【フリー台本】五月病

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■概要
人数:2人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
皐月(さつき)
弥生(やよい)

■台本

皐月(N)「ゴールデンウィークという大型連休。休みが続くと、ついつい、生活リズムが崩れ、ダラケてしまう。そして、いざ、学校が始まってしまうと、急にやる気がなくなってしまったり、体調不良になってしまう。それを、世間では五月病と呼ぶらしい」

場面転換。

セミの鳴き声。

学校の教室。

皐月「ふわー……」

弥生「皐月、随分と眠そうね」

皐月「あー……。昨日、ずっと眠れなくてさ」

弥生「授業中、ずっと寝てるからじゃない?」

皐月「んー。けど、この眠気には逆らえないからな……」

弥生「昨日は、何時まで寝れなかったの?」

皐月「5時くらいかな」

弥生「ええ! それって、もう朝じゃない」

皐月「ああ。外が明るくて、さすがにヤバいと思って、布団に入った」

弥生「ん? 布団に入ったって……。それまで布団に入ってなかったの?」

皐月「だって、眠れねーからさ。気晴らしにゲームしてたら、止まらなくなって……」

弥生「……自業自得じゃない」

場面転換。

セミの鳴き声。

お昼休みの教室。

皐月「……やべえ」

弥生「頭抱えて、何やってんの?」

皐月「いや、さっき、テスト返ってきただろ? 赤点だったんだよ。また、小遣い減らされる……」

弥生「最近、あんた、さらに成績下がってるもんね」

皐月「うう……。最近、家でも、全然、勉強に集中できないんだよ」

弥生「……いやいや。あんた、前から家で勉強してなかったじゃない。それより、あんた、今日、お弁当はどうしたのよ?」

皐月「……忘れた。やっぱり、集中力が散漫になってるみたいだ」

弥生「……寝坊して遅刻しそうになって、慌ててただけでしょ。それなら、購買に行って、なんか買ってきたら?」

皐月「小遣いピンチだから、やめとく」

弥生「やめとくって……そんなんじゃ、午後、もたないわよ。なんなら少し貸そうか?」

皐月「大丈夫だ。……えーと、確か……」

ガサガサとカバンを漁る皐月。

皐月「あった。速攻チャージのゼリー」

弥生「んー。それだとすぐ、お腹減るわよ……って、あんた、それいつの? それって春の限定品じゃなかったっけ?」

皐月「さあ。でもまあ、大丈夫だろ。変な鯵しないし」

弥生「……知らないわよ、どうなっても」

皐月「うう……。それにしても眠い。昼休み終わったら、起こしてくれ」

弥生「……ったく」

場面転換。

学校のチャイムが鳴っている。

その中でよろよろと皐月が廊下を歩いている。

皐月「……うう」

弥生「皐月? どうしたの? フラフラして」

皐月「なんか眩暈がする」

弥生「大丈夫?」

皐月「はうっ!」

弥生「ど、どうしたの?」

皐月「は、腹が……」

弥生「え?」

皐月「うおおおお!」

走り去っていく皐月。

場面転換。

保健室。

皐月「……うう」

弥生「ったく。脱水症状って、何やってんのよ」

皐月「仕方ないだろ。腹を壊したせいで、ほとんどの水分が出て行ったんだから」

弥生「私が見に行かなかったら、トイレで死んでたわよ」

皐月「ホント助かった。ありがとな」

弥生「……別にいいけど」

皐月「でも、ホント、何とかしないとな」

弥生「なにが?」

皐月「五月病」

弥生「え?」

皐月「俺、五月病なんだよ。だから、やる気がなくなったり大量不良になったりするんだよ」

弥生「いや、今、8月だから」

皐月「……あっ!」

弥生「それに、あんたのは五月病じゃなくて、単にズボラなだけでしょ」

皐月「ええー……」

終わり。

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