣「ええー。それじゃ、私、不利じゃない? おっきいのは作れないよ」
浩二「だから麻衣は賞品役」
麻衣「賞品役?」
浩二「優勝したやつのほっぺにキスするってのはどうだ?」
麻衣「えー。恥ずかしいよー」
浩二「いいじゃんいいじゃん」
麻衣「……まあ、仕方ないからいいよ」
賢人「うおおおおおおお!」
賢人がいきなり雪玉を転がし始める。
浩二「おい! 賢人、フライングするのは卑怯だぞ!」
場面転換。
ゴロゴロと雪玉を転がす賢人。
だが、バコっと雪玉が割れる。
賢人「あ、また割れた」
賢人(N)「雪玉を作ってみて気づいたけど、大きくしすぎると雪玉が割れてしまう。浩二も洋平も、何個も壊れて苦戦している」
賢人「無難な大きさにしようかな? ……ううん駄目だ」
賢人(N)「……ごめん、浩二、洋平。ちょっとズルしちゃう。でも、麻衣ちゃんのキスがかかってるんだ。スキルを使うしかない」
賢人「うおおおおおおおお!」
賢人が大きな雪玉を転がす。
浩二「おおお! すげー!」
洋平「なんで、割れないの!?」
麻衣「すごい、すごい!」
賢人(N)「ごめん、2人とも。僕のスキルは物を引き寄せるって能力なんだ。だから今、僕は雪玉に雪を集めるという能力を発動させてる。だから、大きくても割れないんだ」
賢人「そりゃそりゃそりゃ!」
浩二「でけー!」
洋平「……すごいな」
麻衣「賢人くん、かっこいい!」
賢人「へへへ……。ドンドンいくよー!」
ゴロゴロと転がす賢人。
場面転換。
浩二「……こりゃすげーな」
洋平「こんな雪玉、初めて見た」
賢人「はあ、はあ、はあ、はあ……」
賢人(N)「ふふふふ。これで僕の勝ちだね。麻衣ちゃんのキスは僕のものだ!」
麻衣「ねえ、賢人くん」
賢人「あ、えっと、キスは右頬でお願い」
麻衣「そうじゃなくて……頭の部分はどうやってのせるの?」
賢人「へ?」
終わり。