【声劇台本】西田家の受難 日本男児

〈前の10枚シナリオへ〉   〈次の10枚シナリオへ〉

〈声劇用の台本一覧へ〉

■概要
人数:2人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
西田 正志(にしだ まさし)
高坂  陽菜(こうさか あきな)

■台本

正志「……」

アニメを見ている正志。

侍同士が刀で打ち合う音。

そして、ザシュっと斬りふせる音。

十三「正義は拙者の手にあるでござる!」

場面転換。

正志「正義は拙者の手にあるでござる!」

陽菜「……あのさ、ハマり過ぎじゃない?」

正志「陽菜が進めてくれたんだろ、あのアニメ。いやー、いいよなー。ジャスティス侍。カッコいいよなー」

陽菜「まあ、面白いけどさー」

正志「やっぱりさ、日本人たるもの、あんな風でいるべきだよな」

陽菜「あんな風に?」

正志「日本男児っていうかな、とにかく、和風って感じ」

陽菜「う、うーん。まあ、格好いいけどね」

正志「俺さ、完璧な日本男児を目指す!」

陽菜「……」

場面転換。

学校のチャイム。

陽菜「……正志、何してるの?」

正志「なにって、瞑想」

陽菜「お昼ご飯食べないの?」

正志「武士は食わねどた……たか……」

陽菜「高楊枝?」

正志「そうそう、それそれ」

陽菜「それって、食べ物に釣られないって話じゃなかったっけ?」

正志「え? 飯を食べないってことじゃないの?」

陽菜「うん……」

正志「なーんだ。じゃあ、食べようっと」

ガサガサと弁当を出して、蓋を開ける。

正志「……あ」

陽菜「……日の丸弁当?」

正志「母さんに、日本男児用のお弁を頼んだんだけどな……」

陽菜「ああ……。なるほどね。確かに、日本男児っぽいね」

正志「くっ! そうなのか。じゃあ、文句を言わないで食べないな」

ガツガツと食べる正志。

場面転換。

正志と陽菜が並んで歩く。

陽菜「……正志」

正志「なんでござるか?」

陽菜「ござる!?」

正志「ふふ。言葉遣いも日本男児にならないといけないでござるからな」

陽菜「……も、もしかして、その髪型、ちょんまげ?」

正志「おお! よくわかったでござるな」

陽菜「いや、それ、ちょんまげっていうより、パイナップルっぽくない?」

正志「そうでござるか? じゃあ、髪をそった方がよいでござるか?」

陽菜「止めて! まだ、その髪型のほうがマシ! 取り返しのつかないことはしないで!」

正志「お、おお! わかったでござるよ!」

場面転換。

陽菜「ま、正志……。そ、それって」

正志「ふんどしでござる! どうでござるか? 似合うでござるか?」

陽菜「ちょ、ちょっちょっちょ! 目、目のやり場に困るんだけど……」

正志「あ、すまんでござる。何かきるでござるな」

陽菜「ああ、いや。別にそのままでいいけど……」

場面転換。

正志「おお! 見てくれ、陽菜! ジャスティス侍フェアでござるよ!」

陽菜「あ、ホントだ」

正志「陽菜、俺はこのフェアで完全な日本男児になって見せるでござるよ!」

陽菜「う、うん。今の言葉遣いはパチモンっぽいもんね……」

場面転換。

ガヤガヤと騒がしい。

正志「うおおおお! ジャスティス侍だらけだ!」

陽菜「どこから回る? グッズ買う?」

正志「まずは腹ごしらえするでござるよ!」

陽菜「そうだね。何か食べようか。何にする?」

正志「ふふふふ。ここには俺の好物の出店が多いでござるよ! たくさん食べるでござるよ!」

陽菜「うん」

正志「まずは、ラーメン! そして、ハンバーグ! そして、スパゲティ!」

陽菜「全部、日本の料理じゃないんだけど……」

終わり。

〈前の10枚シナリオへ〉   〈次の10枚シナリオへ〉