【声劇台本】大好きなおばあちゃん
- 2021.12.12
- ボイスドラマ(10分)
■概要
人数:3人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、シリアス
■キャスト
少女
男の子1
男の子2
■台本
少女「……」
男の子1「ねえ、おねえちゃん。どうして、おばあちゃんは動かなくなったの?」
少女「おばあちゃんはね、天国に行ったのよ」
男の子2「僕、知ってる! 天国っていいところなんだよね?」
少女「うん、そうね」
男の子1「また、おばあちゃんに会える?」
少女「……そうね。いつか会えるかもね」
男の子1「そっかー。じゃあ、今度、おばあちゃんに会ったら、またお手玉してもらおうっと」
少女「そうね。でも、おばあちゃんに会うためには、天国に行かないといけないのよ」
男の子1「天国にはどうやったら行けるの?」
少女「人に迷惑をかけないこと。……悪い事をしないこと、かな」
男の子2「逆に悪いことをすると地獄に行くんだよね?」
男の子1「地獄はどんなところなの?」
少女「地獄はね、すごい怖いところだよ」
男の子1「ええー! 僕、地獄には行きたくない」
少女「うん。それなら、これからはちゃんとお姉ちゃんの言う事、聞ける?」
男の子1「うん、聞けるー!」
少女「いい子ね」
男の子1「早く、おばあちゃんのところに行きたいなぁー」
少女「でも、あんまり早く行ったらおばあちゃんに怒られちゃうよ」
男の子1「え? そうなの? 怒られるのは嫌だなぁ」
少女「でしょ? だから、もう少し後にしようね」
男の子1「どのくらい?」
少女「んー。200年くらいかな」
男の子1「そっかー」
男の子2「でもさー、お姉ちゃん。おばあちゃんがいなくなったら、僕らはどうなるの?」
少女「大丈夫。おばあちゃんがね、事前に、寄付のお話してくれてるの。そこに行くことになるのよ」
男の子2「……うーん」
少女「どうかした?」
男の子2「暗いところは嫌だなぁ」
少女「ふふ。心配ないわ。ちゃんと明るくて、いいところよ」
男の子2「ホント?」
少女「うん。でも、ちょっと、人がたくさんくる場所だけど」
男の子2「ええー。そうなの? それも嫌だなぁ」
男の子1「僕は平気だよ! 悪戯したら面白いもん」
少女「こーら! 人に悪戯したら、天国に行けないわよ」
男の子1「あ、そっかー。ううー。じゃあ、我慢する」
少女「うん。偉い偉い」
男の子2「でも……。乱暴にされたりしない?」
少女「大丈夫。おばあちゃんみたく、大切にしてくれるよ。もしかしたら、ちょっと直してくれるかも」
男の子2「ホント!? やったぁ!」
少女「さてと。そろそろ、人が来る頃よ。二人とも、ちゃんとおばあちゃんにお別れしなさい」
男の子1・2「はーい!」
男の子1「またね、おばあちゃん。天国で待っててね」
男の子2「天国なら、いっぱい、お話できるよね? おばあちゃんとお話しするの楽しみにしてるね」
バタンと扉が開く音。
少女「あ、来たみたい。それじゃ、みんな。大人しくしててね」
場面転換。
数人の人がフロアを歩く音。
男の子1「うーん。ジロジロ見られるの、くすぐったい感じがする」
少女「我慢我慢、そのうち慣れるよ」
男の子2「蔵にしまわれたり、捨てられたりするよりはいいだろ。明るいし、大事にしてくれるし」
少女「そうね。だから、私たちは、お礼に、この博物館を守っていくの。できる?」
男の子1「うん、できるよ!」
少女「うん。偉い偉い」
少女(N)「……おばあちゃん。今までありがとうございました。おばあちゃんが大切にしてくれたおかげで、今の私たちがいます。これからは、付喪神の力で、博物館を守って行きます」
終わり。
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