【声劇台本】男女の友情

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■概要
人数:5人
時間:10分程度

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、シリアス

■キャスト
煉(れん)
千絵(ちえ)
その他

■台本

煉と千絵が小学生。

煉「いくぞ、千絵!」

千絵「遅れるんじゃないわよ、煉!」

煉「うおおお!」

千絵「はあああ!」

ガキ大将「うわあああ!」

二人は乱闘騒ぎを起こしている。

場面転換。

煉と千絵が中学生。

煉(N)「千絵とは幼馴染で、腐れ縁で、常に一緒に過ごしてきた。小学生の頃は、二人で喧嘩ばっかりしてて、そこそこ有名だった。考えてみれば、あの時が一番楽しかったかもしれない」

学校のチャイム。

千絵「おーい、煉。帰りにゲーセン寄ってかない?」

煉「あー、うん。そうだなぁ。金ないからパス」

千絵「じゃあ、西中(にしちゅう)行かない?」

煉「西中? なにしにだ?」

千絵「最近、西中を〆てる奴が変わったんだって。ちょっと挨拶しとかない?」

煉「それこそ、パスだ。面倒くさい」

千絵「煉、最近、なんか付き合い悪くない?」

煉「……そんなことないって」

千絵「じゃあ、帰り、どっか寄っていこうよ」

煉「ごめん。なんか今日は疲れたんだ」

千絵「ちぇ! もういいよ」

千絵が歩き去っていく。

煉「……」

煉(N)「ダメだ。どうしても……。気にしないようにしようと思っても、気にしちまう」

場面転換。

煉が歩いている。

そこに千絵が走って来る。

千絵「おーっす! おはよ、煉」

煉「あ、ああ。おはよ」

千絵「なんか、朝からテンション低いね」

煉「お前が高すぎるんだよ」

千絵「はあー。最近は煉となんか、合わないよね。前まではあんなに息、ピッタリだったのに」

煉「……」

千絵「なんか、私のこと避けてない?」

煉「そ、そんなことねえよ」

千絵「ま、いいや。煉の代わりに、昇司がいるから」

煉「昇司? 誰だよ?」

千絵「ああ、ゲーセンで意気投合したの。面白い奴でさ」

煉「な、仲いいのか?」

千絵「今、意気投合って言ったばかりだけど」

煉「……も、もしかして、千絵、そいつのこと好きなのか?」

千絵「好き? あー、んー。好きかな」

煉「そいつと、付き合ってるのか?」

千絵「付き合うって?」

煉「いや、だから、その……男と女の関係って言うか……」

千絵「は? あははは。ないない。友達として好きってだけ」

煉「あのさ、俺は?」

千絵「煉? 煉も友達として好きかな」

煉「……そっか。千絵はさ、異性として付き合うとか考えたことある?」

千絵「あー、うん。まあ、私も女だからね」

煉「そっか……」

千絵「でも、周りにはそういう男はいないかな」

煉「……千絵はさ、男女の友情ってなりたつと思うか?」

千絵「成り立つかって……実際、成り立ってるでしょ。私と煉とで」

煉「そ、そっか。そうだよな。俺達、友達だもんな」

千絵「……変な煉」

場面転換。

煉(N)「そう……。割り切ればいい。千絵とは友達。男女の友情は成り立つ。この先も、千絵とは友達として付き合っていけばいい。気にするのは止めだ」

場面転換。

男子生徒「煉くん! 千絵さんが、危ない! 助けに来てくれ」

煉「どういうことだ?」

男子生徒「千絵さん、西中を〆た奴に喧嘩売りに行って……。で、相手が大勢仲間連れてきやがって……」

煉「どこだ? すぐに連れていけ」

場面転換。

千絵「くそ……。タイマンじゃないのかよ?」

不良1「あ? タイマンなんてダルイ事やってられるかよ」

千絵「最低だな」

不良1「うっせー。おら、お前らやれ!」

不良2「うおおおお!」

千絵「ちっ!」

煉「うおおおお!」

不良2「ぐあ!」

煉が不良2を殴る。

千絵「煉!」

煉「ったく、なにやってんだよ。喧嘩するなら、二人で、だろ?」

千絵「お前、誘っても来なかったじゃん」

煉「まあ、いいや。いくぜ、千絵」

千絵「遅れるんじゃないわよ、煉!」

煉「うおおおお!」

千絵「はああああ!」

場面転換。

不良1「く、くそ……」

煉「はあ、はあ、はあ……勝った」

千絵「やっぱ、煉は強いね」

煉「当然だろ。けど、お前が隣にいるからだ。これからも、二人で暴れまわろうぜ」

千絵「……う、うん」

場面転換。

千絵が歩いている。

そこに煉が走ってくる。

煉「よお、千絵。帰りにゲーセン寄ってこーぜ」

千絵「え? あ、あー。今日は止めとく」

煉「あれ? そうか。じゃあ、今度は東中に喧嘩しに行くか」

千絵「あー、いや、うん。今日は止めとく」

煉「そ、そうか……。じゃあ、帰り、どっか寄って遊んで行かね?」

千絵「……止めとく。今日は疲れたから」

千絵が歩き去っていく。

煉「……なんだよ。せっかく、割り切ろうって思って、誘ってるのに」

場面転換。

千絵が歩いているところに煉が走って来る。

煉「千絵、おはよう」

千絵「お、おはよう」

煉「……なんか、最近、千絵、俺に冷たくないか?」

千絵「そ、そんなことないよ」

煉「ふうん……」

千絵「ね、ねえ、煉。煉は男女の友情って成り立つと思う?」

煉「……は?」

終わり。

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