欲望を満たすために

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■概要
人数:2人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
遊星(ゆうせい)
悠人(はると)

■台本

ファーストフード店。

遊星「……おっぱいが揉みたい」

悠人「お巡りさん、こっちですー」

遊星「ちょ、待てよ!」

悠人「待つのはお前だよ。今は、テロで同行者も捕まる時代だぞ」

遊星「いや、それは撮影者だろ。それに俺は気持ちを素直に言っただけで、テロなんかじゃない」

悠人「……十分、炎上しそうな発言だろ」

遊星「んなこと言っても、お前だって揉みたいだろ? おっぱい」

悠人「あのな。思ってても、口に出すなって話だ」

遊星「ちっ! 生きづらい世界だぜ」

悠人「お前が生きやすい世界はカオスだよ」

遊星「それはそうと、どうしたらいいと思う?」

悠人「それはそうとで流すなよ。それに、なんで、俺が協力する前提で話してるんだ」

遊星「いい子ぶるなって。お前だってホントは揉みたいんだろ?」

悠人「まあ、そりゃ……」

遊星「なら、必死に考えろよ! どうやったら揉めるのかを!」

悠人「……なんで、俺が切れられてるんだ?」

遊星「うーん。片っ端から、揉ませてくださいって頼むってのはどうだ? 100人に頼めば、一人くらいは揉ませてくれるんじゃないか?」

悠人「その前に捕まるだろ」

遊星「くそ。ダメか」

悠人「てかさ、そんなの簡単だろ」

遊星「なんだ!?」

悠人「彼女つくりゃいいじゃん」

遊星「それができねーから、必死で考えてんじゃねーかよ!」

悠人「……なんで、俺が切れられるんだよ?」

遊星「はー。そんなまともな意見しか出て来ないお前にガッカリだよ」

悠人「俺は、そんな考え方をするお前にガッカリだ」

遊星「……ちょっと待てよ。発想を逆にすればいいんじゃねーのか?」

悠人「逆? 逆ってなんだよ?」

遊星「こっちから頼むから捕まるんだよ。だから、頼まれればいいんじゃねーか?」

悠人「……そんな女いるわけねーだろ」

遊星「ふっふっふ。いるんだな、それが」

悠人「頭の中に?」

遊星「妄想じゃねーよ!」

悠人「じゃあ、どこにいるってんだ、そんな変態」

遊星「……」

遊星がスマホを操作する。

遊星「これだ!」

悠人「……ユーチューバー?」

遊星「フリーおっぱいだ」

悠人「うおおおおお!」

遊星「どうだ? 行くか?」

既に悠人がダッシュしている。

悠人「おい、何してんだ、早くいくぞ!」

遊星「待てって!」

場面転換。

町中を走る遊星。

遊星「はあ、はあ、はあ……。くそ。いないな」

そのとき、スマホに着信が入る。

遊星「もしもし、どうだ? そっちは? ……え? 目撃者がいた? どこだ? すぐにそっちに行く!」

場面転換。

遊星が走ってくる。

遊星「おーい!」

悠人「お、来たか! こっちだ!」

遊星が駆け寄ってきて。

遊星「で、そのユーチューバー、どこだ?」

悠人「……あそこ」

遊星「……警察官じゃねーか」

悠人「違う。その横」

遊星「……あ、連れて行かれたぞ」

悠人「はあ……。そりゃ、まあ、逮捕されるよな」

遊星「……頼まれるのもダメか」

悠人「そうそう上手くなんかいかねーよ。諦めようぜ」

遊星「まだだ! まだ諦めんよ!」

場面転換。

遊星「……どうだ?」

悠人「んー。なんか、違うと思うぞ」

遊星「……だよな」

悠人「……ゴムの感触しかしねえ」

遊星「水風船じゃ代用にならないか」

場面転換。

必死に自転車を漕ぐ遊星と悠人。

遊星「うおおおおお!」

悠人「おおおおおお!」

遊星「よし、いいスピードだ! じゃあ、手を出すぞ」

悠人「おう!」

遊星「……」

悠人「……」

遊星「違うな」

悠人「全然だめだな」

自転車を止める遊星と悠人。

悠人「大体、自転車で走ってるときの風圧が近いって誰がいったんだ?」

遊星「さあ? まったく、感触ないよな?」

悠人「ないな」

遊星「くそ!」

悠人「もう諦めた方がいいんじゃねーの?」

遊星「もう少しなんだ。もう少しで何かいい案が出そうなんだよ」

悠人「いい案っていうより、くだらない案の気がするけどな」

遊星「ちょっと待ってくれ。発想を逆にすればいいんじゃねーか?」

悠人「またか。次は何を逆にするんだ?」

遊星「異性に頼むから捕まるんだよ」

悠人「……え?」

場面転換。

おっぱいを揉む遊星。

遊星「これだ! 本物のおっぱいだ! うおおおお!」

悠人「……」

遊星「ふう……。どうだ? お前も揉むか?」

悠人「いや、いい」

遊星「そっか。じゃあ、俺は遠慮なく」

おっぱいを揉みしだく遊星。

遊星「おおお!」

悠人「なあ」

遊星「なんだよ?」

悠人「男のおっぱい揉んで、楽しいか?」

遊星「……楽しくない」

悠人「だろ?」

遊星「うう……くそ。俺はどうすればいいんだ?」

悠人「いっそ、逆に考えたらどうだ?」

遊星「逆って?」

悠人「お前が女になるとか」

遊星「おおおおおお! ナイスアイディアだ! よし、さっそく……」

遊星が走り出す。

悠人「おい、バカ! 冗談だっての!」

慌てて悠人が遊星を追いかける。

終わり。

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