■概要
人数:2人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
綾斗(あやと) 11歳 小学5年生
和子(わこ) 11歳 小学5年生
■台本
綾斗(N)「和心ちゃんは、いつもボーっとしているようで、時々鋭いことを言う。今日も突然、こんなことを言い出した」
場面転換。
通学路の帰り道。綾斗と和心が歩いている。
和子「ねえ、綾斗。あんたの考えてること、当ててあげようか?」
綾斗「え? なに、急に?」
和子「もしかしたら私、超能力に目覚めたかもしれない」
綾斗「ええ!? 超能力?」
和子「そう。あんたの考えてることがビビッと伝わってきたのよ」
綾斗「ホントに? 気のせいじゃないの?」
和子「だから、実験するの。だから、ほら、協力しなさい」
綾斗「……はいはい」
立ち止まる綾斗と和子。
和子「じゃあ、目を瞑って、考えてみて」
綾斗「何を考えればいいの?」
和子「なんでもいいわよ」
綾斗「……わかった」
綾斗(N)「……お腹空いたなぁ。今日のご飯なんだろ? あ、国語のテストで100点取ったから、ハンバーグ作ってくれるって言ってたっけ。楽しみだなぁ」
和子「来たわ! ビビビッと来た!」
綾斗「ホントに?」
和子「あんた、明日の算数のテスト、やばいなぁって思ったでしょ?」
綾斗「……」
綾斗(N)「全然、外れだ。でも、こういうとき、違うって言ったら、和子ちゃん怒るからなぁ」
綾斗「すごい。正解だよ」
和子「えへへへ。そうでしょそうでしょ」
綾斗「じゃあ、行こうか」
和子「ええ!? もう終わり? 今、当てたんだよ? そこはもう一回とか言うところでしょ!」
綾斗「ああ、そっか。じゃあ、もう一回やる?」
和子「もちろんよ」
綾斗「じゃあ、いくよ。……」
綾斗(N)「テストが終わったら、夏休みかぁ。去年はプールに行けなかったから、今年は行きたいな。……和子ちゃん誘ったら、来るかな?」
和子「来たわ! ビビビッと来た!」
綾斗「ホント? どう?」
和子「夏祭りで焼きそばとかき氷食べたいっておもったでしょ?」
綾斗「……」
綾斗(N)「今回も、全然違う……」
綾斗「すごい。連続正解だよ」
和子「へへへ。どんなもんよ! じゃあ、次」
綾斗「……まだやるの?」
和子「当たり前でしょ。ほら、早く」
綾斗「わかったよ。……」
綾斗(N)「……そっか。夏休みには夏祭りもあるんだった。去年は和子ちゃんと一緒に出店回ってたら、お父さんたちとはぐれて迷ったんだよね。あれは不安で怖かったなぁ」
和子「来たわ! ビビビッと来た!」
綾斗「ホント?」
和子「2年前に行った、遊園地のお化け屋敷のこと、思い出してたでしょ?」
綾斗「……ああ、あれね。全然怖くなかったやつでしょ?」
和子「逆に面白かったくらいだったよね」
綾斗「そうそう。懐かしいなぁ」
和子「で、どう? 合ってた?」
綾斗「……ああ、うん。正解だよ。和子ちゃん凄いなぁ」
和子「えへへへへ。じゃあ、これで最後ね」
綾斗「うん。わかった。……」
綾斗(N)「……やっぱり和子ちゃんとお話してると楽しい。今年もいっぱい和子ちゃんとの思い出を作ろう。……ふふ。和子ちゃんの可愛い姿、いっぱい見たいなぁ」
和子「来たわ! ビビビッと来た!」
綾斗「ホント? なになに?」
和子「私のこと、可愛いって思ったでしょ?」
綾斗「……あー、いや、外れだよ」
和子「ええー、そうなの? 残念……」
綾斗(N)「びっくりした。急に当てるんだもん。恥ずかしくなって、外れって言っちゃった」
和子「あーあ、全問正解は逃したか―」
綾斗「でも、あんなに当たったんだもん、すごいよ」
和子「えへへへ。まあね。綾斗のことはぜーんぶお見通しなんだから」
綾斗(N)「これからも僕は和子ちゃんと一緒にいたい。ううん。一緒にいよう。……大好きだよ、和子ちゃん」
和子「来たわ! ビビビッと来た!」
綾斗「え?」
終わり。