【声劇台本】ピンキリ

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■概要
人数:4人
時間5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
鉄也(てつや)
高橋(たかはし)
翔子(しょうこ)
老人

■台本

鉄也(N)「結び屋。それは、好きな人とお付き合いできるように裏から支援してくれる幻と言われる組織だ。噂を辿り、ようやく見つけることができた」

鉄也「お願いします。どうしても、諦めきれなくて……」

高橋「……わかりました。小波渡翔子さんという方と、何とかお付き合いしたいと」

鉄也「はい……」

高橋「では、結び屋に対して、正式な依頼ということで、いいですね」

鉄也「はい」

高橋「次に金額のお話をしましょう。どのエージェントにしますか?」

鉄也「やっぱり、選ぶエージェントによって差はあるのでしょうか?」

高橋「ええ。もちろんです。エージェントの実力も金額もピンキリです」

鉄也「えっと……その……僕は本気なのですが、お金の方もたくさんあるわけではなく……」

高橋「わかります。ですが、我々のエージェントの実力は高いと言っておきます。最低限は保証しますよ」

鉄也「で、では……その……一番下の人でお願いできますか?」

高橋「わかりました。では、一番下のエージェントですね」

鉄也「お、お願いします」

高橋「これから1週間以内に、お相手の小波渡翔子さんから何かしらコンタクトがあるでしょう。お楽しみに」

鉄也「は、はい!」

場面展開。

鉄也「あ、あの……翔子さん?」

翔子「鉄也くん……。ちょっと、気持ち悪いんだけど……」

鉄也「え? あっ!」

翔子「……それじゃ」

スタスタと歩き去って行く。

場面転換。

鉄也「あ、あの……。ダメだったのですが」

高橋「あー、いや、そうですか。さすがに一番下のエージェントには肩の荷が重かったようですね。それほど、小波渡翔子さんという女性は手強いと言うことですね」

鉄也「……ここから挽回できるものなんですか?」

高橋「そうですね……。もう少し、上のランクのエージェントにしませんか?」

鉄也「わかりました……。では、真ん中くらいの実力のエージェントでお願いします」

高橋「わかりました。……では、今度こそ、1週間以内に、小波渡翔子さんから、好意的なリアクションが来るでしょう。楽しみにしておいてください」

鉄也「よろしくお願いいたします」

場面転換。

鉄也「あ、あの……翔子さん?」

翔子「鉄也くん。もう、話しかけてこないでね」

鉄也「そ、そんな! 翔子さん!」

スタスタと去っていく翔子。

場面転換。

鉄也「あの……嫌われてしまったのですが」

高橋「わかりました。最高のエージェントを出しましょう。大丈夫です! 金額はかなり割引しましょう」

鉄也「いや、もう、無理じゃないですかね?」

高橋「ふふふふ。問題ありません。うちの最高のエージェントの実力はそれはもう、物凄い物です。ここからの逆転劇……。きっと驚かれると思いますよ」

鉄也「わ、わかりました。よろしくお願いいたします!」

場面転換。

鉄也「あ、あの……翔子さん?」

翔子「最低!」

パチンと頬を叩かれる音。

翔子「二度と話しかけないで! っていうより、視線にも入らないで!」

鉄也「……」

翔子がスタスタと歩き去っていく。

場面転換。

鉄也「ちょっと! どういうこと……あれ? え?」

老人「ん? 若いの、どうかしたのかい?」

鉄也「あの、ここに入っていた会社は……?」

老人「ああ。昨日、逃げるようにいなくなっちまったよ。ったく、家賃も踏み倒しおって!」

鉄也「……」

鉄也(N)「結び屋。それは、好きな人とお付き合いできるように裏から支援してくれる幻と言われる組織だ。……なるほど。幻と言われるのもわかる気がする。エージェントはキリしかいないのだから。こうやって、各地を逃げ回っているのだろう。幻と言われるわけだ……」

終わり。

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