俺はもうダメかもしれない

〈前の10枚シナリオへ〉   〈次の10枚シナリオへ〉 

〈声劇用の台本一覧へ〉

■概要
人数:2人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
颯人(はやと) 21歳
孝弘(たかひろ) 21歳

■台本

ジリジリと夏の暑い日差しが部屋に差し込んでくる。

颯人「……暑い。くそ、エアコンをつけるか? えーっと、リモコン、リモコンっと」

リモコンを手に取る颯人。

颯人「……」

颯人(N)「いや、ダメだ。今月はガチャをやり過ぎたから、金がない。電気代が高い今、安易にエアコンを使うわけにはいかん」

リモコンを床に置く。

颯人「……気合いだ。暑くないと思えば、暑くない! 心頭滅却すれば火もまた涼しだ! ふはははははは! 涼しい涼しい!」

ジリジリと夏の暑い日差しが部屋に差し込んでくる。

颯人「……うう」

ジリジリと日差しが差し込む音。

颯人「ぐああああああ! 暑い暑い暑い! なんなんだよ、この暑さは!? ヤバすぎるだろ!」

颯人(N)「汗の量が半端ない。どうする? このまま我慢すれば、体に悪いだろ。これで倒れて病院なんかに行くことになったら、返って金がかかるんじゃないか? そうだよ。こんなのは、天井間際でガチャを止めるのと同じだ。多少は金がかかるが、その先には天国が待っている! ここで引いてどうする!? いけ、ゴー!」

颯人「うおおおおおお!」

床のリモコンを手に取り、ピッと電源を入れる。
同時に風が出てくる音。

颯人「あー。涼しく……ないだとっ!?」

颯人(N)「バカな! どういうことだ? ……はっ!? そうか! 部屋の中が暑すぎて、まだ涼しさを感じないだけだなんだな!? このエアコン、結構、古いしな。ふん、驚かせやがって」

ゴロンと寝転がる颯人。

颯人「まあ、そのうち、涼しくなるだろ」

場面転換。
ジリジリと日差しが差し込む音とエアコンから風が流れる音。

颯人(N)「おかしい。全然涼しくならない。……もう少し温度を下げるか? いや、ダメだ。これ以上、電気代を上げるわけにはいかない」

颯人「我慢だ我慢。エアコンはついてるんだから、絶対、涼しくなるって」

場面転換。
ジリジリと日差しが差し込む音とエアコンから風が流れる音。

颯人「はあ、はあ、はあ……。くそ。眩暈がしてきた。さすがに耐えられん。もう少し風を強くするか」

ピッピッピとボタンを押す音。
エアコンから出る風が強くなる。

颯人(N)「これで涼しくなるはずだ……」

場面転換。
ジリジリと日差しが差し込む音とエアコンから風が流れる音。

颯人「うそ……だろ?」

颯人(N)「なぜだ? あんなに温度を下げたのに。……はっ! まさか、エアコンの温度を下げる以上に、温度が上がってるとかか? こ、これが地球温暖化ってやつなのか……? やべぇな、地球温暖化」

颯人「……ふっふっふ。舐めるなよ、地球。貴様が暑くなる以上に、温度を下げてやるぜ! うおおおお!」

リモコンを手に取り、ピッピッピッピとボタンを押す。

颯人「ふう。これで、さすがに涼しくなるはず」

場面転換。
ジリジリと日差しが差し込む音とエアコンから風が流れる音。

颯人(N)「はあ、はあ、はあ……。も、もうダメだ。ここまでエアコンを強くしているのに、それ以上に、俺の体温が上がっているんだ。くそ、俺は彼女もできずにこのまま死んでいくのか……。こんなことなら、ガチャをもう1天井しておくんだった……」

そのとき、ガチャリとドアが開く。

孝弘「おーっす、一緒に、アイスでも食わね? って、おい、どうした!?」
颯人「もう俺は……ダメかもしれない」
孝弘「って、うぉ! なんだ、この部屋。異常に暑いな。ケチらないで、エアコン入れろよ。死ぬぞ」
颯人「……入れてるんだよ」
孝弘「いやいや。入れてこれはないって……」

孝弘がリモコンを拾う。

孝弘「……お前、ドMなのか?」
颯人「……そうだが、それがどうした?」
孝弘「うーん。ドMにしたって、これはないだろ……。こんなの楽しいか?」
颯人「何の話だ?」
孝弘「エアコン、暖房になってるぞ」
颯人「……へ?」

終わり。

〈前の10枚シナリオへ〉   〈次の10枚シナリオへ〉