プレゼント

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■概要
人数:3人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
祐輔(ゆうすけ)
母親
朱音(あかね)

■台本

ガチャっとドアが開く音。

祐輔が部屋に入って来て、カバンを放り投げ、ベッドに横になる。

祐輔「はあ……。今日も疲れたな……。あ、そうだ……」

祐輔が立ち上がり、なにかごそごそする音。

祐輔「……あれ? ない? ないぞ! なんで?」

場面転換。

ダダダと廊下を走る音とリビングのドアを開く音。

祐輔「母さん!」

母親「はあ。さっき、おやつ食べたばっかりでしょ。ご飯はもう少し待ちなさい」

祐輔「違う! そうじゃなくて、俺が学校言ってる間に部屋入っただろ?」

母親「え?」

祐輔「勝手に掃除するなって言ってるだろ!」

母親「何言ってるの、あんた。掃除なんてするわけないじゃない。てか、あんたの部屋、いつも通り、汚いじゃない」

祐輔「……あ」

母親「ったく」

祐輔「えーと、その、母さん。その……」

母親「なによ?」

祐輔「……なんでもない」

母親「あ、そういえば、さっき、朱音ちゃんが来てて……」

祐輔「……」

スタスタと歩き出す祐輔。

場面転換。

学校のチャイムの音。

学校の玄関。祐輔が靴を履き替えている。

祐輔「くそー。どうやって、取り返そうかなぁ」

靴を下駄箱に入れようとすると、カサッと紙がすれるような音がする。

祐輔「なんだ?」

中を覗く祐輔。

祐輔「……手紙? え? まさか、ラブレター?」

場面転換。

教室。

祐輔が教室に入って来て、席に座る。

祐輔「……ふふふ」

朱音「おっおはよー!」

バンと背中を叩かれる。

祐輔「うわっ! ビックした! なんだよ、朱音か」

朱音「なにニヤニヤしてるの? まさか、ラブレターもらったとか?」

祐輔「っ! な、何言ってるんだよ。そ、そんなわけねーだろ」

朱音「だよねー。あんたがラブレター貰うなんて、あんたがテストで100点取るくらいあり得ないもんね」

祐輔「……ふっ」

朱音「なに、勝ち誇った顔してるのよ」

祐輔「ふん。まあ、見てろよ」

場面転換。

放課後。

廊下を歩きながら、紙を開く祐輔。

祐輔「どれどれ……。なんて書いてあるかな? えーっと。あなたのことは小さい頃からずーっと、見てました。いつも、あなたのことを考えています」

紙を持つ手がぶるぶると震える。

祐輔「ま、マジか……。えっと、続き続き……。ここで想いを書き綴りたかったのですが、あなたに受け入れてもらえるか、不安です。そこで、あなたへプレゼントを用意しました。きっと、気に入ってくれると思います。……下記の場所に行ってくれませんか」

少しの沈黙。

祐輔「……なんて、恥ずかしがり屋な女の子なんだ。プレゼントっていうのも気になるし、行ってみるか」

場面転換。

紙を見ながら歩いている祐輔。

祐輔「あ、ここだ、ここだ。えーと、この柱の裏に……あ、あった」

張り付けてある手紙を取る。

祐輔「……手紙?」

手紙を開けてみる祐輔。

祐輔「……来てくれたんですね。次はここに行ってください。か。まあ、ここまで来たことだし、行ってみるか」

場面転換。

紙を持って歩く祐輔。

少し、ヨタヨタしている。

祐輔「はあ、はあ、はあ。一体、あと何回繰り返すんだよ……。もう、何回も同じところをグルグルしてるぞ」

立ち止まる祐輔。

祐輔「っと、ここか。……ん? 確かに掘り返した跡があるな。よし、掘ってみるか」

土を掘る祐輔。

祐輔「お? なんか、箱が出てきたぞ。ようやく、プレゼントか」

箱を開ける音。

祐輔「こ、これは……。無くなったはずの、俺のエロ本コレクションじゃねーか! ……ん? なんか、手紙が入ってるぞ」

手紙を開く祐輔。

祐輔「楽しんでくれたかな? 朱音より。……お前が犯人か―!」

終わり。

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