【声劇台本】君の隣に

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■概要
人数:3人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、学園、ラブストーリー

■キャスト
紬(つむぎ)
優馬(ゆうま)
藍(あおい)

■台本

紬「よし! 出来た! って、ちょっと味見を……うん! バッチリ! 美味しい!」

場面転換。

コンコンとドアをノックする音。

優馬「ん? 紬? 開いてるよ」

ガチャリとドアが開き、紬が入ってくる。

紬「優くん。はい、これバレンタインのチョコレート!」

優馬「ありがとう。後で食べさせてもらうよ」

紬「……あ、ごめんね。勉強中だった?」

優馬「ああ。でも、ちょうど休憩しようと思ってたんだ」

紬「ホント? じゃあ、少しお話してっていいかな?」

優馬「うん。もちろん」

紬「へへへ。優くん、大好き!」

場面転換。

学校の教室。

紬「でね、11時くらいまで、ずーっとお話してたんだー」

藍「はいはい。ご馳走様」

紬「何よ、藍。真剣に聞いてよ!」

藍「あのねえ。他人のノロケ話ほど、つまらないっていうか、むかつくことはないのよ」

紬「べ、別にー。ノロケってわけじゃなくってー」

藍「照れながら否定しても逆効果だから。てかさ、紬。大丈夫なの?」

紬「なにが?」

藍「そりゃ、優馬くんとあんたは、学園内でも有名なバカップルだよ」

紬「バカップルって……」

藍「でもさ、ホントに優馬くんって、あんたのこと好きなの?」

紬「な、何言ってんの!? ラブラブだよ! 昨日だって、夜遅くまでずっと話してたんだよ!」

藍「優馬くんは優しいからね。押しかけて来たあんたを追い返すことをしなかっただけで、あんたがマシンガントークしてただけなんじゃないの?」

紬「そ、そりゃ、私が話してることは多かったかもしれないけど……でも、優くんはあたしのこと、好きって言ってくれるよ」

藍「口では何とでも言えるでしょ」

紬「……そんな」

藍「あのね、紬。これは親友だから、あえて忠告させてもらうよ。あんた、優馬くんの優しさに甘えてない?」

紬「え?」

藍「優馬くん、最近、女子の中じゃかなり人気が上がって来てるんだよ」

紬「えへへへ。そりゃ、優くんは素敵だもん!」

バンと机を叩く藍。

藍「真面目に聞いて!」

紬「え? あ、うん」

藍「優馬くん、ここ一年で成績もグンと上がったし、運動だって万能じゃない。それに生徒会にも入って活躍してる」

紬「う、うん……」

藍「それに何といっても、イケメン。こんだけ、高性能な男子を、女子が放っておくわけないでしょ」

紬「でも、優くんと私は付き合ってるんだよ」

藍「そう。だから、他の女の子は告白とかできない。けどね、もし、あんたと別れたとなったら、一気に狙ってた女子が殺到するわ」

紬「別れたりなんかしないよ!」

藍「そりゃ、あんただけの気持ちでしょ? 優馬くんはどう思ってるかわからないじゃない」

紬「……そ、そんなこと」

藍「冷静に考えてみて。あんた、成績は下から数えた方が早いし、運動だってできない。それに最近、太ってきてる」

紬「こ、これは……バレンタインのチョコの研究で……」

藍「確かにチョコレートを渡すのはポイント高いと思うよ。でも、あんたの女としての魅力が一年間で下がってきてる」

紬「……」

藍「はっきり言って、優馬くんに告白する前のあんたはもっと、身だしなみにだって気を張ってたし、女の子として魅力的だった。今のあんたは、優馬くんが好きって言ってくれるから安心仕切ってるでしょ」

紬「……」

藍「もし、他に優馬くんに好きな人が出来たりしたらどうするの?」

紬「そ、それは……」

藍「よく考えて。今のあんた、優馬くんの隣に、胸を張っていられるの?」

紬「……」

場面転換。

紬の部屋。

紬「もし、優くんに別の好きな人が出来たら……か。……いや、そんなの嫌。う、うう……嫌だよ。私、ずっと優くんの隣にいたいよぉ……」

場面転換。

紬が走っている。

紬「はっ! はっ! はっ! ひぃ。体力、凄く落ちてるなぁ……」

場面転換。

カリカリと勉強している紬。

紬「えっと……ここの方程式は……ううー全然、わからない……」

そのとき、グーっと腹が鳴る。

紬「お腹が減って、頭が回らない……。何か甘い物でも……って、ダメダメ! せっかく体重が落ちてきてるのに……」

場面転換。

書店。紬が本をペラペラとめくっている。

紬「えっと、今年の流行りのコーデは……」

優馬「あれ? 紬? 本屋にいるなんて珍しいね」

紬「あ、うん。ちょっとね。優くんは……参考書でも買いに来た、とか?」

優馬「うん。さすが紬。その通りだよ」

紬「……相変わらず、優くんは凄いね」

優馬「ん? なにが? ……それより、紬、最近、頑張ってるみたいだね」

紬「え?」

優馬「成績だって上がったみたいだし、苦手な運動も頑張ってるって先生褒めてたよ」

紬「え、えへへ」

優馬「でも、なんか無理してない?」

紬「え?」

優馬「何か思いつめてない? 最近、ずっと家にも来ないし……。何かあったの?」

紬「う、ううん。何でもないよ」

優馬「顔色も悪いし。ちゃんと食べてる?」

紬「大丈夫だよ! 最近、ちょっと寝不足なだけだから。あ、もうこんな時間。私、帰るね」

優馬「あ、せっかくだから一緒に帰ろう」

紬「ごめん。急いでるんだ!」

紬が走り出す。

場面転換。

ジョギングする紬。

紬「はっ! はっ! はっ! 優くん。私、頑張るからね。優くんに相応しい女の子に……」

フラフラと千鳥足になる紬。

紬「あれ……? 目の前が真っ暗に」

ドサっと倒れる紬。

場面転換。

紬「……あれ? ここ……病院?」

優馬「紬! よかった……目を覚ましたね」

紬「優くん……。私……」

優馬「倒れたのを見てた人が救急車を呼んでくれたんだ。……貧血だって。無茶なダイエットしてたんじゃないかって。それに寝不足と疲労もあるって」

紬「……」

優馬「どうしてこんな無茶をしたの?」

紬「優くん……。私ね……」

ぽろぽろと泣き始める紬。

紬「優くんの隣にずっといたい。優くんが大好きだから。優くんに捨てられたくないから……頑張ろうって……うう」

優馬「……紬」

紬「でも、頑張っても頑張っても……優くんに追いつけなくて……。このままじゃ、優くんの隣にいられないよ」

ガバッと紬を抱きしめる優馬。

紬「優くん?」

優馬「僕は紬のことが大好きだ」

紬「え?」

優馬「紬の隣に胸を張って立てるように、紬にずっと好きでいてもらいたくて……それで、ずっと頑張ってたんだ」

紬「……じゃあ、私と同じ……?」

優馬「うん。だから、僕の隣にいられないんて言わないでくれ。僕は紬の隣にずっといたいんだ」

紬「……優くん」

紬(N)「優くんは、私が思うよりも、ずっと私を好きでいてくれてた。それなのに、私……優くんを信じきれてなかったんだ」

場面転換。

学校の廊下を歩く紬。後ろから優馬がやってくる。

優馬「紬、一緒に帰ろう」

紬「うん」

優馬「そうだ。帰りに駅前のケーキ屋さんに寄って行かない?」

紬「ううん。真っすぐ帰って、勉強しないと」

優馬「え? 紬……。でも」

紬「うん。約束通り、もう無理はしないよ。でもね、優くんにずっと好きでいてもらうための努力は続けたいの」

優馬「そっか……」

紬「だから、私の家で一緒に勉強しよ」

優馬「うん」

紬(N)「私はこの先もずっと努力を続けていく。胸を張って優くんを好きと言えるように。そして、胸を張って優くんに好きと言ってもらえるように」

終わり。

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